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タマネギを家庭菜園で育てよう!失敗しないコツを解説

タマネギは比較的育てやすい野菜の種類なので、家庭菜園の初心者にもおすすめの野菜です。調理の幅も広く、さまざまな料理に利用できます。この記事では、初めてタマネギを家庭菜園で育てる人に向けて、タマネギの植え付けや収穫時期、育て方や注意点を解説します。ぜひ最後まで読んでみてください。

 

家庭菜園で失敗しないためのタマネギ栽培の手順

家庭菜園でタマネギはどうやって栽培するのでしょうか。タマネギ栽培で失敗しないために、基本的な手順を解説します。

 

品種選び~品種に適した時期に栽培

タマネギの栽培時期は品種によって異なります。しっかりと育てて美味しく食べるには、それぞれの品種に適した時期に栽培することが重要です。品種は大きく分けると以下の3種類あります。

 

品種 植え付け時期 特徴
早生(わせ) 10月中旬~11月上旬 ・新玉ねぎとして流通・甘みが強く生食向き・貯蔵には不向き・4月下旬~とれる
中生(なかて、ちゅうせい) 10月下旬~11月中旬 ・早生と晩生の中間の性質・甘みはそれなりに強い・貯蔵にもそれなりに向いている
晩生(おくて、ばんせい) 10月下旬~11月下旬 ・鱗茎が大きく、貯蔵向き・一般的に販売されている玉ねぎ・6月頃より収穫

 

収穫時期までは早生が1番短く、晩生が1番長い傾向にあります。貯蔵できる期間は晩生が1番長く、早生が1番短いのが特徴的です。地域や環境条件に適した品種を選び、品種ごとのスケジュールを守って栽培しましょう。

 

初心者は、早生品種の栽培がおすすめ

初心者は栽培期間が短い、早生品種のタマネギから家庭菜園を始めることがおすすめです。栽培期間が短いとベト病(梅雨時期に多発する病気)にかかりにくく、収穫する前に花が咲いてしまう「トウ立ち」のリスクも少なくなります。

 

ただし、早生品種は保存性が低いので長期保存には不向きです。

 

育苗管理~育苗はタマネギ栽培の中で最も難しい。タマネギ栽培の成功の鍵を握る

育苗とは、畑に種をまいて育てるのではなく、育苗ポットや別の畑である程度成長するまで育てることです。下表の通り、種からと苗からでは作業スケジュールが異なります。栽培する品種によってもスケジュールは変わりますが、大体の目安として参考にしてください。

 

種から育てる場合 種をまく時期は9月頃
苗から育てる場合 苗を定植する時期は10-11月頃

 

収穫時期は冬を越して、4~6月頃です。育苗期間(種から芽が出て、ある程度しっかり育つまでの期間)が2か月と比較的長いため、苗から育てることもおすすめします。

 

初心者はより栽培が簡単な苗を購入して始めるのがおすすめ

種からよりも苗から育てる方が、育苗の手間が省ける分だけ失敗を回避しやすくなります。植えた場合、タイミングや気温の変化によっては育苗の苗が大きく生長しません。しかし、苗から育てる場合は植えたいタイミングで最適な苗を購入できます。苗からの場合は、太さなどのバラつきが少ないものを選べるため、病害虫に強い点もメリットです。

 

タマネギ畑の土作り・畝立て~黒マルチと一発肥料をおすすめ

タマネギ畑の土作りは以下の手順で行いましょう。

 

定植の2週間前 ・堆肥、苦土石灰を入れて耕す・苦土石灰は1平方メートル当たり、3握り(約150g)、完熟堆肥は約3kgが目安
定植1週間前 ・元肥となる化成肥料・リン酸を入れて再び耕す・化成肥料(N:P:K=8:8:8)は2握り(約100g)が目安

 

元肥(もとごえ)が足りない場合は冬季にチッソ不足になり、トウ立ちの原因になります。タマネギは根が浅く、栽培期間の長い植物です。根が浅いため乾燥に弱く、排水が悪いと病害虫の被害に遭う恐れがあります。

 

失敗を軽減するには黒マルチがおすすめ

苗の根付きをよくするには黒マルチの活用がおすすめです。黒マルチには雑草予防や防寒、肥料の流出防止、病害予防など、さまざまな効果があります。株間、条間それぞれ15cm確保し、畝幅50~100cmで畝(畑の土を細長く盛り上げた栽培床)を立て、タマネギ用の穴あき黒マルチを張りましょう。

 

苗を植える際は黒マルチを張らずに栽培することも可能です。しかし、栽培管理が格段に楽になり、成長促進にもつながるため、できる限り黒マルチを使いましょう。

 

追肥を必要としない肥料「玉ねぎ 一発肥料」がおすすめ

「一発肥料」とは、元肥として土に混ぜておくだけで緩やかに長く肥料が効き、栽培途中での追肥が不要な肥料のことです。マルチ栽培では、追肥の際に黒マルチをめくる手間が必要でした。しかし、一発肥料なら手間がかかりません。

 

ただし、プランター栽培の場合は、市販の培養土を使うことが多いため、すでに肥料が含まれているため、一発肥料を追加すると肥料の効果が強くなりすぎます。したがって、一発肥料を元肥として使う場合は培養土を使わずに自分で土を配合するか、もしくは無肥料の培養土を選びましょう。

 

植え付け(定植)~植えつける苗の大きさと浅植えがポイント

タマネギを苗から育てる際には、苗選びと植え付け方が重要です。苗を選ぶ際には、特に次の4つのポイントを押さえましょう。

 

・草丈が20~25cm

・本葉が3~4枚

・茎が鉛筆ほどの太さ

・茎の白い部分が伸びている

 

このサイズより大きすぎるとトウ立ちしやすく、小さすぎると球が大きくなりません。失敗を避けるためにも、できるだけ適正サイズの苗を選びましょう。

 

植え付ける際には、茎の白い部分が半分見える程度に浅植えすることがポイントです。白い部分が見えないほど深植えすると、縦長の球になってしまうので注意しましょう。植え付け後は、たっぷりと水をあげると根づきやすくなります。

 

追肥など収穫まで~追肥のタイミングを守る

追肥(ついひ)とは、種まきや苗の定植後、成長に必要な肥料を追加で与えることです。追肥によって不足しがちな栄養分を補い、成長をサポートできます。

 

定植後の追肥時期 ・早生:12月下旬と1月中旬の2回・中晩生:12月下旬、1月中旬、2月上旬の3回
追肥量 ・1回、1平方メートル当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)を1握り(約50g)・黒マルチを張っている場合は、肥料の流出が少ないため、量は控えめにする・黒マルチの穴ごとに化成肥料ひとつまみが適量

 

失敗しない追肥のポイントは、3月下旬以降は決して追肥をしないことです。追肥が遅れると貯蔵性が落ちるためです。雑草やネギ坊主の発生にも目を配り、見つけ次第除去しましょう。

 

タマネギの収穫

タマネギの収穫について、「収穫時期」「乾燥」「貯蔵」の3つの観点から解説します。それぞれ見ていきましょう。

 

収穫時期

タマネギの収穫時期は、品種によって異なります。早生品種なら3月下旬~4月、中生・晩生品種なら5月~6月頃に収穫時期することが一般的です。収穫適期は葉が自然に倒れて、倒伏(とうふく)したときです。畑全体の玉ねぎの8割ほどが倒伏したら、天気のよい日を見計らって収穫しましょう。

 

乾燥

収穫したタマネギは、雨の当たらない場所に並べて、1~3日乾かします。玉ねぎは湿度に弱いため、湿度の低い場所で乾燥させると腐敗を防げます。また、玉ねぎを乾燥させることは、追熟の観点からも重要です。追熟によって豊かな甘味のタマネギになります。収穫後は湿度と温度に気をつけながら、適切な場所で一定期間乾燥させましょう。

 

貯蔵

貯蔵方法は主に以下の2つがあります。

 

つるし貯蔵 葉つきのまま3~5株ずつ束ね、風通しのよい場所に吊るす
貯蔵箱 茎を切って網袋や箱に入れて風通しのよい場所に置く

 

ただし、早生のタマネギ(新タマネギ)は水分を多く含んでいるため、保存に不向きです。保存できない訳ではないものの、収穫後はなるべく早く使い切りましょう。早生は、その年の夏ごろまで、晩生は、品種により翌年春ごろまで貯蔵することができます。

 

 

タマネギ栽培で注意する病気・害虫

タマネギは栽培期間が長い分、病気・害虫への対策が必要です。家庭菜園で注意すべき病気・害虫を確認し、被害を最小限に抑えましょう。

 

注意すべき病気

タマネギ栽培で特に注意すべき病気は、以下の3つです。

 

病気名 特徴
べと病 健全株に比べて草丈が低く、葉が湾曲し黄色っぽくなる
さび病 葉の中央部にオレンジ色、まわりに黄白色に変わった斑点型がでる
軟腐(なんぷ)病 鱗茎部から表層部が軟化。鱗片が腐敗し、独特の異臭を放つ

 

これらの病気は、継続的な雨や水はけの悪さや、土壌病原菌が原因で発生・拡大します。病気を防ぐには、土壌環境の改善に努めることが重要です

 

注意すべき害虫

タマネギ栽培で注意すべき害虫は以下の3つです。

 

害虫名 特徴
タネバエ 根の表面に対して、ほぼ直角に内部に食入する
アブラムシ 新芽に好んで寄生し、幼枝の先端部や茎、根などに差し込んで汁液を吸う
ヨトウムシ 昼は地中に潜み、夜に植物の葉を食い荒らす

 

害虫は一度発生すると爆発的に増えるため、完全に止めることは困難です。発生前から農薬散布や物理的防除を行い、徹底的に予防しましょう。

 

タマネギ栽培のよくある失敗

最後に、家庭菜園でタマネギを栽培する際、よくある失敗を解説します。以下のポイントを押さえて失敗を回避しましょう。

 

「タマネギのトウ立ち」を防ぐポイント

トウ立ちを防ぐうえで最も重要なポイントは、植え付けや種まきの時期です。植え付けや種まきの時期が早すぎると、苗が大きくなりすぎてトウ立ちしやすくなります。また、早い植え付けは、分球や球割れなどの原因にもなりかねません。品種や作型ごとの種まき時期をきちんと守りましょう。

 

その他、植え付ける苗の太さも気をつけたいポイントです。定植する苗が大きすぎると、トウ立ちを起こしやすくなります。目安として、茎の太さが8mm前後の苗を選びましょう。

 

「育てたタマネギが大きくならない」失敗を防ぐポイント

生育不良になると、タマネギは大きく育ちません。追肥の時期を守り、忘れずに施肥を行いましょう。2月中旬の最期の「止め肥え」以降は肥料を与えてはいけません。

 

「土の中でタマネギが腐ってしまった」を防ぐポイント

排水不良は、タマネギの根が酸欠状態になってしまう原因です。排水が適切に行われない場合、タマネギの玉が肥大する時期に根が機能せず、病気になりやすいため注意が必要です。

 

特に水田の転換作物としてタマネギの栽培を検討する場合は、排水対策が欠かせません。水はけのよい畑で、あぜ溝に水が溜まらないよう注意しましょう。

 

まとめ

家庭菜園でタマネギを栽培する際は、難易度の高い種からの栽培ではなく、栽培期間が短くて済む「苗」からの栽培がおすすめです。玉ねぎは、品種ごとに適切な定植時期や収穫時期などが異なります。今回ご紹介した手順や失敗例などを参考に栽培を進めてみてください。

 

農業屋は、タマネギ種子からタマネギ苗まで、豊富な品種が入荷します。今回おすすめした「黒マルチ」「タマネギ一発肥料」をはじめ、播種や定植に便利な資材を豊富に取りそろえています。農業や家庭菜園でお困りのことがあれば、ぜひ農業屋へご相談ください。

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