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家庭菜園で害虫が発生した場合の対処法とは?種類別の対策を紹介

家庭菜園は害虫対策を適切に行うことが大切です。害虫は野菜を変色させたり、ウイルスを媒介したりする原因になり、対策しなければ作物が大きな被害を受けてしまいます。この記事では、害虫が発生した場合の対処法を害虫の種類別に解説します。害虫を寄せつけずに美味しい野菜を収穫するためにも、ぜひ参考にしてください。

家庭菜園では害虫対策が重要

「家庭菜園で野菜を育てる」と一口に言っても、季節や環境、天候など、野菜の健全な生育を阻む外的要因があります。なかでも、外的要因の1つとして見逃せないのが「害虫」による被害です。害虫は以下のような問題を引き起こすため、適切な対策を施す必要があります。

・野菜を食べる

・野菜を枯らす

・病気の原因になる

そこで、害虫が発生したときの対策と、害虫の発生を防止するための対策の両方を知っておくことが大切です。害虫の種類や性質は多種多様なので、害虫ごとの特徴についても理解を深めましょう。

 

家庭菜園の害虫対策は早期発見がポイント

害虫対策には、害虫の早期発見が重要です。観察しやすいよう、葉が混み合った場所はカットして風通しをよくし、雑草は抜き取ってください。茎や葉の様子、葉の裏側などを普段から定期的に観察し、変化がないか気を配りましょう。

発見と対策が早いほど害虫被害を減らせます。ささいなことが害虫のサインとして現れることも多いため、よく観察して早期発見と対策につなげましょう。

 

家庭菜園で害虫を発生させないための必須の予防対策

ここでは、家庭菜園で害虫を発生させないために必須の予防対策を解説します。

 

日当たりと風通しを改善する

日当たりと風通しは、野菜の生育環境のよさに直結する要素です。日当たりが悪い環境では、野菜がうまく光合成できません。また、風通しが悪いと、植物の抵抗力が弱くなり、害虫が発生しやすくなります。日当たりと風通しをよくするには、仮支柱を立てると効果的です。また、栽培方法に適していない不要な芽を取り除く「芽かき」も適度に行いましょう。

 

害虫がきらう自然農薬を使う

自然農薬とは畑の生態系に影響を及ぼしにくい、自然素材の農薬です。化学合成した薬剤ではなく、自然の成分を用いた農薬の代用品なため、比較的安全性が高い点が特徴といえます。

 

なかでも酢でできた自然農薬が代表的です。また、人体にやさしいとされるヨモギやドクダミなどの植物ハーブエキス、重曹、木酢液などを使っているものもあります。農薬関連の事柄は、原則として農薬取締法に定められています。したがって、害虫関連の対策についても、法律に則った使用が不可欠です。

 

害虫の天敵である益虫を活用する

世の中にいる虫は害になるものばかりではなく、人類の役に立つ虫も数多くいます。人間の生活に役立つ虫は「益虫」と呼ばれており、野菜栽培の大敵となる害虫を食べる、受粉を媒介するなどの利益をもたらします。虫だからといってすべて駆除してしまうのではなく、害虫か益虫かを区別し、益虫は積極的に農業に活用しましょう。

 

害虫が嫌うコンパニオンプランツを活用する

コンパニオンプランツとは、野菜と一緒に植えることでよい影響のある植物のことです。コンパニオンプランツには、農薬のように虫を駆除する性質はありません。しかし、これらを一緒に植えることで、虫を防ぐ植物もあります。例えば、マリーゴールドには防虫効果があるといわれます。その他、ニラやネギと他の野菜を合わせる方法も害虫対策に有効です。

 

防虫ネットや不織布を利用する

害虫対策をいくら行っても、周辺に自然が多い環境では害虫が飛来するのは避けられません。害虫の侵入を防ぐ際には、防虫ネットや不織布で野菜を覆うことも検討しましょう。防虫ネットは、目が細かいほど害虫予防の効果が高い点が特徴です。また、不織布の使用は防虫だけでなく、保温や霜よけの効果も期待できます。

 

家庭菜園で害虫が発生したときの対処法

家庭菜園で害虫が発生したら、どのような対策ができるのでしょうか。代表的な害虫対策の方法を解説します。

 

害虫駆除のため殺虫剤を使う

農薬だけでは害虫を追い払うだけで、駆除はできません。家庭菜園で害虫が発生した際は、まず殺虫剤を使った害虫駆除を検討しましょう。ただし、殺虫剤を使い過ぎると害虫に耐性がついたり、生態系を破壊したりする原因にもなります。説明書をよく読んで、使いすぎには注意してください。

 

天然成分100%の殺虫スプレーを使う

化学薬品の入った殺虫剤による野菜や人体への影響が気になる人は、天然成分100%の殺虫スプレーがおすすめです。天然成分の殺虫スプレーは市販されているほか、自分で作ることもできます。例えば、純米酢(米酢も可)500mlとトウガラシ(鷹の爪)10本ほど、ニンニク1~3本を使うと、自宅でも天然の殺虫スプレーを作れます。

 

家庭菜園における代表的な害虫

害虫の特徴はさまざまです。ここでは、家庭菜園で代表的な害虫について、特徴と予防・対処法を解説します。

 

アオムシ

アオムシは、モンシロチョウ・スジグロチョウの幼虫で緑色をしたイモムシです。葉を食い尽くす被害を及ぼします。

発生しやすい野菜 キャベツ・チンゲンサイ・ブロッコリー・カリフラワー・白菜・小松菜・カブ
発生する時期 4~6月・9~11月
発生前の予防 ・キク科やセリ科を近くに植える ・卵を取り除く ・防虫ネットをかける
発生後の対処法 アオムシ対象の農薬使用

 

アブラムシ

アブラムシは、葉や茎に寄生して汁を吸う害虫です。多発すると株全体が枯れることもあります。ウイルス病を媒介するため予防が必須です。

発生しやすい野菜 ナス科・ウリ科・ネギ科・オクラ・ソラマメ
発生する時期 3~10月
発生前の予防 ・反射光を当てる(銀色のマルチなど使用)・植え付け時に、薬剤を土壌に混和する
発生後の対処法 ・テントウムシが天敵・多発したら薬剤も検討

 

カイガラムシ

カイガラムシは体長1~10mmほどの小さな虫ですが、成虫は硬い殻をもつため、駆除が困難な害虫です。あらゆる植物に寄生し、葉っぱや茎を通して樹液を吸います。風通しが悪く、湿度が高い環境で発生しやすい点が特徴です。

発生しやすい野菜 ナス・ピーマン・キュウリ
発生する時期 5~7月
発生前の予防 ・風通しをよくするる
発生後の対処法 ・カイガラムシ対象の農薬使用・手作業で取り除く

 

カメムシ

カメムシは草花や野菜など、ほとんどの植物に害を与える害虫です。寄生すると、植物の養分を吸いとって弱らせます。カメムシ類の多くは、危険を感じると悪臭のある分泌物を出すことでも有名です。

発生しやすい野菜 マメ科・ナス科・サツマイモ
発生する時期 4~10月
発生前の予防 雑草や落ち葉を掃除し、隠れ家を作らない
発生後の対処法 ・ガムテープやティッシュなどで捕獲・市販の殺虫剤を使用

 

コガネムシ

コガネムシの成虫は6~8月に発生し、幼虫は土中で年中活動する害虫です。成虫は葉を食害し、大きな幼虫は根を食害します。

発生しやすい野菜 トウモロコシやサツマイモ(幼虫)・マメ科(成虫)・イチゴ
発生する時期 4~5月と10~11月(幼虫)・6~9月(成虫)
発生前の予防 土の中に幼虫がいないか確認
発生後の対処法 ・コガネムシ対象の農薬使用・手作業で取り除く

 

ダンゴムシ

ダンゴムシは、暗がりで湿気のある枯葉や石の下などに住んでいる害虫です。大量に発生すると、植物の葉や新芽、根などを食べます。夜になると活発に活動する傾向にありますが、日中でも石や鉢の下などを動かすと発見できます。

発生しやすい野菜 ナス・ジャガイモ
発生する時期 2~11月
発生前の予防 通気性のよい環境づくり
発生後の対処法 ダンゴムシを対象とした農薬使用

 

ナメクジ

ナメクジは柔らかい花びらや茎、葉、つぼみなどを食べる害虫です。乾燥に弱く、昼間は鉢底など湿っぽい場所に隠れています。光沢のある白い粘液の這い跡が特徴的です。

発生しやすい野菜 キャベツ・レタス・ネギ・ホウレンソウ
発生する時期 3~11月
発生前の予防 寄り付かないように雑草や落ち葉を片付ける
発生後の対処法 ナメクジを対象とした農薬使用

 

ハダニ

ハダニは植物にくっついて茎葉を食べる害虫です。体長は0.3~0.8mmほどと小さく、雄よりも雌の方が大きい点が特徴です。家庭菜園では、赤色をしたハダニが多く見られます。

発生しやすい野菜 ホウレンソウ・サトイモ・きゅうり
発生する時期 4~11月
発生前の予防 ダニ返しの設置
発生後の対処法 ・ハダニ対象の農薬使用(耐性がつきやすいため注意)・水をかける

 

バッタ

バッタは植物の若い葉や茎(幼苗)を食べる害虫です。成長するにつれ食害量も増えるため、株全体の葉をほとんど食べてしまうこともあり、植物の成長に大きなダメージを与えます。

発生しやすい野菜 マメ科・アブラナ科・シソ
発生する時期 5~11月
発生前の予防 寒冷紗の使用
発生後の対処法 バッタ対象の農薬使用

 

ハムシ

ハムシの多くは体長1cmにも満たない小さな種です。黒褐色の体で、背中には黄色いスジがあります。成虫も幼虫も植物の葉を食べるため「葉虫(ハムシ)」と名付けられました。

発生しやすい野菜 ダイコン・小松菜・チンゲンサイ・カブ
発生する時期 4~11月
発生前の予防 反射光を当てる(銀色のマルチなど使用)
発生後の対処法 ・ハムシ対象の農薬使用・手作業で取り除く

 

ヨトウムシ

ヨウトムシは体長30~50mmほどの黒紋や茶褐色斑で、まだら模様をしている害虫です。葉裏に群生し、葉脈を残してほとんど葉を食べ尽してしまいます。1回の産卵で、およそ数10~数百個の卵を産み付ける点も特徴的です。

発生しやすい野菜 キャベツ・白菜・キュウリ・ナス・トマト・セロリ・カリフラワー
発生する時期 5~10月
発生前の予防 夜間にライトを当てる
発生後の対処法 手作業で取り除く

 

まとめ

家庭菜園で害虫対策をしないと、野菜を変色させたりウイルスを媒介したりする原因になります。害虫対策には、害虫の早期発見が重要です。普段から茎や葉の裏側などをよく観察し、変化がないか気を配りましょう。

 

農業屋は、今回おすすめした「天然成分の殺虫剤」「防虫ネット」「不織布」「コンパニオンプランツ」をはじめ、防虫対策に便利なさまざまな資材を取りそろえています。農業や家庭菜園でお困りのことがあれば、ぜひ農業屋へご相談ください。

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