ペチュニアは、色幅や品種が多く春〜秋にかけて長期間咲く花です。そのため、初心者でも栽培がしやすいという利点があります。
ガーデニングの花の中でも、バラエティに富んでおり見た目も華やかなことで人気です。そんなペチュニアをプランターで育てる場合、どのようなことに注意すれば美しく保つことができるかをご紹介していきます。
目次
ペチュニアってどんな花?
ペチュニアの特徴
ペチュニアは、丸く優しいフォルムの花びらを持っています。品種によっては、八重咲きの場合もあります。
葉にある細かい毛のようなものは、病害虫を守るために生えています。開花時期がとても長く、その上とても丈夫な花です。
近年は品種改良され、小さな花を多く咲かせる多花性のものから優美な大輪咲きといった花など、花が好きな人にとっては飽きが来ないほどバリエーション豊富です。
ハンギングバスケットに入れてみたり、オーソドックスにプランターで育てたり、お好きな楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか。花壇やプランターをもう少し鮮やかにしたい時には、まさにうってつけと言えますね。
ちなみに、ペチュニアの花言葉は「あなたと一緒なら心が和らぐ」や「心の安らぎ」となります。まさしく、その場にあるだけで安らぐ親しみやすい花です。
ペチュニアが育ちやすい環境は?
ペチュニアは、日当たりが良く風通しの良い環境を好みます。しかし、夏場の強い西日には当てすぎないようにしましょう。
寒冷地でも育ちますが、比較的暖かい土地での栽培の方が育ちやすいです。逆に、梅雨時のようなジメジメした高温多湿の環境には適していません。
ペチュニアは花びらがやわらかいため、雨が続くとしおれた状態になります。雨にさらされ続けると、灰色かび病が発生する恐れがあるので十分な注意が必要です。雨の際はプランターや鉢植えを雨に当たりにくい場所に移動させましょう。
品種改良によって雨に強いペチュニアもつくられていますが、屋外で栽培をする際はできるだけ雨を極力避けるのがおすすめです。
ペチュニアをプランターや鉢植えでキレイに咲かせるには?
ペチュニアがよく育つ土選びとお手入れ
プランターを準備する前に、あらかじめ土の種類を決めておく必要があります。ペチュニアだけではありませんが、土選びは植物の生命を長く保つための重要なカギです。
ペチュニア生育には、有機質で水はけの良い土壌が必要とされています。地植えの際には、市販のペチュニア専用の園芸用土や腐葉土がオススメです。
もし自分で土を用意するのであれば、赤玉土やビートモスなどの土を選びましょう。長く咲かせるには、緩効性肥料(マグファンプKなど)を土に混ぜておくと良い生育が期待できます。
1株の苗を植えるプランターの大きさは、一般的に7号(直径21cm)~9号(直径27cm)が著井戸良いとされます。
それよりも大きいと土が乾きにくくなり、逆に小さすぎても水切れの可能性が高まります。よって、ペチュニアを育てるプランター・鉢を選ぶ際はその点に留意しましょう。
迷ったら、園芸店のスタッフさんに聞いてみると、適切なアドバイスがもらえるかもしれません。ペチュニアの植え付け後は、週1~2回ほど液体肥料を与えると更なる生育の質向上に繋がります。
栽培の際はただ単純に土をいじるだけではなく「優しくケアする」というイメージで行いましょう。株を傷ませないためにも、土を丁寧に扱うことは必要不可欠です。
ペチュニアをプランター・鉢に植える場合の株数
プランターや鉢植えでペチュニアを育てる場合には、窓際やベランダなど日当たりの良い場所に置きましょう。
植え付けの時には、苗と苗の間を詰めすぎずに間隔を取りながら植えていきます。株数は、30cmの横長プランターの場合はおおよそ1~2株、同じ長さのハンギング型プランターでは1~3株が目安となります。
丸鉢プランターには複数ではなく1株のみ植えることで、お手入れがしやすく尚且つ美しく咲きやすくなります。8号鉢や60cmプランターといった大き目サイズの場合には、5~6株ほどがちょうどいいでしょう。
浅すぎる鉢は根が詰まりやすくなる原因となるため、ある程度深さのある鉢を選ぶのがオススメです。
水やりをする時には、土が乾いたタイミングを見計らい、土にゆっくりと注ぎ込むような形でやりましょう。そうすれば、ペチュニアに土の養分を行きわたらせることができます。
また、鉢底に鉢底石を入れることで土の排水性・通気性が良くなります。鉢底石を入れる高さは、その入れ物の約4分の1ぐらいが目安です。
その上から土を被せるように入れて、大体鉢の底から2~3cmで留めましょう。あまりギリギリまで土を入れてしまうと、水やりがうまくいかずに水が流れ出てしまうからです。バランスに気をつけて、適切な土を作っていきましょう。
ペチュニアをこんもりと長く咲かせたい!そんな時はどうする?
切り戻しと摘心を行いましょう
ペチュニアの可愛らしいフォルムを十分に引き出すポイントは、摘心と切り戻しがポイントとなります。
摘心(ピンチ)は、茎の先端付近(脇芽の上)で切る作業のことです。タイミングは、植え付けをして2週間後となります。枝数を増やすためには欠かせません。この作業をすることで、花数が多くなってより多くのペチュニアを楽しめるメリットが生まれます。
切り戻しは、ペチュニアのような開花時期の長い花や生長しきった植物に対して行う剪定方法です。(根元から10cm辺りの位置を切ります)芽や葉の少し上あたりを園芸用ハサミで切っていきます。
その際、使用するハサミはしっかりと消毒を行いましょう(ペチュニアが傷んでしまうのを防ぐためです)。光合成のために葉っぱは切りすぎないように注意してください。行う時期は、梅雨に入る前(5~6月上旬頃)が適しています。
切り戻しをすれば、見た目が良くなる上に株の活力がアップして美しい花を沢山咲かせるようになります。切り戻した後のペチュニアは、お部屋に飾って再び楽しむことができます。
摘心も切り戻しも、細やかな作業で難しいと感じるかもしれません。植物の美しさを保つために、慎重に行っていきましょう。
ペチュニアを地植えで冬越しをさせる場合
長い期間咲くペチュニアでも、冬にはあまり強くはありません。そのため、日本でペチュニアは一年草として扱われています。しかし、近年では品種改良によって多年草のペチュニアが誕生しています(夏場に強いスーパーチュニアなど)。
とりわけ、地植えではプランター・鉢と違って移動ができないため、冬越しの難易度は高くなります。雪が降る上に土が霜害に遭う恐れがあるので、冬場にペチュニアを庭の花壇で育てることはオススメできません。
寒くなってきたら、花壇にあるペチュニアの挿し芽をして、一時的に鉢に植え替えて室内に移動させてください。
挿し芽とは、株の一部を切り取って、発根させて増やす方法です。適した時期は4~7月、もしくは9~10月頃(冬越し用の場合)です。ペチュニアの生育にちょうど良い気温は25~30度とされています。高温多湿を避けて、なるべく暖かい室内で冬越しをしましょう。
ペチュニアはデリケートな花なので、優しく包み込むような栽培方法をしていくことが美しさを保つコツです。
初心者でも育てやすいペチュニアの品種 オススメの3種類はこちら!
ギュギュ
花径は3~4cmほどです。多花性(沢山花を咲かせる性質)の品種となっており、とても人気があります。名前の通り、株がギュギュっとまとまりやすく、摘心がそこまで必要ではありません。
なおかつ、個性的で可愛らしい見た目が特徴的です。ペチュニアには珍しく、雨風にも強い特性があります。カラーバリエーションも様々で、ギュギュを並べて飾れば辺り一面も穏やかな雰囲気になりそうです。
どのサイズの鉢またはプランターに植えても、それに見合った形に育ちやすいのがギュギュの最大のメリットです。園芸を1から学んでいく方にとって、オススメといえます。
ギュギュは高温多湿に強いように作られているため、仕事・家庭などで忙しい方や園芸に慣れていない方でも比較的育てやすい品種です。園芸初心者でも、ギュギュの栽培を通じて基本的なことが身に付けられるはずです。
ジュリエット
八重咲でふんわりとした優しい形をしています。こちらも、カラーバリエーションが多くどの花を選ぶか迷ってしまうほどです。
特にブラックやパープル系のジュリエットは、色と花びらの形が相まってエレガントな雰囲気を醸し出しています。花数が多めなので、切り戻しをしてその後飾ることも可能です。
お花のお手入れ方法を一通り覚えるためには、ジュリエットが最適です。
スーパーチュニア
スーパーチュニアは夏に強く、開花しやすい品種です。ペチュニアには珍しく、強健な多年草として改良されました。少し痛んでも回復力が高く、雨の多い時期でも根や葉が痛みにくくつくられています。
一株でとても大きく育つので、大き目の鉢もしくは丸型プランター(直径30cmほどがベストです)を用意して育てましょう。
また、一般的なペチュニアよりも病害虫(アブラムシなど)の被害に強いです。
まとめ
園芸初心者でも楽しみやすい花の一つであるペチュニア。花の品種や色幅も多種多様なので、お好みのペチュニアを探してガーデニングを学んでみてはいかがでしょうか。
お手入れ次第で、長い期間咲かせたり、ドーム状に多く花を咲かせたり、人それぞれのガーデニングができます。室内でも花壇でも、ペチュニアのふんわりと優しいルックスで癒されること間違いなしでしょう。