独特な風味でエスニック料理に欠かせないハーブ、パクチー。英名コリアンダー、中国名はシャンツァイです。
料理のアクセントになると人気ですが、コンパニオンプランツとしても優秀だと近年注目されています。
今回は、パクチーをコンパニオンプランツとして使うときに相性が良い野菜や、栽培方法、発生しやすい病害虫などをご紹介。料理でも使い勝手の良いパクチーは、菜園に1つあるとさまざま場面で活躍しますよ。
目次
コンパニオンプランツとは
コンパニオンプランツとは、合わせて育てることで良い影響を与えるとされる植物です。
主な効果は以下の4つ。
- 病気の予防
- 害虫の防除
- 生育促進
- 野菜の風味が良くなる
生長促進のほか、植物の大敵となる病害虫の発生にも効果を発揮します。
コンパニオンプランツを植え付ければ、農薬などを使わずに病害虫を防ぐ効果が期待できるため、家庭菜園におすすめです。
セリ科パクチーの3つの効果
セリ科の植物であるパクチーには、コンパニオンプランツとして 3つの効果が期待できます。
ここでは、パクチーの効果を詳しくご紹介しましょう。
病害虫忌避
パクチーは大変人気の高い野菜ですが、独特な臭いや味が苦手だという人も多いことで知られています。
この香りは虫にも有効で、パクチーが放つ強い香りによって虫を寄せ付けない効果があるんです。
- アブラムシ
- ハダニ
- コナガ
パクチーで防除できるとされる主な害虫は、上記の3つになります。
とくにアブラムシやハダニは、野菜につくと大発生し枯らしてしまうこともあるため、パクチーで防除するとよいでしょう。
一般的に、野菜の害虫予防では殺虫剤が使われることが多いですよね。しかし、料理で使うことを考えたら薬剤を使用したくないと思う人も多いでしょう。
そんな人はパクチーを混植するのがおすすめです。
結実促進
害虫を防げるパクチーですが、ハチを呼び寄せる効果があるといわれています。
ハチは、花から花へ飛び移り受粉の助けになるんです。ハチのおかげで受粉がスムーズに進むと、果実ができやすくなるでしょう。
イチゴやトマトなどの果実ができる野菜と、パクチーは相性抜群です。一般家庭の菜園はもちろん、農家でも結実促進のため、パクチーを使用するところは多いといわれています。
相互作用
野菜には、水分がたくさん必要な野菜と少しの水分で育つ野菜、日当たりを好む野菜と日陰を好む野菜など、さまざまな種類があります。
栽培環境が異なる野菜を一緒に育てることで、お互いに良い影響を与え成長しやすくなるのです。
パクチーの場合、基本的に日当たりの良い場所を好みますが、日陰でも問題なく育ちます。そのため、ほかの野菜の根元に植えるのがおすすめ。
相手の生育を邪魔することなく、パクチーも元気に成長できるんです。
パクチーとキャベツは相性が良い
パクチーをコンパニオンプランツとして使うのにとくにおすすめの野菜が、キャベツです。
キャベツはアブラムシやコナガがつきやすいため、パクチーで防除すると栽培しやすくなること間違いなし。
また、コンパニオンプランツとして育てたあとは、料理でも使えるのがパクチーの魅力です。キャベツとパクチーは合わせて料理をしたときの相性も良いので、食卓でも楽しめますよ。
ほかにも相性が良い野菜はある?
パクチーと相性が良い野菜は、キャベツだけではありません。
代表的な野菜は、以下の4つです。
- トマト
- レタス
- ディル
- スープセロリ
このほかにも、パクチーは植物全般と相性が良いとされているので、いろいろな野菜と一緒に植えてみてください。
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パクチー栽培の時期や方法
種まき時期 | 3〜4月 |
開花 | 5〜6月 |
収穫 | 9〜11月 |
栽培環境 | ・暖かい環境を好む ・風通しの良い場所で乾燥気味に育てる |
パクチーは耐寒性がほとんどなく、高温で乾燥気味の環境を好みます。
日本では春から夏にかけての栽培がおすすめですが、湿気の多い日本の夏は苦手です。なるべく風通しの良い場所で育て、暑い夏を乗り切りましょう。
パクチーは、種まき→発芽→開花→枯れるというサイクルで終わる、1年草の植物です。そのため、長く栽培したいなら開花させないことがポイント。
1年草の植物は、花が咲き終わると枯れてしまうため、花芽を見つけたら刈り取るようにしてください。
パクチーに発生しやすい病害虫
さまざまな野菜のコンパニオンプランツとして効果を発揮するパクチーですが、病気や害虫の被害にあうこともあります。
病気
<パクチーに発生しやすい病気>
病名 | 症状 | 対策 |
うどんこ病 | 葉が、うどんの粉をまぶしたように白くなる | チッ素量の多い肥料を与えない・日当たりと風通しを良くする |
苗立枯病 | 下部の葉が黄化する・苗が土壌際から倒れる | 排水性の高い土壌で育てる・土壌のPHを酸性にしない |
灰色かび病 | 花弁や蕾、葉にカビが発生し、灰色になる | 株間を空けて栽培する・水やりのさい、泥はねしないようにする |
害虫
<パクチーに発生しやすい害虫>
害虫名 | 特徴・被害内容 | 対策 |
アブラムシ | 体長2mmほどの虫で、葉に寄生して栄養を吸汁する。葉が光合成できなくなり、株が枯れてしまう。 | 天敵であるテントウムシの幼虫を放つ・歯ブラシなどで取り除く |
ハダニ | 体長1mmほどの虫で、葉裏に寄生する。葉の栄養を吸汁し、白い斑点状の柄があらわれる。 | 多湿に弱いので、葉に霧吹きで水をかける |
ヨトウムシ | 体長30mmほどになる蛾の幼虫。夜になると動き出し、旺盛な食欲で葉を食い尽くす | 昼間は土壌のなかに潜んでいるので、ヨトウムシ専用の殺虫剤を土にまく |
まとめ
パクチーは、キャベツやトマト、イチゴなどと一緒に育てれば、害虫忌避や結実促進などの効果が期待できます。殺虫剤を使わなくても病害虫の予防ができるため、栽培した野菜を安心して食べられますね。
コンパニオンプランツとしてはもちろん、料理でも活躍するのが、パクチーの魅力です。
植物全般のコンパニオンプランツに使えるので、レシピに合わせて栽培してみてください。美味しいパクチー料理を自宅で手作りできますよ。