バジルは、そのままサラダで食べたりパスタやピザに使ったりと、イタリア料理に欠かせないハーブの1つです。スーパーでも手軽に苗を買うことができ、初心者でも育てやすいキッチンハーブとして有名ですよね。
しかし、栽培中や保存中に黒くなってしまうことはありませんか?この記事では原因や対策をわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
バジルが黒くなってしまう原因
昨日まで元気に育っていたのに、葉に黒いシミや斑点がついていることがあります。もう食べられないのか、防ぐにはどうしたらよいのか気になりますよね。ここでは、まず黒くなってしまう原因を紹介します。
栽培中に現れる黒いシミや斑点の原因は?
栽培中に、写真のような黒いシミができてしまうことがあります。これは、成長する過程で苗に負担がかかったために、バジル自身が葉を枯らして根の負担を減らそうとした証拠です。
バジルは寒さにも弱いので、気温が安定しない季節であれば低音障害も考えられます。食べても問題はありませんが、見た目にも風味的にも取り除くのが良いでしょう。
黒い斑点が表面についている場合には、アブラムシがついているか、メイガとよばれる蛾の糞である可能性が高いです。
アブラムシは植物の新芽やつぼみに寄生して植物の汁を吸い、生育を阻害します。メイガは蜘蛛の糸をつけたり穴を開けられてしまうこともあります。
また、夏場にはハダニがつくことがあります。葉の裏に寄生して養分を吸い取り、葉を真っ白にしてしまうことも。気がついたらすぐに対処しましょう。
バジルは摘むと黒くなる?
バジルはとても傷つきやすく、酸化しやすい繊細な植物です。収穫や保存の際に葉と葉が擦れると黒くなってしまいますので、扱いには注意しましょう。
バジルは洗うと黒くなる?
バジルの葉はとてもやわらかく、少しの衝撃でも繊維が壊れて黒くなってしまいます。また、勢いよく水で洗うことでせっかくの香りが抜けてしまうこともあります。
バジルは冷蔵庫に入れると黒くなる?
バジルの生育適温は20〜30度と言われており、寒さにとても弱いです。冷蔵庫に入れて冷気に当たると、冷えすぎて黒くなってしまいます。「冷蔵庫に入れたら翌日には黒くなってしまった」という声もよく聞きますね。
バジルに黒いシミや斑点をつくらないための対処法
シミや斑点ができてしまうと、せっかく大事に育てたバジルを棄てることになってしまいます。大きく育て、虫がつかないようにするために対処法や気をつけたいポイントを紹介します。
栽培中の注意点
栽培中に注意するポイントは主に3つあります。
- 適温に保たれているか
- 排水がうまくできているか
- 日光たりや風通しの良い場所に置いているか
バジルの生育適温は20〜30度と言われており、暖かい気候を好みます。春まきで育てるハーブ類の中でも1番遅くに種まきをするのがよいでしょう。関東などの中間地では、十分に気温が上がる5〜7月を目安に苗を植え付けるのがおすすめです。東北や北海道などの寒い地域では、気温が安定して遅霜の心配がなくなるまでのんびり待ちます。
バジルは水を好みますが、排水ができていないとうまく育ちません。水をたっぷり与えますが、土が乾いていることを確認してから水やりするようにしましょう。
また、苗をポットのまま育てている場合は、鉢底石を入れた鉢に植え替えることをおすすめします。平均的なバジルは高さ50cm〜80cmほど、幅30cmぐらいまで大きく育ちます。育てたい大きさに応じて、直径15cm〜30cmの深めの鉢を選びましょう。
バジルは日光を好みますので、鉢は風通しの良い日向に置くようにしましょう。突然外気にさらされ環境が変わると、水分代謝が追いつかずに萎れてしまったり、日射しの強さに負けて葉焼けを起こすこともあります。最初は風の当たらない日陰で外気に慣らしてから、少しずつ日光に当てるようにします。
害虫対策
アブラムシは、肥料や水分が多いと寄ってきます。肥料や水の与えすぎに注意しましょう。少量であれば手や歯ブラシなどでそっとはらいます。
また、メイガの仕業と思われる蜘蛛の糸や穴が空いているのを見つけたら、その部分は切って取り除いてしまいましょう。メイガは枯れた茎の中に潜んでいることもあり、いったん侵入してしまうと退治するのが困難になります。ハダニ対策には「葉水」といって、水やりの際に霧吹きで葉っぱに水をかけることで予防になります。
共通して、風通しを良くすることも重要です。葉が多くなり重なっている場合は湿気がこもりやすいので、こまめに収穫しましょう。レモンやお酢などを使った手作りの虫よけスプレーをかけるのも、害虫だけでなくかびや病害対策にもなるのでおすすめです。
傷つけない
収穫やその後の保存の際に、擦れたりしないよう大事に扱いましょう。すぐに使用しない場合はできるだけ触れずに、使う直前に洗うようにしてくださいね。
濡らさない
水気があると黒くなりやすいので、雨の日は収穫しないほうが無難です。また、農薬や埃がついていることもあるので洗いたくなってしまいますが、水洗いするときは手早く行い、水気をしっかりと切りましょう。
冷やさない
涼しければ常温でも保存が可能です。冷蔵庫で保存する場合は、キッチンペーパーや新聞紙で包んで冷気が当たらないようにします。冷蔵庫に野菜用のチルド室があれば、温度が下がりすぎないチルド室を選びましょう。
バジルを新鮮に保つための保存方法
前項までに紹介した注意点をふまえて、フレッシュにバジルを食べきる保存法を解説していきます。
バジルをそのまま使う場合
収穫してすぐに使用することが基本です。できるだけ水で洗わず、濡れたキッチンペーパーで葉の両面を拭き取って使いましょう。
すぐに使用しない場合は、茎ごとコップに水挿しして日の当たる窓辺に置いておきます。バジルは水耕栽培でも育つので、長持ちしますよ。
冷蔵庫で保存する場合には、キッチンペーパーや新聞紙で冷気を遮り、乾燥を防ぐためにポリ袋などに入れて保存しましょう。
オイルを使ったバジルの保存法
バジルは乾燥に弱く酸化しやすいので、保存する際にはオイルでコーティングしておくことがおすすめです。包丁で切ったりフードプロセッサーで加工したりする前にオリーブオイルなどのオイルを垂らしておくと、膜ができて鮮度を保てます。
また、風味は少し変わってしまいますが、酸化防止剤として食用のビタミンCを添加することによって鮮やかな緑色を保てます。食用のビタミンCは、ドラッグストアやネットショップで簡単に手に入れることができますよ。
バジルを長期保存したいときは?
1週間を目安に使い切れない場合は、冷凍すれば1ヶ月ほどに保存期間を延ばすことが出来ます。また、上手に乾燥させれば1年でも風味を保つことができます。
冷凍する場合は、チャック付ポリ袋やタッパーなどの密閉できる容器に入れて冷蔵庫に入れます。使うときは、冷凍したまま料理に加えます。
乾燥させて保存する場合は、野菜乾燥用のネットに入れましょう。色は若干落ちますが、香りがぎゅっと凝縮されます。トマト煮込みにスパイスとして加えたり、岩塩といっしょにフライドチキンにかけたりしても美味しいですよ。
バジルを使ったレシピ
栽培したバジルをフレッシュなままいただく簡単なレシピを紹介します。
そのままサラダに
フレッシュなバジルとカットしたトマトを、オリーブオイルと岩塩、黒胡椒で和えるだけでおしゃれな一品になります。お好みでハムやモッツァレラチーズを加えてもさらに美味しいですね。
また、花芽の部分もサラダに入れたりして楽しむことができます。少しだけ開花が始まった白花の花穂をサラダに添えれば、見た目も華やかになります。
ひと手間加えてジェノベーゼソースに
パスタソースはもちろん、チキンやポテトにかけても美味しく食べられます。
材料(3~4人分)
- バジル 50g
- にんにく 1かけ
- 松の実 30g
- 粉チーズ 大さじ2
- 塩 小さじ1/2
- こしょう 少々
- オリーブオイル 100ml
出典:https://delishkitchen.tv/recipes/182109783455695206
上記を目安に好みで分量を加減してください。松の実が手に入りにくい場合は、ピーナッツやアーモンドなど他のナッツでも代用できます。
- バジルは濡れたキッチンペーパーで両面をさっと拭き取り、軸を取り除きます。
- にんにくは皮をむいて包丁で縦半分に切り、固い芯を取ります。
- 松の実はそのままでも食べられますが、香りを立たせるためにフライパンでさっと炒めます。
- ミキサーに全ての材料を入れて、なめらかになるまで撹拌します。必要以上に長く撹拌してしまうと摩擦で酸化してしまうので、必要最小限の時間にしましょう。
1度に食べきれない場合は密閉容器に入れて冷蔵庫に保存し、1週間以内に食べきりましょう。
ハーブウォーター
水を注いで冷蔵庫に数時間置いておくだけで爽やかなハーブウォーターとしても楽しむことができます。お好みでレモンやはちみつを入れると飲みやすくなります。
まとめ
栽培中のバジルに黒いシミや斑点を作らないために気をつけるポイントをおさらいします。
- 適温に保たれているか(適温は20~30度)
- 排水がうまくできているか
- 日光たりや風通しの良い場所に置いているか
- 肥料をあげすぎていないか
黒いシミや斑点を見つけたら、広がってしまう前に早めに原因を取り除きましょう。収穫後にも、バジルを濡らしたり冷やしたりするとすぐに黒くなってしまいます。傷つけないように、大事に大事に扱いましょう。
鮮やかなグリーンの色合いを保って、サラダやパスタなどの料理と一緒にバジルを楽しんでみてくださいね。