トマトとバジルを混植させると、栽培が成功しやすいということをご存知でしょうか?2種は相性抜群のコンパニオンプランツとして知られています。
では、なぜトマトとバジルの組み合わせは相性が良いのでしょう。今回は、おすすめの理由や成功率をアップさせる植え付け方などをご紹介します。
トマトやバジルの栽培で悩んでいる人は必見です。
目次
トマトとバジルは一緒に栽培するとなぜ良いの?
トマトとバジルを一緒に栽培すると良い理由は、2つあります。園芸初心者にもわかりやすく解説しますので、チェックしておきましょう。
水分調整
作物を栽培するうえでもっとも大切なポイントが、水です。水分調整がうまくいかないと、どんなに環境を整えても作物は枯れてしまうでしょう。
トマトとバジルは、必要とする水分量が違います。水分が少なく乾燥した状態を好むトマトに対して、バジルは成長するうえでたくさんの水分を欲するんです。そのため、一緒に植えるとバジルがたくさん水分を吸収し、トマトが好む乾燥した環境をつくってくれます。
水分量を少なくして育ったトマトやミニトマトは、実の糖度がアップする傾向があるんです。適切な水分量を調整することは、肥料を利用したり追肥を繰り返すよりも効果があるので、試してみてください。
害虫対策
ガーデニングや家庭菜園の最大の敵が、植物に発生する病気や害虫です。トマトやバジルにも病害虫は発生するため、予防と対策を忘れないようにしましょう。
ハーブの一種であるバジルは、比較的害虫がつきにくいという特徴があります。しかし、トマトはアブラムシ・ヨトウムシ・コガネムシなどの害虫被害をうけやすいため、注意が必要です。
そこで活躍するのが、バジルが放つ強い香りなんです。トマトの隣にバジルが植えられていると、害虫はバジルの香りを嫌がり寄り付きにくくなるといわれています。
コンパニオンプランツとは?
冒頭でも紹介したように、トマトとバジルはお互いの「コンパニオンプランツ」です。
コンパニオンプランツとは、混植・寄せ植えすることで、両者がより健康に育つことが期待できる組み合わせの植物をいいます。
<主なコンパニオンプランツ>
- ニラ:かぼちゃ・メロンなど
- 大葉(シソ科):サツマイモ・キュウリなど
- パセリ:ナス・ピーマンなど
- ネギ類:キュウリ・かぼちゃなど
- イチゴ:ニンニク
正しい植え方
コンパニオンプランツは、ただ混植すればよいわけではありません。適切な株間や組み合わせるポイントがあるので、正しい植え方を覚えておきましょう。
プランターや鉢のサイズは?
トマトとバジルを一緒に植えるなら、プランターや鉢のサイズは、最低でも横幅60cm・奥行き30cm・深さ30cmが必要です。トマト1株だけなら、横幅30cm程度で十分ですが、バジルを混植させるとなると小さすぎます。
ギュウギュウに植えてしまうと、根詰まりの恐れがあるためおすすめしません。苗のうちはかなり余裕がありますが、成長するとプランターいっぱいに広がるので、スカスカな状態から始めましょう。
バジルの株間は?
トマトは比較的土壌の深い部分に根を伸ばす一方、バジルは浅い部分で根を広げます。そのため、トマトとバジルの株は近くに植え付けても問題ありません。トマトを植えたあと、根元にバジルを植えればOKです。
しかし、バジルを2株以上植えるなら、株間は30cm以上空けるようにしましょう。バジルは大きく育つ傾向があります。そのため、近くに植えるとお互いの根が絡み、枯れてしまう原因になるんです。
組み合わせのポイント
トマトとバジルを入れた寄せ植えをつくるなら、ほかの組み合わせも知っておくと役立ちます。
トマトとバジル、双方に相性が良いとされる植物は、以下の3種類です。
<トマトとバジルに相性が良い作物>
・チャイブ
・ジニア
・レモンバーム
チャイブは、自らがおとりとなり、害虫による食害を防ぎます。また、混植によってトマトやバジルの生育を促進させ、風味を良くする効果も期待できるでしょう。
ジニアは、別名「百日草」と呼ばれるキク科の植物です。花が咲く時間が長く、寄せ植えをきれいな花で彩るでしょう。同時に、土壌に潜むセンチュウに効果を発揮し、根の食害を防ぎます。
レモンのような香りが特徴のハーブの一種、レモンバームも、トマトやバジルと相性抜群です。レモンバームは爽やかな香りでハチを呼び寄せ、トマトの受粉を助けます。
料理の相性も良い
トマトとバジルは、コンパニオンプランツのほか、料理での相性も良いことで知られています。
<トマトとバジルを使ったおすすめ料理>
- マルゲリータピザ
- トマトとバジルのカプレーゼ
- トマトとバジルのパスタ
トマトとバジルの組み合わせは、イタリアンで定番です。
トマトの酸味とバジルの風味は、相性抜群。生・炒める・焼く、どんな調理方法でも美味しく食べられるので、いろいろなレシピを試してみましょう。
他にもある?野菜とハーブの組み合わせ
ハーブの品種 | 相性の良い野菜 | 効果 |
タイム | ナス、キャベツ | 天敵であるハチを呼び寄せ、野菜につくアオムシなどを防除する |
ミント | キャベツや大根などのアブラナ科野菜 | 強い香りで害虫を防除し、アブラムシや毛虫から守る |
セージ | 人参、キャベツ | モンシロチョウを防除し、産卵させにくくする |
マリーゴールド | バラ科、ウリ科の野菜 | 根から分泌液を出し、土壌中のセンチュウを死滅させる |
カモミール | ハクサイ、ブロッコリー | 害虫の天敵であるカマキリなどを住まわせ、モンシロチョウなどを防除する |
ローズマリー | にんじん、豆類 | 香りでヨトウガやモンシロチョウを寄せ付けない |
野菜とハーブでおすすめの組み合わせは、たくさんあります。しかし、ここで注意したいのがハーブの繁殖力を甘くみてはいけないという点です。
とくにミントやタイムの繁殖力は旺盛で、しっかり管理しないとほかの植物の生育域をおかしてしまうことも。植えたらほったらかしにするのではなく、毎日の管理を怠らないようにするのがコツです。
まとめ
トマトとバジルは、コンパニオンプランツとしてはもちろん、料理でも相性抜群のベストパートナーです。栽培虫はお互いの成長を助け合い、収穫しても一緒に美味しく食べられるのは嬉しいですよね。
2つを組み合わせて栽培すれば、園芸初心者でも失敗する可能性は少ないでしょう。まずはトマトとバジルから始めて、いろいろな野菜の栽培を楽しんでください。
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