「土壌消毒」と言う言葉を聞く事があると思います。家庭菜園では、限られた場所、面積で野菜を栽培する事で、「連作障害」が心配されます。その対策の1つとして、「土壌消毒」があります。
今回は、家庭菜園で、「連作障害」を避けるための「土壌消毒」について、冬と夏に行う違いとそのやり方について紹介していきます。
土壌消毒の方法
土壌消毒といっても、様々なやり方があります。「焼土」「熱蒸気消毒」「太陽熱消毒」「土壌還元消毒」「殺菌・殺虫剤」などですが、家庭菜園で、比較的簡単に出来る事としては、夏場に行う「太陽熱殺菌」と「殺菌・殺虫剤」を使用する方法、また冬場に行う「寒起こし(土を寒さに当てる)」です。
冬に行う土壌消毒
冬場に行う土壌として「寒起こし(土を寒さに当てる)」があります。寒さと言うと、最低気温として5℃以下を目安として下さい。そして、土をまんべんなく寒さに当てる必要があります。その為には土を掘り起して、しっかり寒さに当てましょう。
気温が5℃以下の寒さに当てると言う事で、1月~2月頃が最適な時期になります。
まず畑の周りから、ショベルなどで30cmの深さ以上を掘り起こし、畑の中央付近に積んで行きます。面積が大きく積んで行く事が難しい場合は、畑の中の土を掘り上げて、地面に出すイメージで行って下さい。そして10日程寒さに当てます。今度は、中央に積んだ土を広げて、中央部分を掘り起こします。そして同じように、10日程寒さに当てます。これを2回ほど繰り返せば、ほぼ完ぺきです。
後は必要な堆肥、石灰、肥料などを施し、畑の準備は完了です。
夏に行う土壌消毒
夏場に行う土壌消毒としては、冬の様に掘り起こすだけでは、菌や害虫を駆除する事は出来ません。夏は日差しが強い事で、その日差しを利用した「太陽熱殺菌」を行います。少ない面積の方であれば、黒のポリ袋を用意して下さい。面積が大きい方は、農業用ビニール、ポリを用意して下さい。
黒のポリ袋を使用するのは、面積が少ない方、又は病気が発生した場所の周辺の土を重点的に行う場合です。まずはポリ袋に、土壌消毒をする土を入れます。たくさん入れ過ぎず、持ち運び出来る量を入れます。土を入れ終わったら、日がよく当たる場所へ持ち運んで、全体が軽く濡れる程度、水を入れます。そして袋の口を縛って、直射日光に当てましょう。2週間程おきましょう。
畑が広く、農業用ビニールなどを使用される場合は、土の水分が多い、梅雨明けから気温が上がって来る7月下旬から開始するのが効果的です。畑の端に溝を掘りビニール、ポリの端を埋めて、畑に張って行きます。土の深さ25cmの所が35℃以上になる事を確認して、一か月程おきます。
その後は、有効な微生物なども残りませんので、堆肥や有機肥料を混ぜ込んで、使用しましょう。「匠のぼかし」などの有機100%肥料がおすすめですよ。
薬剤を使った土壌消毒
「土壌消毒」は、薬剤を使用する事が一般的ですが、近年では、使用されている成分が使用禁止になっている物もあります。(「臭化メチル」など)
効果は高く安定していますが、健康への影響も心配されますので、使用する場合は、使用方法・使用量を必ず守って安全に使用する事が重要です。使用できる薬剤なのか、お店で確認しましょう。
まとめ
「土壌消毒」は、長く畑を使用していると必要になる事があります。でも、夏場、冬場の対策をとる事や、天然成分の連作障害の軽減資材「連作障害ブロックW」などもありますので、農薬を使用したくないと言う方にはおすすめです。