一緒に植えるとお互いの生育に良い影響を与える植物を、「コンパニオンプランツ」と呼びます。トマトと相性が良いコンパニオンプランツには、どんな野菜があるのでしょうか?
コンパニオンプランツがトマトに与える効果から、選ぶときのポイントまで、詳しく解説します。
コンパニオンプランツをうまく利用できれば、初心者でも美味しいトマトを栽培できること間違いなしです。
目次
トマトと一緒に植えるといい野菜は?
まず、ガーデニングなどでトマトやミニトマトを栽培するときにおすすめの、コンパニオンプランツをご紹介します。コンパニオンプランツとして代表的なのはマリーゴールドですが、今回は野菜を中心にまとめました。
特徴や効果的な植え方を紹介しますので、選ぶときの参考にしてください。
ネギ
トマトはもちろん、あらゆる野菜のコンパニオンプランツとして知られているのが、にんにく・らっきょう・玉ねぎなどを含むネギ類です。ネギ類特有の香りに、害虫の侵入を防ぐ効果があります。
トマトとネギ類は根に共生微生物が住んでおり、この作用によって病害虫を撃退する効果もあるんです。栽培方法のコツは、トマトとネギ類の根を近づけるように植え付けること。土壌のなかで病原菌を退治できますよ。
ニラ
さまざまな料理に活躍するニラも、トマトにおすすめのコンパニオンプランツです。
ニラが持つ独特な香りを害虫が嫌うため、トマトの苗を囲むように植え付ければ発生を防ぐ効果が期待できます。
チャイブ
ハーブの一種であるチャイブも、トマトと相性が良い野菜です。チャイブはアサツキによく似たネギの仲間で、ニオイにより害虫を寄せ付けない効果があります。
チャイブは、トマトをプランターで栽培するときのコンパニオンプランツとしておすすめです。その理由は、細長い形が場所を取らないという点にあります。
プランター栽培はスペースが限られるため、チャイブのように縦に伸びる植物が向いているんです。
パセリ
水分を好む性質のパセリとは乾燥気味の土壌を好むトマトと相性が抜群です。水分吸収の違いにより、お互いの成長を促進できるでしょう。
また、成長時の草丈の違いもポイントです。成長すると2mになるトマトとは違い、パセリの草丈は高くても30cm前後にしかなりません。
直射日光を苦手とするパセリにトマトが日陰をつくってくれることで、パセリは成長しやすくなるといわれています。
バジル
シソ科の植物バジルは、パスタやサラダでトマトと一緒に食べることが多い人気の野菜です。バジルが持つ特有の強い香りが害虫を遠ざけ、トマトを食害から守ってくれる効果があります。
また、バジルには虫よけ効果があるのも特徴です。家庭菜園にバジルがあると、蚊やハエも寄せ付けないといわれているので、虫が苦手な人は植えてみてください。
レモンバーム
ハーブの一種、レモンバームも、トマトと相性の良いコンパニオンプランツです。名前の通り、葉っぱから爽やかなレモンの香りを放つのが特徴で、ハーブティーにして楽しんでいる人も多いのではないでしょうか?
レモンバームは強い香りにより、ハチを引き寄せる・カメムシなどの害虫を寄せ付けない効果があります。ハチは植物の受粉を助けるため、トマトの成長を促す益虫です。
コンパニオンプランツの効果とは
コンパニオンプランツは、実際にトマトにどんな効果をもたらすのでしょうか?メリットと注意点をまとめました。
コンパニオンプランツのメリット
コンパニオンプランツのメリットは、主に4つあります。
- 臭いにより害虫を寄せ付けない(シソ・ニラなど)
- 根にいる共生微生物の作用で病気を防ぐ(ネギ類・アスパラガスなど)
- ハチを引き寄せ受粉を助ける(レモンバーム・ミントなど)
- 根や栄養の水分吸収の違いによりお互いの生育を促す(バジル・パセリなど)
コンパニオンプランツは、劇的に植物を成長させるわけではありません。しかし、一緒に植えた植物の生育を手助けする効果があります。
コンパニオンプランツの注意点
コンパニオンプランツは、肥料とは違います。肥料のようにトマトに栄養を与える効果はないということを覚えておきましょう。隣に植えたからといって、必ず生育がうまくいくわけではないんです。
コンパニオンプランツに頼るだけではなく、栽培環境を整えたり毎日の手入れを怠らないようにしたりするほうが失敗しにくいでしょう。
トマトのコンパニオンプランツを選ぶポイント
コンパニオンプランツは、品種により効果が違います。
コンパニオンプランツに何を求めるかによって選びかたが変わるので、選ぶときのポイントを知っておきましょう。
トマトを害虫や病気から守る
病害虫を寄せ付けないというのは、コンパニオンプランツの代表的な効果です。トマトには、アブラムシやセンチュウなどの害虫がつきやすいとされています。
センチュウを予防したいときに混植すると効果的なのが、アスパラガスです。アスパラガスは、殺線虫物質を分泌するため、トマトと一緒に植えることでセンチュウ被害をおさえてくれるでしょう。
トマトに守ってもらえる
トマトがコンパニオンプランツから良い効果を与えられるのはもちろんですが、植物自身も守ってもらえるというメリットがあります。
病害虫予防になったり、水分吸収がしやすくなったりと、栽培がスムーズに進むようになるでしょう。
トマト栽培の後作
コンパニオンプランツを植えることで、トマトのほかにも野菜を収穫できます。とくにバジルやニラは、レシピの面でもトマトとの相性が抜群です。
2つの野菜を同時に栽培することで、生育の手助けになるだけではなく、収穫量が倍になるのは嬉しいポイントですね。
一緒に植えるとNGな組み合わせ
野菜には、コンパニオンプランツのようにお互いの成長を助け合う種類だけではなく、阻害しあうものもあります。
<NGな組み合わせ>
- トマト×キュウリ(ウリ科)
- トマト×トウモロコシ(イネ科)
- トマト×落花生(マメ科)
- スナップエンドウ(マメ科)×玉ねぎ(ヒガンバナ科)
- キャベツ(アブラナ科)×レタス(アブラナ科)
NGな組み合わせの野菜を混植してしまうと、良い環境で栽培しても失敗する可能性があるので要注意です。
害虫を増やしてしまう・水分を取り合うなど、生育するうえで非常に育てにくい環境になってしまうでしょう。
NGな組み合わせでポイントとなるのが、同じ科に属する作物は相性が悪いという点です。同じ科の作物同士だと害虫を呼び合ってしまうため、食害の被害を受けやすくなってしまう可能性があります。
まとめ
コンパニオンプランツは、効果が科学的に示されているわけではありません。あくまでも「農業における昔ながらの知恵」なので、コンパニオンプランツだけに頼らないようにしましょう。
しかし、コンパニオンプランツの効果は侮れません。病害虫対策や野菜の成長に効果を発揮するので、ぜひ利用してみてください。
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