ほうれん草を育てているけど、「黄色くなって、元気がない」といった事はありませんか?
肥料はきちんと与えたけど…なぜ?という方に、今回はほうれん草が黄色くなってしまう原因と対処法について、深堀りして行きたいと思います。
目次
ほうれん草の種まき
ほうれん草は秋蒔きの場合、8月下旬~の暑さがひと段落してからが良いでしょう。暑さには弱いので、もし30℃を超えるような日がつづくなら、種まきを見合わせる事も必要です。
上手く育たない原因(土壌酸度)
気温が落ち着いて種を播いたけどうまく育たないという場合、考えられるのは土のpHの問題です。ほうれん草は酸性土壌を嫌うので、原因として考えられます。
pHが酸性で6以下の場合は、生育が悪くなります。また、pH5以下となれば枯れてしまいます。ほうれん草は、pH7~8のアルカリ成分の多い土壌を好みます。
土壌が酸性土壌の場合の対処法
まず、土壌酸度計などで畑の酸度を計測します。酸度計が無い場合などでは、生えている雑草で判断する事も出来ます。スギナ、ハコベ、オオバコなどが生えていると酸性土壌と判断できます。
そして、pH6以下の酸性の場合は「石灰」を施しアルカリ土壌に改善して行きます。石灰には「消石灰」「苦土石灰」「有機石灰」と種類があり、使用方法、使用量も異なりますので、注意して使用しましょう。
※「消石灰」「苦土石灰」は、種まきの2週間前までに施します。すぐ使う場合は「有機石灰」です。
※「苦土石灰」は化成肥料と同時に使用するとガスが発生するので、肥料は1週間はあけて施しましょう。
葉が黄色くなる原因(土壌の微量要素不足)
土壌の酸度を測ったら、pHは問題無かったのに葉が黄色くなるという場合もあります。原因は「土壌の微量要素」が不足している場合です。「カルシウム」や「マグネシウム」が不足すると、葉が黄色くなることがあります。また、低温や乾燥が続いた時、栄養分が吸収できない場合があり、葉が黄色くなる場合もあります。
葉が黄色くなった場合の対処法
まずは、ほうれん草の葉が黄色くなったら、「粒状苦土石灰」を撒きましょう。「苦土石灰」はマグネシウム(苦土)、カルシウム(石灰)で出来ているので、その補給になります。「苦土石灰」は粉状のものもありますが、粒状の物を使用する事で、成分がゆっくり溶け出して長く効果が続くため、おすすめです。「苦土石灰」の成分である「マグネシウム」「カルシウム」は、葉を形成する為に必要な要素となり、葉を丈夫にしてくれます。
撒きかたとしては、畝にばら撒いて下さい。そして低温、乾燥により栄養分が吸収されない事が考えられる場合は、潅水する事も必要です。
※潅水は、厳寒期は、凍結などに注意が必要です。ハウス栽培、マルチ栽培は有効です。
害虫の被害
ほうれん草がうまく育たない原因で、害虫の被害も考えられます。同じ畝で育てていても、生育に差があるなどの場合は、土の中に「コガネムシの幼虫」がいる事が考えられます。
害虫の対処法
「コガネムシの幼虫」を早めに見つけられたらいいのですが、見つけられず被害が拡大する事を防ぐため、そんな時は「ダイアジノン粒剤」を使用して対策をしましょう。
まとめ
ほうれん草の生育が悪い、葉が黄色いなどの原因は「高温、土壌酸度、害虫」の3つの事が考えられます。 種播きの前からの土の準備をしっかり行い、気温を見て種を播く事、害虫対策も忘れずおこなえば、上手く育てる事が出来ると思います。