白菜(ハクサイ)は、アブラナ科・アブラナ属の野菜で、種まきして年内に発芽・開花・収穫までできる一年草です。
鍋やスープ、漬物など、いろいろな料理で活躍するため、食卓になくてなはらない存在ですね。一口に白菜といっても、品種がいくつかあるのをご存知でしょうか?
今回は、白菜品種の選び方をご紹介します。白菜の品種や特徴、どんなポイントで選べばよいのかなど、白菜選びのコツをまとめました。
家庭菜園で白菜を栽培したい人は、要チェックです。
目次
白菜の品種選び
家庭菜園でおすすめの白菜は、以下の3種類です。
<オレンジクイン>
- 通常の白菜よりもカロテンを多く含むため、結球部分がオレンジ色
- シャキシャキした食感で臭みが少ない
- サラダにして生で食べるのがおすすめ
<ほまれの極み>
- 寒さに強いため、秋まき可能
- 根こぶ病・べと病に強い
- 生長すると約3kgになる大型品種
<春の祭典>
- 晩抽性のため、春まきに向いている
- 生理障害・根こぶ病に耐性がある
- 植え付け後約60日で収穫できる早生種
どの品種も、お近くで気軽に種や苗が購入できます。栽培も簡単なので、家庭菜園に向いているといえるでしょう。
栽培日数
一般的な白菜の栽培日数は、約60〜100日といわれています。品種によって栽培日数にバラつきがあり、前述した「春の祭典」などの早生品種になると、定植後60日で収穫可能です。
早く収穫したい・種まきが遅くなってしまったという場合は、栽培日数が少ない品種を選ぶとよいでしょう。
栽培過程も楽しみたいなら、「オレンジクイン」などの一般的な栽培日数の品種を選ぶにがおすすめです。
耐病性
白菜で発生しやすい病気には、ふち腐れ病・ゴマ病・根こぶ病などがあります。
病気が発生すると収穫が難しくなるため、耐病性に優れた品種を選ぶとよいでしょう。
白菜の品種には、さまざまな病気に耐性をもつ種類があります。耐病性があると薬剤を使用する頻度も減るので、無農薬栽培を目指すなら耐病性に注目して選んでください。
白菜の種類と特徴
白菜は、大きくわけて3つの種類に分けられます。結球型・半結球型・不結球型などがあり、育ち方が違うので、それぞれの特徴をご紹介します。
結球型
もっともポピュラーな品種で、芯部分を包み込むように葉が何重にも重なっているのが特徴です。
結球型は、含まれる水分量が多いため、実が柔らかいのが魅力。鍋やスープ、漬物など、どんな料理にも活躍しますよ。
半結球型
下の方はキュッとしまっていますが、上部は開いた状態で生長するタイプの白菜です。
葉の厚みが少ないため、柔らかく食べやすいのが特徴。長く漬け込んでも酸っぱくなりにくいことから、漬物用として使われることが多いようです。
不結球型・その他
結球することなく、全体が開いた状態で生長する品種です。代表的な品種には「広島菜」や「山東菜」などがあります。葉の食感は硬めで、主に漬物や炒めものに使われます。
ほかにも、重さが1kg前後でサイズが一回り小さい「ミニ白菜」や、葉の色が紫色になる「紫白菜」などがあります。
白菜の主な病気
白菜は、前述したようにかかりやすい病気があります。
野菜を栽培するうえで病気は大敵なので、主な病気の症状を知っておきましょう。
芯ぐされ
中心の結球部がくさり、黒く変色する病気です。変色部分は食べられないため、捨てるしかありません。
蒸れや湿気が原因となるので、風通しの良い環境で育てましょう。
ふち腐れ病
葉のふちが壊死し、茶色く変色してしまう病気です。
カルシウム不足やホウ素不足が原因となるため、元肥や追肥で塩化カルシウムやホウ砂をたっぷり与えるとよいでしょう。
ゴマ症
葉の芯部分にゴマをまいたような黒い斑点があらわれる病気です。
症状が出た部分に害はないので食べられるものの、見た目は悪いですよね。ゴマ病は、チッ素成分が多いと発生するので、チッ素成分の少ない肥料で育てるとよいでしょう。
根こぶ病
根っこにこぶができてしまい、水分吸収を阻害する病気です。日の当たる日中は株に元気がなく、夜になると元気になるのが特徴。
根こぶ病が進行すると、水分不足が悪化し株全体が枯れてしまいます。
アブラナ科野菜の連作障害で発生しやすいため、一度栽培したら次の年は同じ場所での栽培を控えましょう。
白菜を結球させるポイント
白菜栽培では、うまく結球させるのが美味しく作るコツです。
最後に白菜を結球させるポイントをまとめたので、覚えておきましょう。
家庭菜園向けの品種を選ぶ
白菜には、大きく分けて「早生種」「中生種」「晩生種」の3種類があります。初心者でも栽培しやすいのは、収穫までの期間が短い「早生種」です。
初心者が家庭菜園でつくるなら、早生種を選べばより失敗が少なくなるでしょう。
主な早生種は、以下の3つです。
- 無双白菜
- 黄ごころ65
- 耐病60日
どれも身近で種や苗が買える、人気の品種です。栽培期間が短く、病害虫にも強いため、初めて栽培するなら選んでみてはいかがでしょうか。
植え付けの時期と方法
白菜の栽培には、春まきと秋まきがあるのが特徴です。春まきの場合、3〜4月に種をまくので、定植するのはゴールデンウィーク頃になります。秋まきなら、7〜8月頃に種をまき、定植は9月頃になるでしょう。
<白菜の植え付け手順>
- 本葉が6〜7枚の苗を用意する
- 株間50cm程度を目安に植える
- 水をたっぷり与える
外葉の成長が大切
白菜は外葉から先に成長し、光合成しながら徐々に結球部分ができていきます。つまり、外葉がしっかり育たなければ、株全体も育たないということです。
生育初期段階で肥料をたっぷり与え、大きくてしっかりした外葉を育てるように注意しましょう。
水はけのよい土壌で育てる
白菜栽培で使用する土壌は、水はけのよいものを選びましょう。
白菜は細かい根を土壌中に広げながら成長するため、水はけが悪いと根が水分を吸収できず、うまく成長しないこともあるんです。
育苗中は害虫対策を
まだ発芽したばかりの若い葉は、柔らかくて美味しいので害虫の被害にあいやすいといわれています。
とくに、中心部が食害にあってしまうとその後成長しても結球しなくなるので、育苗中は大きく育った株以上に害虫対策が重要になるんです。
害虫の侵入を防ぐなら、防虫ネットで全体を覆う方法がよいでしょう。網目の細かい園芸用ネットを使えば、小さな虫の侵入も防げるため、おすすめです。
まとめ
白菜には、栽培日数の違う「早生種」「中生種」「晩生種」の3種類があります。もっとも栽培日数が少ない「早生種」は、家庭菜園におすすめ。
栽培しやすく改良された種類もあるので、初心者ならまずは今回ご紹介した品種からはじめてみましょう。
また、白菜の形には「結球型」「半結球型」「不結球型」の3種類があります。見た目や食べたときの食感がそれぞれ違うので、料理に合わせて選ぶとより美味しく食べられますよ。
白菜の栽培は、どの品種も害虫に気をつければ難しいものではありません。栽培期間と使い道から品種を選べば、初心者でも手づくり白菜を家庭で楽しめること間違いなしです。
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