寄せ植えは、1つの鉢に数種類の植物を植え込んだものです。複数の植物が1つの鉢に収まるため、華やかになります。この記事では、寄せ植えを楽しみたいと思っている人に向けて、寄せ植えの基本から必要なツール、材料、作り方などを詳しく解説します。寄せ植えを始めようと思っている場合は、ぜひ参考にしてください。
目次
寄せ植えについて
そもそも寄せ植えとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、寄せ植えの概要や寄せ植えの良いところを解説します。
寄せ植えとは
寄せ植えとは、鉢やプランター、花だんなどに複数の種類の植物を寄せて植えたものです。寄せ植えの際には、草花だけではなく樹木やハーブなどを組み合わせるケースもあります。異なる植物を植え込むことで、さまざまな色や品種の美しさを楽しむことができるという特徴があります。
寄せ植えが観賞できる期間としては、2~3か月が一般的です。ただし、開花期間が短い品種であれば、1か月程度という場合もありますし、開花期をコントロールすれば長く持たせられる場合もあります。また、植え替えて作り直すことも可能です。
寄せ植えの良いところ
寄せ植えの良いところとしては、以下が挙げられます。
・華やかさがある
・小さなスペースでも楽しめる
・決まった型や形式がない
・自由に組み合わせられる
・季節やイベントに合わせて作ることも可能
寄せ植えは、異なる種類の植物を寄せて植えるため華やかさがあります。また、鉢やプランター1つで複数の植物が楽しめるため、スペースに余裕がなくても楽しめる点は大きなメリットでしょう。
寄せ植えは特に決まった型や形式がなく、自分で自由に組み合わせて自分好みに作れる点も魅力です。季節やイベントに合った植物を選んだり、小物を添えたりすることもできます。
寄せ植えの種類
寄せ植えは大きく分けて「育てる寄せ植え」と「植えて楽しむ寄せ植え」に分けられます。ここでは、それぞれの種類について詳しく解説します。
育てる寄せ植え
小さな苗を使って寄せ植えを作る方法です。育てる寄せ植えを楽しみたい場合には、これから成長することを考えて寄せ植えすることが重要になります。特に、PWを使用する場合には隙間が開いていて少し寂しいと感じる程度がよいとされています。
PWとは、「PROVEN WINNERS」の略で、生育パフォーマンスや観賞価値といった高い基準をクリアした品種に付けられるマークです。生育旺盛ですぐに大きく育つため、できるだけ大きな鉢を使うとよいでしょう。
植えて楽しむ寄せ植え
植えて楽しむ寄せ植えは、すでに育っている植物を組み合わせる方法です。フラワーアレンジメントをイメージするとわかりやすいでしょう。植えた時点で完成となるため、植物を隙間なく組み合わせて自分好みの見た目にします。
植えて楽しむ寄せ植えは、植え付けたらすぐに楽しめる点がメリットです。徒長した部分は切ってメンテナンスをします。徒長とは、枝や茎などが必要以上に伸びて葉の色が薄くなったり元気がなくなったりすることです。
寄せ植えで使う道具
寄せ植えで必要となるツールを紹介します。
・土入れ:鉢に土を入れるために必要で、植物と植物の間に土を入れやすい細いタイプがおすすめ
・園芸用ハサミ:植物の茎や根を切る際に使うもので、手のサイズに合っていて切れ味の良いものがおすすめ
・ジョウロ:寄せ植えの作成後に植物に水を与えるために必要で、シャワー状に水が出る「はす口」の取り外しができるタイプがおすすめ
・グローブ:土や植物を扱う際に必要で、指先にフィットするものを選ぶ。とげのある植物を扱う際は、革製のものがおすすめ
このようなツールが必要となるため、事前に揃えておくとよいでしょう。
寄せ植えに必要な材料
寄せ植えに必要な材料は大きく分けて5つです。以下では、寄せ植えに必要な材料について詳しく解説します。
土
寄せ植えを作るうえで、土の質はとても大切なポイントです。寄せ植えの場合、鉢やプランターなどに土を入れて植物を植え付けるため、入れられる土の量には制限があります。植物に必要な栄養素や酸素などが足りなくならないように、水はけと水持ちを両立させた草花用の培養土を使用するとよいでしょう。
草花用の培養土は、ホームセンターや園芸店などで販売しており手に入れやすい土です。また、寄せ植えに使う植物に合った土を選ぶこともポイントです。植えようとしている植物が酸性の土を好むか、アルカリ性を好むのかを調べて適した土を選びましょう。
鉢
鉢のサイズは「号」という単位で表されます。号1つが直径3cmとなっているため、10号であれば直径30cmになります。一般的には、8号程度から始めるケースが多いようです。直径24cm程度の鉢で、土がたっぷり入るだけでなく初心者でも扱いやすいサイズです。
鉢は素材にもこだわりましょう。根が育つ空間でもあるため、通気性や排水性のよい素材が向いています。たとえば、素焼きやグラスファイバーなどは通気性や排水性に優れています。また、プラスチック製でもスリット入りで通気性や排水性を高めたものもあります。見た目も重要な要素となるため、素材と見た目のバランスにも注意しましょう。
肥料
植物の生長を促すためには、肥料も重要です。寄せ植えを作る前に、元肥として土に肥料を混ぜておきましょう。元肥とは、植え付け前に土に混ぜ込んでおく肥料のことです。元肥の場合にはゆっくりと肥料が浸透していくタイプの「緩効性肥料」がおすすめです。
肥料のなかには、害虫を予防・駆除するタイプもあるため、害虫の不安がある場合には殺虫成分などをプラスした肥料を選ぶ方法もあります。
また、肥料のやりすぎには注意が必要です。肥料は大量に与えればよいというものではありません。与えすぎると根が栄養素を吸収できなくなり、植物が元気をなくしてしまいます。
鉢底用の石
寄せ植えの水はけをよくするために、鉢底用の石も必要です。鉢の底に、鉢の5分の1程度の鉢底用石を入れましょう。排水溝用のネットや洗濯ネットなどに鉢底用の石を入れてセットすると、植え替えの際にすぐ取り出せるため再利用しやすくなります。大粒の赤玉土を鉢底用石の代用として使うことも可能です。
鉢底ネット
鉢底ネットも用意しましょう。寄せ植えの鉢底にある穴をふさいで土が流れ出ないようにする、鉢底の穴から虫が入ってこないようにするという役割があります。鉢底ネットを鉢底に合わせてカットし、鉢底石を入れる前に鉢底に敷きます。鉢底石を入れるネットとは別物であるため、ネットとは別に鉢底に敷くためのネットを用意してください。
寄せ植えの手順
寄せ植えの手順は以下のとおりです。
・鉢底ネットを敷く
・鉢底石を入れる
・元肥と培養土を混ぜる
・上記を入れる
・苗を試し置きする
・ポットから苗を取り出す
・植え付ける
・元肥を混ぜた培養土を足す
・隙間を埋める
・水を多めにあげる
まずは、植物を植えるための土台作りとして鉢の準備をしましょう。また、培養土に元肥を混ぜておき、土の準備もしておきます。鉢の半分程度まで土を入れたら、苗をポットから抜かずに試し置きしましょう。植物のバランスや見え方などを意識して配置を決め、ポットから取り出して植え付けます。苗と苗の間に土を入れて隙間を埋め、水をたっぷりとあげて完了です。
寄せ植えを上手に行うポイント
寄せ植えを行う際には、5つのポイントを押さえましょう。ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
主役を決める
まずは主役の植物を決めましょう。主役を決める際には、自分の好みが大切です。豪華さがなくても構いませんので、自分が好きかどうかを重視しましょう。ボリュームや高さ、華やかさが足りないと感じる場合には、他の植物で補うことができるため、自分好みの植物、思い入れのある植物などを主役に据えましょう。
テイストをイメージ
作りたい寄せ植えのテイストのイメージを膨らませることも大切です。次項で詳しく解説しますが、寄せ植えのテイストを明確にしておくことは鉢を選ぶ際にも役立ちます。代表的なテイストとしては、ナチュラルやポップ、クールやエレガントなどが挙げられます。植物によってもテイストは異なるため、置き場所なども含めてテイストをイメージしましょう。
鉢を決める
寄せ植えに使う鉢には、さまざまな素材や形、色のものがあります。前項で決めたテイストに合わせた質感や色合いのものを選ぶとよいでしょう。鉢にはさまざまな素材がありますが、主な素材の特徴は次のとおりです。
・素焼き:通気性や水はけに優れている
・グラスファイバー:素焼きなどの質感が再現されておりデザイン性が高い
・樹脂、木材:軽量で、形やデザインが豊富
主役の植物やテイストに合った素材の鉢を選ぶとよいでしょう。
デザインを決める
次に、デザインを決めましょう。デザインの基本は2つです。1つ目が鉢の中で高・中・低と3段階で高低差を付けたデザイン、2つ目は中央部がこんもりと茂るようなドーム形のデザインです。まずは基本をマスターしましょう。基本をマスターしたうえで、アレンジやオリジナルに挑戦すると成功しやすくなります。
主役に合わせる植物を決める
最後に、主役に合わせる植物を決めましょう。主役の色やボリュームをサポートできるような植物を選ぶことがポイントです。どの植物がよいか迷った場合は、色合いを優先するとまとまりのある寄せ植えに仕上がるでしょう。基本的には、同系色でグラデーションを作ったり反対色で際立たせたりするケースが多いようです。
まとめ
寄せ植えとは、複数の植物を1つの鉢やプランターに寄せ植えたものです。1つの鉢でさまざまな植物を楽しむことができ、華やかさがあります。省スペースで楽しめるため、スペースに余裕がない場合にも向いています。必要な道具や材料を揃えたうえで、自分好みの植物を選んで寄せ植えを作りましょう。
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