朝、畑に出てみたら、前の日に植えたばかりの苗がほとんど食べられていた…。そんなショックな経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。シカ対策は、畑や庭、果樹園を守るために欠かせないテーマですが、フェンス・ネット・電気柵・忌避剤・超音波など資材や方法が多く、「どれを選べばいいのか」「自分でできる範囲と専門施工の境目が分からない」という声もよく聞きます。
この記事では、農業屋コラムとして、鹿の被害の実態と原因から、フェンス・ネット・電気柵など主なシカ対策の種類と効果、そしてDIYの限界と防獣バスターズのような専門業者に相談した方がよいケースまで、順を追って紹介します。ご自身の畑や庭の条件に合った方法を選び、シカをはじめとした野生動物から作物を守るための判断材料としてご活用ください。
害獣被害のご相談・現地調査は「防獣バスターズ」まで!目次
シカによる被害の実態と影響
畑や庭で起きているシカ被害の例
シカは畑の野菜や穀物だけでなく、庭の樹木や花木の葉・新芽・樹皮まで食べてしまうことがあります。畑のキャベツやブロッコリーの葉がきれいに食べられていたり、庭木の樹皮がはがされていたりするのを見て「まさかシカだとは思わなかった」というお話も珍しくありません。ニホンジカはジャンプ力もあり、飛び越えられる低いフェンスでは守りきれない場合もあります。
被害の対象は、畑の野菜・果樹・穀物・苗・観賞用の植物などさまざまです。食べられるだけでなく、角で幹や支柱をこすられたり、地面を踏み荒らされたりと、物理的なダメージも無視できません。特に農業を営んでいる方にとっては、収穫量の減少・商品価値の低下といった経済的な影響が大きく、地域全体の農業にも関わる問題になりやすいです。
「毎年少しずつ被害が増えている気がする」「今年は被害が倍くらいになったように感じる」など、じわじわと被害が広がっていくケースも多い印象です。心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
シカ被害の原因と背景
シカ被害が増えている背景には、野生動物の生息環境や地域の農業・林業のあり方の変化が関係しているとされています。山林の手入れ不足や里山の利用形態の変化などにより、シカが人里近くまで降りてきやすくなり、畑や庭が「身近な餌場」となってしまう地域もあります。また、日本各地でニホンジカの個体数が増えていると指摘されることも多く、農業・観光・自然環境への影響が問題になっています。
さらに、雪の少ない地域や暖かい冬が続く地域では、シカが活動しやすい期間(シーズン)が長くなりやすく、その分だけ畑や庭への侵入の機会も増えてしまいます。地域によって状況は異なりますが、「たまに来る」野生動物ではなく、常にシカ対策を考えておくべき対象になっている場所も少なくありません。
鹿対策を考える前に押さえたい基本方針
「侵入させない」「居つかせない」という考え方
鹿対策の基本は、シカやほかの害獣(イノシシなど)を「畑や庭に侵入させない」「居つかせない」ことです。シカは一度“安全でおいしい餌場”だと学習すると、夜間を中心に何度も同じ場所へ通う傾向があります。入口となる隙間をふさがずに放置してしまうと、被害が続くことになりかねません。
そのため、物理的なバリア(フェンス・ネット・ワイヤーなど)で侵入経路を防止することと、音や光・超音波・忌避剤などで威嚇して「危険な場所」と認識させることを組み合わせる考え方が大切です。どちらか片方だけでは限界があり、野生動物の慣れが進むと効果が薄れてしまう場合もあります。
「まずは簡単なグッズだけで試してみたい」という気持ちも自然ですが、被害がはっきり出ている場合は、最初から侵入防止のライン(支柱+ネットやフェンス)と威嚇・忌避をセットで考えた方が、結果的に作物を守れるケースが多い印象です。
持続可能なシカ対策の必要性
シカ対策は、1回設置して終わりではなく、何年も続けていく“長距離走”のような取り組みになります。例えば、フェンスも支柱も、風や雪・シカの力によって少しずつ歪んだり、地面との間に隙間ができたりします。最初は完璧でも、メンテナンスを怠ると、そこから侵入や飛び越えが起きてしまうのです。
また、地域全体で取り組まないと効果が出にくい場合もあります。隣の畑や山林がノーガードで、そこがシカにとって快適な場所であれば、自分の畑だけを守るのは難しくなります。自治体や地域のグループ、農協などと連携しながら、罠や捕獲(狩猟免許が必要な対策)・電気柵・フェンス・啓発活動を組み合わせていくことも重要です。
「今だけ守れればいい」ではなく、「数年先も畑や庭を守り続けるにはどんな方法が持続しやすいか」を意識して、無理のないシカ対策を選んでいきましょう。
主な鹿対策の方法と特徴
フェンス・ネットなど物理的なバリア
もっとも基本となるのが、フェンス(柵)やネットで畑・庭・果樹園を囲う“物理的なバリア”です。金網フェンス・ワイヤーメッシュ・防獣ネットなどを支柱に張り、シカやほかの野生動物が侵入できないようにします。物理的な防止策なので、電気を使わずシンプルで分かりやすいというメリットがあります。
一方で、シカはジャンプ力があり、低いフェンスは飛び越えられてしまうことがあります。また、支柱が弱かったり、地面とのすき間が残っていたりすると、そこからくぐって侵入されてしまいます。柔らかい土の畑や傾斜地では支柱が傾きやすく、地面との間にすき間ができやすい点にも注意が必要です。
フェンスやネットを使う場合は、高さ・支柱の強さ・地面とのすき間・張り方がポイントになります。「簡単に立てられるから」と支柱の本数を減らしてしまうと、シカが押したときにたわみが大きくなり、そこから侵入されてしまうこともあります。

電気柵によるシカ対策の仕組み
最近のシカ対策でよく使われているのが電気柵(電気フェンス)です。支柱に電線やワイヤーを張り、通電させることで、シカが触れた瞬間に電気ショックを与えて侵入を防ぎます。シカは鼻先や口先で柵の状態を確かめる習性があるため、そのタイミングで「ここは痛い場所だ」と学習させる狙いがあります。
電気柵は、適切な高さ・段数・地面からの距離・電圧など設置条件が整っていれば、高い効果が期待できる方法です。一方で、雑草が伸びて電線に触れると漏電してしまったり、バッテリーの管理が不十分だと夜間に通電していなかったりと、メンテナンスが欠かせません。設置する場所や対象となる動物(シカだけか、イノシシもいるのか)によって、最適なワイヤーの張り方や支柱の配置も変わってきます。
「電気柵は怖そう」「難しそう」と感じる方もいらっしゃいますが、説明書や専門スタッフのアドバイスに沿って正しく設置・管理すれば、安全に使えるシステムです。不安がある場合は、農業屋のスタッフや防獣バスターズのような専門業者に相談しながら進めると安心です。

忌避剤・超音波・音と光による威嚇
物理的なバリアに加えて、忌避剤・超音波機器・ライトや音による威嚇もシカ対策の一つです。強いニオイの忌避剤や、オオカミの遠吠えなどを模した音、突然光るライトや超音波などを使うことで、「ここは危険な場所だ」と感じさせて追い払う狙いがあります。
これらは設置が比較的簡単で、庭や小さな畑などでも利用しやすい一方、シカが慣れてしまうと効果が落ちるという側面があります。また、風向きや地形によってニオイや音の届き方が変わるため、周囲の住宅や道路との兼ね合い(音量・光量)にも配慮が必要です。
忌避剤や超音波などは、単独で「完全に守る」ことを目指すより、フェンス・ネット・電気柵と組み合わせて防除効果を高める役割として考えるのがおすすめです。
鹿対策グッズ・資材の選び方と設置のコツ
畑・庭・果樹園など場所と対象に合わせて選ぶ
シカ対策の資材は、「どこを守りたいのか」「どんな作物や樹木を守るのか」によって向き・不向きが変わります。家庭菜園の小さな畑や庭であれば、ネットや簡易フェンスでも対応しやすいですが、広い圃場や果樹園では、通路や機械の出入りも考えながら資材を選ぶ必要があります。
また、シカだけでなくイノシシやほかの害獣も出る地域では、対象となる動物の性質に合わせた設置高さや網目のサイズが重要です。例えば、イノシシは地面を掘り返したり、低い位置から押し込んだりする力が強いので、下部の補強が欠かせません。「うちの地域ではどんな野生動物が問題になっているか」を、近所の方や自治体の情報も参考にしながら確認しておきましょう。
フェンス・ネットの高さと支柱・張りのポイント
フェンスやネットを設置するときに意外と多いのが、支柱の本数や強度・張り方が不足している失敗です。シカは頭や体でフェンスを押して隙間を探すことがあり、支柱間隔が広すぎたり、土が柔らかくて支柱が傾いたりすると、そこから侵入を許してしまいます。
高さについても、「これくらいで大丈夫だろう」と感覚で決めてしまうと、ジャンプで飛び越えられてしまう可能性があります。一般的に、シカ対策用のフェンスは、シカのジャンプ力を考慮した高さが必要とされますが、地形・斜面・風の強さなど条件によっても適切な高さは変わります。迷ったときは、農業屋のスタッフに畑の状況(写真など)を見せて相談していただくと、より具体的なアドバイスがしやすくなります。
支柱の“張り”についても、最初の設置だけでなく、風・雪・シカの力で変形していないか定期的にチェックし、必要に応じて補強することが重要です。
電気柵を安全に使うための注意点
電気柵は強力なシカ対策ですが、正しい設置と管理ができていないと、十分な効果が出なかったり、思わぬトラブルにつながったりする恐れがあります。よくあるポイントとしては、
- 地面の草が伸びて電線に触れ、通電が弱くなっている
- バッテリーが消耗していて、夜間に十分な電圧が出ていない
- シカの鼻先が触れにくい高さにワイヤーを張ってしまっている
などが挙げられます。「設置したのに効果がない」と感じる場合、これらの条件を一つずつ確認してみることが大切です。また、電気柵のキットや商品ごとに推奨される設置条件や対象動物(シカ・イノシシなど)が異なるため、購入前には説明をよく読み、分からない点はスタッフに相談してください。

鹿対策の方法別 比較表(フェンス・電気柵・忌避グッズ)
| 対策方法 | 主な資材・商品例 | メリット | 注意点/向いている場面 |
|---|---|---|---|
| フェンス・ネット | 金網フェンス、防獣ネット、ワイヤーメッシュなど | 電気を使わず物理的に侵入を防止しやすい。設置方法がイメージしやすい。 | シカのジャンプ力を考えた高さ・支柱の強度が必要。広い圃場では資材量が増えやすい。 |
| 電気柵 | 電源装置、支柱、通電ワイヤー、アース棒など | 条件が整えば高い効果が期待でき、コストを抑えやすい場合もある。 | 草刈りやバッテリー管理などメンテナンスが必須。設置条件の確認が必要。 |
| 忌避剤・超音波・音・光 | 忌避剤スプレー、粒剤、超音波機器、威嚇ライト、音声装置など | 設置が比較的簡単で、小規模な畑や庭でも導入しやすい。 | 慣れによる効果低下に注意。フェンスや電気柵と組み合わせると防除効果が高まりやすい。 |
農業屋でよく相談される鹿被害と対策の失敗例
よくある失敗1:支柱が弱く、押されてすき間ができる
現場の相談でよく伺うのが、「ネットやフェンスは張ったのに、シカに押されて下が空いてしまった」というケースです。支柱の間隔が広すぎたり、土が柔らかくて支柱が傾いたりすると、フェンス全体がたわんで地面とのすき間が生まれ、そこから侵入されてしまいます。
「資材を節約したくて支柱の本数を減らした」「とりあえず家にあった支柱を使った」といった背景も聞かれますが、結果として被害が続き、余計な手間や費用がかかってしまうことも。シカの力を甘く見ず、必要な強度の支柱と本数を確保することが大切です。
よくある失敗2:高さ・位置が合わず、飛び越え・くぐり抜けを許す
「高さはそこそこあるはずなのに、シカが中に入っている」という相談も少なくありません。地面との高低差や斜面を考慮せずにフェンスやワイヤーを張ると、一部だけ低くなってしまい、そこから飛び越えられたり、くぐり抜けられたりします。
また、電気柵の場合は、シカの鼻先や胸の位置に電線が来ていないと、電気ショックを感じにくくなります。「写真や図で見た通りに張ったつもりでも、実際の地形が違う」ということは多いので、不安な場合は一度、畑や庭の様子を撮影して持参し、農業屋のスタッフに見てもらうと安心です。
よくある失敗3:単発のグッズだけに頼り、持続できない
「忌避剤をまいたら最初は効果があったけれど、しばらくすると効かなくなってきた」「超音波やライトだけで守りきれない」という声も聞かれます。シカがニオイや音に慣れてしまったり、風向きや設置場所の関係で、思ったほど威嚇できていない場合もあります。
こうした失敗の多くは、物理的な侵入防止策と威嚇・忌避を組み合わせていないことが原因になりがちです。単発のグッズだけで「すべてを守ろう」とするのではなく、フェンスやネット・電気柵と組み合わせて使うことを前提に考えると、持続性も上がりやすくなります。
DIY鹿対策のメリット・限界と専門施工を選ぶ基準
自分でできる範囲のシカ対策
家庭菜園や小規模な畑、庭木を守る程度であれば、市販の防獣ネットや簡易フェンス、電気柵キットなどを使ってDIYでシカ対策を行うことも可能です。設置方法が分かりやすい商品も増えており、「まずは自分でやってみたい」という方に向いた選択肢と言えます。
DIYのメリットは、初期費用を抑えやすいことと、自分のペースで設置・メンテナンスができることです。季節や作物の種類に合わせて、必要な期間だけネットを張るなど、柔軟な運用もしやすくなります。
広い圃場・本格的な農業でDIYが難しくなる理由
一方で、圃場が広くなるほど、支柱やワイヤー・ネットの本数が増え、設置とメンテナンスにかかる時間・労力も大きくなります。複数の害獣(シカ・イノシシ・サルなど)が出る地域では、それぞれの性質に合わせた対策を組み合わせる必要があり、設計の難易度も上がります。
さらに、傾斜地や複雑な地形では、フェンスの高さや支柱の位置決め、電気柵の通電条件などを現場で細かく調整しなければ、十分な効果が出ないことも少なくありません。こうした条件が重なると、「最初から専門施工に任せた方が、長期的には安く・確実に守れる」というケースが増えてきます。
防獣バスターズに相談したいケースの目安
次のような状況に当てはまる場合は、防獣バスターズのような防獣専門の施工サービスに無料現地調査・無料見積もりを相談してみるのがおすすめです。
- 圃場が広く、どこにフェンスや電気柵を張ればよいか分からない
- シカだけでなくイノシシやほかの害獣も出ており、対策の組み合わせが難しい
- これまでに何度かDIYで対策したが、被害が続いている
- 高齢のご家族だけでは設置やメンテナンスが大変になってきた
「自分の状況にはどんな対策が合うのか分からない」という方は、一度お近くの農業屋のスタッフや、防獣バスターズの現地調査に相談してみてください。実際の圃場の状態や被害の様子を伺いながら、無理のない範囲で続けやすい鹿対策をご案内します。
害獣被害のご相談・現地調査は「防獣バスターズ」まで!この記事で紹介しているような商品・資材は、農業屋のオンラインショップ(農業屋.com)でもまとめてご覧いただけます。具体的な商品ラインナップや価格の目安を知りたい方は、こちらのページも参考にしてみてください。
鹿対策を長く続けるためのメンテナンスと運用のコツ
季節・期間ごとにチェックしたいポイント
シカ対策を長く続けるうえでは、季節ごとにチェックするポイントを決めておくと安心です。例えば、雪や風が強い地域では、冬の終わりにフェンスや支柱の傾きを確認したり、草の伸びる時期には電気柵のワイヤー周りの草刈りをこまめに行ったりすることで、効果を維持しやすくなります。
また、作物の種類や畑の配置が変われば、シカの通り道や侵入パターンも変わることがあります。「今年はここから入られているな」と感じたら、早めに補強し、侵入経路をふさぐことが大切です。
家族・地域と協力して野生動物から畑を守る
シカ対策は、一人で抱え込むと負担が大きくなりがちです。ご家族と役割分担を決めて見回りや草刈りをしたり、近隣の農家さん同士で情報交換したりすることで、無理なく持続しやすくなります。
自治体が行っている野生動物対策の取り組み(見回り・捕獲・啓発)や、地域の勉強会などの情報もチェックしておくとよいでしょう。「うちはうち」で完結させるのではなく、地域全体で野生動物と向き合うことで、結果的に自分の畑や庭も守りやすくなります。
まとめ
- シカ対策は、「侵入させない」「居つかせない」を基本に、フェンス・ネット・電気柵・忌避剤などを組み合わせて考えることが大切です。
- フェンスやネットでは、高さ・支柱の強度・地面とのすき間・張り方を意識しないと、飛び越え・くぐり抜け・押し込みによる侵入を許しやすくなります。
- 電気柵は条件が整えば高い効果が期待できますが、草刈りや電源管理などのメンテナンスが不可欠です。
- 忌避剤や超音波・音・光などの威嚇グッズは、単独ではなく、物理的なバリアと組み合わせて防除効果を高めるのがおすすめです。
- 広い圃場や複数の害獣が関わる現場では、DIYには限界があり、防獣バスターズのような専門施工に任せた方が、長期的に見ると安く・確実になるケースも多くあります。
次のアクション
「とりあえずネットやフェンスを張ってみたけれど、被害が止まらない」「自分の圃場にはどんなシカ対策が合うのか分からない」という方は、一度、農業屋や防獣バスターズにご相談ください。畑や庭の規模・地形・出没している動物の種類などを伺ったうえで、無理なく続けられるシカ対策の方法をご提案します。
農業屋の店舗では、防獣ネット・フェンス・電気柵・忌避剤など、さまざまな防獣商品を実際に手に取って比較することができます。農業屋.comでは、商品ラインナップや価格、使用方法の説明も確認できますので、「まずはどんな商品があるのか知りたい」という方にも便利です。
広い圃場や本格的な鹿対策をご検討の方は、防獣バスターズの無料現地調査・無料見積もりを活用し、現場に合ったフェンスや電気柵の設計・施工までまとめて相談してみてください。自分だけで判断せず、専門家と一緒にシカ対策を考えることで、畑や庭を長く守るための一歩を踏み出しやすくなります。
