塩茹でしたり、かき揚げにしたりと、お食事にもおつまみにも最適なそら豆。
自分で育てて食べられたらうれしいですよね。
とはいえ、
「自宅で簡単に育ててみたいけど、難しそう」
「家庭菜園初心者だけど、そら豆は育てられるの?」
と思う方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、そら豆の育て方を家庭菜園初心者でもわかるように解説します。
「そら豆の育て方を知りたい」と思っている方は、ぜひご一読くださいね。
目次
そら豆は家庭菜園で育てるのがおすすめ
採れたての旬の味をすぐに食卓に並べられるという点から、そら豆を家庭菜園で育てるのはおすすめです。
プランターでも手軽に作ることができるので、居住環境を選ばずに栽培ができます。
そら豆は豆の仲間ですが、茎はしっかりしていて自立しやすく、ひとつの種からたくさんの芽が出てきます。
株全体の雰囲気はじゃがいもをイメージしてもらった方がしっくりくるかもしれません。
そら豆を育てるための事前準備
ここからはそら豆の種まきのコツや発芽後の育て方のポイントをまとめてみました。
育てるそら豆の種類や特徴
スーパーなどで目にしているほとんどは「一寸そら豆」と呼ばれるタイプで、1つのサヤに2~4粒のものです。
その他「伊豆早生」「河内一寸」「打越一寸な」など種類や大きさなど様々あります。
全体的にそら豆はさほど手間もかからないので、育てやすく初心者向けで気軽に栽培できる人気の野菜です。
そら豆を育てるために必要な道具
そら豆を育てるために必要なものは以下のものが挙げられます。
・園芸用はさみ
・支柱
・野菜用の培養土
・プランター(大型サイズ)
・スコップ
・ジョウロ
育てるときのプランターサイズは大型サイズ(60㎝〜)または、大型の深底タイプを使用します。
株同士の間隔は最低で15㎝程度なので、大型サイズのプランターなら3株程度は植えることは可能です。
土は、プランターに野菜用の培養土をたっぷり入れたら、準備完了です。
準備が整ったらそら豆を育てよう
それでは、実際にそら豆を植える手順を紹介していきます。
そら豆を植える時期
そら豆が育つ時期を表にまとめました。
生長工程 | やること | 時期 |
---|---|---|
種 | 種まき、水やり | 10月中旬以降 |
芽吹き~苗 | 水やり、追肥 | 11月以降 |
果実 | 収穫、葉取り | 開花後から約35~40日 |
種を植える時期は、10月中旬以降が良いでしょう。
植え付け時期までは豆を鳥が餌として狙ってきますので、ネットや寒冷紗・ポットなら新聞紙などで覆い、実を取られないようにガードしましょう。
また、気温が高い時期に種まきをすると、種が腐りやすく発芽率が悪くなりますので20度を目安に種まきがおすすめです。
苗を植える時期は、気温が下がり、涼しい日が続くようになってくる11月以降くらいが最適です。
そら豆は畑に直にまくのではなく、まずポットで苗を作ります。
そして、ある程度の大きさになってから植え付ける方法が失敗が少ないのでおすすめです。
そら豆は露地栽培でもプランターでも育てられる
そら豆はプランター栽培でも露地栽培でも育てることができます。
プランターで育てる場合は、植えつける1か月前までに土作りを済ませておき、植えつけの2週間前に元肥を施しておくようにしましょう。
植え付け前の準備として、市販のプランターに2〜3㎝ほどウォータースペースを残して培養土を入れておくようにします。
ウォータースペースとは、水やりのときに水が溜まる場所のことをいいます。
露地栽培でそら豆を育てる場合は、植え付けの2週間前までに酸度調整を終わらせておきましょう。
植え付けの1週間前には畝を作っておきます。
畝は平畝で、畝の幅は70〜80cm、畝の高さは10〜15cmとします。
そら豆は栽培途中で土寄せをするため、畝の幅が狭いと株元に寄せる土が足りなくなるので、畝の幅には注意しましょう。
そら豆は水の与えすぎに注意が必要
そら豆は多湿に弱いので水のあげすぎには注意が必要です。
苗を植え付けた後は、根元を軽く押さえて水をたっぷりと与えてやります。
その後の水やりのタイミングですが冬は乾燥気味にして育てます。
また、冬の間の水やりは回数を減らし日中の暖かい時間に与えましょう。
春になって生育が良くなったら用土の表面が乾いた時にたっぷり水やりを行います。
そら豆は日当たりの良い場所で育てる
そら豆は日当たりの良い場所や風通しの良い場所を好みます。
育てる環境の気温は 15℃から20 ℃が適温です。
どちらかというと涼しい気候を好みますので、暑さにはあまり強くありません。
そのため気温が25℃を超えると育ちが悪くなるという特徴があります。
寒さに強く気温がマイナスでも育つことができますが、霜には注意しましょう。
追肥のタイミングで土寄せをしよう
土寄せとは植物の株元に土を寄せて盛ることです。
根が露出するのを防ぎ、生長した植物が根元から倒れてしまうのを防ぐことが出来ます。
土寄せのやり方は、中耕したことで柔らかくなった表面の土を、根元から枝分かれしたところまで、葉にかからないように盛ります。
そら豆は草丈が20㎝程度になる頃に1回目の追肥を施します。
株から少し離れたところに化成肥料を1株当たり5gほどばら撒いて、周辺の用土と軽く混ぜ合わせるようにして与えましょう。
花が咲いて生育が早くなってきたら実が成熟するまでに2、3回程度の追肥をします。
この時期に肥料切れを起こさないように注意が必要です。
そら豆を育てるときはこんなトラブルに注意!
そら豆を育てるときに注意が必要なポイントを3つ紹介します。
連作障害に注意
そら豆は、連作障害が出やすい作物と言われています。
連作障害とは、同じ科の植物を同じ場所で栽培し続けることで、次第に生育不良となっていく現象のことをいいます。
そのため、過去5年間そら豆をはじめとしたマメ科を栽培していない土で育てることが大切です。
アブラムシの被害に注意
そら豆は、春先にアブラムシが大量発生することがあります。
アブラムシは群生して吸汁し、株を弱らせるばかりでなく、そら豆モザイク病やそら豆黄化病などのウイルス性の病気を媒介します。
これらの病気になると、葉が縮み、大きな実が採れなくなってしまうので、アブラムシ対策はしっかりと行いましょう。
\アブラムシの対策についてはこちらの記事がおすすめ/
風で倒れないように支柱を立てよう
そら豆の茎は、風の影響を受けやすいため、草丈が60㎝ほどになったら株が倒れないように周囲に支柱を立てると良いでしょう。
支柱の立て方ですが、用土から1.5cm程度の支柱を苗の両側に立て、30cm間隔でひもを3〜4段張ります。
プランターの場合は、春になって側枝が一気に伸び始める前に支柱を立てましょう。
支柱は直立式でも大丈夫ですが、市販されている「あんどん型の支柱」を立てることも可能です。
実が育ったら収穫しよう
花が咲いてから1か月ほど経つと、サヤが膨らんで横向き、または下向きになってきます。
サヤ全体の色が濃くなり、光沢がでてくるので、この頃が収穫の目安。
ハサミを使って実の根元付近から切り取って収穫していきましょう。
そら豆を収穫する時間帯は朝方がおすすめです。
なぜかというと、野菜は朝から夕方にかけて光合成を行って甘みを作りだし、夕方から夜間にかけて養分を果実に送ります。
そのため、朝に収穫するのがおすすめなのです。
気温が上がってからではみずみずしさがなくなり、収穫したものは傷みも早くなるので注意しましょう。
そら豆の保存方法
そら豆のおすすめの保存方法を詳しくご紹介します。
豊かな風味を残したいなら、サヤ付きのまま冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
解凍時もサヤごと調理するのがおすすめ!
やり方は、サヤごと冷凍用保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて封をして、冷凍庫へ入れるだけです。
この方法で約1か月保存可能になります。
また、あらかじめ固めにゆでてから冷凍すれば、解凍時の調理が不要なので、少しずつ使いたいならこちらがとても便利です。
やり方は、サヤから豆を取り出し、豆の黒い筋と反対側に浅く(幅1cm、深さ2mmほど)切れ目を入れます。フライパンで2分程度ゆで、そら豆をバットに並べて冷凍します。
凍ったら、冷凍用保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて封をし、冷凍庫へ。
この方法で約1か月保存可能です。
そら豆を収穫してから消費するまでの期間
そら豆は「美味しいのは3日だけ」といわれるほど、鮮度の落ちるスピードが早い野菜です。
収穫したら、その日中、遅くても翌日には食べていただくと美味しくいただけます。
また、保存方法によっては、1か月ほど保存も可能なので、前項でご紹介した保存方法をぜひ試してみてくださいね。
そら豆の使用方法を5つご紹介
ここからは、そら豆を使ったおすすめのレシピを5つご紹介します。
まずはシンプルに茹でて食べる
ビールのお供にも最適な塩茹で。さっと作れて、そら豆の良さを最大限に味わえます。
- サヤつきのそら豆は、サヤをむいて豆を取り出す。
- 火の通りをよくし、塩味がしみやすいように、豆の中心に切り込みを入れる。
※包丁の刃元を、豆の厚みの半分くらいまで刺す。 - 鍋にたっぷりの水(4カップくらい)を入れて強火にかけ、沸騰したら塩大さじ1を加えて、すぐにそら豆を入れる。
- 強火のまま3〜4分ゆで、1つ取り出してみて、つまんで皮がつるりとむければ、ゆで上がり。
- 手早くざるに上げ、熱いうちに塩小さじ1を全体にふり混ぜて、出来上がり。
引用:https://www.orangepage.net/recipes/detail_114600
じゃがいもとそら豆のクリームチーズあえ
チーズが入っていることでワインとの相性も抜群!夏らしくおしゃれなポテトサラダです。
- じゃが芋は洗って一個ずつラップをし8〜9分くらいレンチンしする。
- そら豆(冷凍)もレンチンして皮を剥く。1のじゃがいももレンチン後皮を剥く。
- ボウルにオリーブ油と酢と塩を加え混ぜ、皮をむいたじゃがいもを入れ、大きめに潰しながら和える。
- 耐熱容器にクリームチーズと牛乳を入れラップをかけて1分レンチン。よくかき混ぜ、3に加えじゃがいもと馴染ませる。
- ブラックペッパーを振り、味見をして足りないようなら塩を入れ、そら豆も入れてあまり潰さないように大きくかき混ぜる。
- 器に盛り、さらに上からブラックペッパーをかけて出来上がり。
引用:https://cookpad.com/recipe/7007185
皮ごと焼くだけ!焼きそら豆
サヤの中は蒸し焼き状態になって、そら豆本来のうまみと香りが楽しめます。
お好みで、中の皮やふわふわのワタも食べることができますよ。
- そら豆はサヤごとよく洗い、魚焼きグリルで全体に焦げ目がつくまで6〜7分焼く。
(予熱はナシでOKです。) - サヤを開いてアツアツのうちに塩をつけてお召し上がりください。
(開くときにやけどに注意をしてくださいね。)
引用:https://oceans-nadia.com/user/11325/recipe/105635
そら豆とツナのサラダ
オリーブオイルとお酢を使ったさっぱりサラダ。ツナのコクとそら豆の旨味がマッチしていておすすめです。
- そら豆はサヤから取り出し、塩を加えた熱湯でゆでる。好みの硬さになったら、ザルに上げて粗熱を取る。
粗熱が取れたら皮をむく。 - ツナ缶は汁気を切る。玉ねぎはみじん切りにして水に数分晒す。
- 酢、オリーブ油、塩、粗挽き黒こしょうを混ぜ合わせ、1のそら豆、ツナ缶、水気を切った玉ねぎを和える。
- 器に盛り付け、粗挽き黒こしょうを振りかけ、出来上がり。
引用:https://recipe.suntory.co.jp/recipe/006968
そら豆とレタスのかきたまみそ汁
とろとろ卵とシャキシャキレタスにほっくりそら豆が入った春のおみそ汁です。
- そら豆はサヤから取り出す。レタスは一口大に切る。
- 鍋に分量の水を沸かし、そら豆を加えて90秒ほどゆでて網じゃくしで冷水に取り出し、薄皮をむく。
- 皮をむいたそら豆、味噌とだしを溶き加えてひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉を加えて混ぜ、とろみをつける。
- 溶き卵を細く垂らして回しいれ、レタスを加えてさっと煮て、出来上がり。
引用:https://www.marukome.co.jp/recipe/detail/miso_427/
そら豆は家庭菜園におすすめの野菜
いかがでしたでしょうか。
この記事では、初夏に旬を迎えるそら豆の育て方を紹介しました。
そら豆は家庭菜園でもポイントをおさえれば十分収穫が可能な作物です。
また、ちょっと手間をかければ沢山収穫することができ、お得感を味わうことが出来る植物なのも魅力ですね。
家庭菜園の初心者の方も、ぜひ、そら豆を育ててみましょう。