さつまいもといえば、ほくほくした食感と甘さが特徴ですよね。
しかし、家庭菜園で栽培したさつまいもが、あまり甘くないと感じた経験はありませんか?さつまいもを甘くするには、コツがあるんです。
今回は、サツマイモが甘くない原因と、甘くする保存方法をご紹介します。
甘くない原因と保存方法を知れば、自家栽培のさつまいもがより美味しくなること間違いなし。おすすめの使い道も解説するので、参考にしてください。
目次
収穫したさつまいもが甘くない原因は?
収穫したさつまいもが甘くない原因は、3つあります。
ここで紹介する原因に気をつけて栽培すれば、さつまいもが甘くなる可能性が高いでしょう。
育てる環境
さつまいもをはじめ、野菜は育てる環境によって味が大きく変わります。
甘いさつまいもを育てたいなら、以下のポイントに注意して育ててください。
- 肥料は控えめにする
- 排水性のよい土で育てる
- 風通し良くする
さつまいもは、肥料をたっぷりくわえた土よりも痩せた環境で栽培したほうが甘みが増すといわれています。
肥料を与えすぎると、つるばかりが成長してしまう「つるボケ」という状態になり、実が美味しくならないんです。
また、水はけと風通しをよくすることも忘れないようにしてください。育てる環境を整えることで、大きくて甘いさつまいもが収穫できるでしょう。
追熟で甘みが増す
収穫したさつまいもが甘くないと感じたら、追熟するのがおすすめ。追熟とは、さつまいもを食べずに置いておくことです。
収穫したさつまいもを置いておくと、実に含まれるでんぷんが糖に変わるので、甘みが増します。
収穫したさつまいもはすぐに食べることはせず、しばらく置いて追熟させると、より美味しくなりますよ。
保存方法でも甘さが変わる
追熟するさいに大切なのは、さつまいもの保存方法です。保存方法によって甘さが変わるので、より甘くしたいなら保存方法を工夫するとよいでしょう。
さつまいもを保存するのにおすすめの方法は、以下になります。
<さつまいもを新聞紙で包み、ビニール袋に入れる>
<直射日光の当たらない場所で保管>
さつまいもの保存で大切なのは、温度と日光です。
10℃以下の場所で保存すると、さつまいもは腐ってしまうといわれているので、温度13℃・湿度80%を目安にし、冷蔵庫などで保存しないようにしましょう。
甘さや食感は品種によって違う
一口にさつまいもといっても多くの品種があり、甘さや食感がそれぞれ異なります。
ここでは、主な品種の特徴をご紹介します。
安納芋
柔らかい食感が好みなら、「安納芋」がおすすめ。ねっとりした食感と濃い黄色が特徴のさつまいもで、お菓子の材料としても多く使われています。
安納芋最大の特徴は、糖度が約60度にもなるといわれる甘さです。
一般的なさつまいもの糖度は40〜50度といわれているので、かなり甘いことがわかりますね。加熱するだけでスイーツのような甘さになるため、人気の品種です。
紅はるか
ホクホクした食感のさつまいもが食べたい場合、おすすめなのは「紅はるか」です。
紅はるかの糖度は、安納芋にも匹敵するといわれる60度。数あるさつまいもの品種のなかでもトップクラスの甘さです。
ともに糖度が60度にもなる安納芋と紅はるかの違いは、食感にあります。舌に絡みつくような粘り気がある安納芋に対し、紅はるかは若干水分量が高く、しっとりしているのが特徴です。
さつまいもらしい、ほくほくした食感を求めるなら、紅はるかを選びましょう。
紅あずま
日本国内において、流通量No1のさつまいもが、紅あずまです。
糖度は約40度と、安納芋や紅はるかに及びませんが、さつまいも特有のほくほく感と適度な甘さで、バランスの良い品種だといわれています。
焼いもにしたりスイーツの材料にしたりすることはもちろん、料理にも使えるのが紅あずまの魅力です。
適度な甘みは、さつま汁や天ぷら、いもご飯など、さまざまな場面で活躍しますよ。
さつまいもが甘くなる方法
さつまいもは、収穫したときに甘くないと感じても諦めることはありません。
ここでは、さつまいもを甘くする方法を解説します。少しの工夫で甘くなるので、試してみてください。
酵素の働きが活性化させる
さつまいもが甘くなるときに重要な働きをするのが、酵素です。
さつまいもの実に含まれる酵素は、約60〜70度で活性化し、麦芽糖に変化することで糖度がアップするといわれています。
さつまいもを調理するときに大切なのが、60〜70度という低温でじっくり時間をかけることだと覚えておきましょう。
こうすることで、多くの酵素が活性化され、糖度が高いさつまいもを作りだせますよ。
塩水を使えば甘くなる
さつまいもは、塩水に浸けておくことで糖度が増します。これは、塩がさつまいもの甘みを引き立てることで甘くなったと感じるためです。
塩水でさつまいもを甘くする方法は、以下の通りとなっています。
- さつまいもをしっかり洗う
- さつまいもが浸かる量の水を用意する
- 水2リットルに対し大さじ1杯の塩を入れる
- 水に浸して半日〜1日置く
- 水気を拭き取り、オーブンなどで焼く
さつまいもを塩水に浸けておくだけと、誰でも簡単にできるところが嬉しいですよね。
収穫したさつまいもの甘さが足りないと感じたら、ぜひ試してみてください。
甘くないさつまいもの使い道
さつまいもが甘くないと、あまり食べる気が起きない場合もあるでしょう。しかし、そこで捨ててしまうのは勿体ないですよね。
甘くないさつまいもがあるときにおすすめなのは、以下のような使い道です。
<大学いも>
<スイートポテト>
<いもの天ぷら>
<さつま汁>
さつまいもが甘くないなら、大学いもやスイートポテトなどのお菓子の材料として使い、調味料で甘くする方法が効果的でしょう。
砂糖やざらめをたっぷり使えば、甘くないさつまいもでも美味しく食べられますよ。
また、甘さを必要としない料理の材料として使うのもおすすめです。天ぷらやさつま汁なら、さつまいもに甘さは必要ないので、甘くないさつまいもが大活躍するでしょう。
まとめ
さつまいもは、主に3つの原因で甘くない実に育ってしまうことがあります。
- 育てる環境
- 追熟しないで食べてしまう
- 間違った保存方法
しかし、逆にいえば上記のポイントを守れば、さつまいもは甘くなるということです。
また、収穫したさつまいもが甘くないときは、塩水に浸けておくだけでも糖度がグッとアップするでしょう。
特別な材料や知識は必要としないので、甘いさつまいもが食べたいなら、今回ご紹介した方法を試してみてください。
一般家庭でも、甘くて美味しいさつまいもを楽しめますよ。