さつまいもを収穫したら「思ったより小さかった」という経験はありませんか?
収穫期を迎え、ワクワクした気持ちで抜いたところ、想像より成長していなかったらガッカリしますよね。
さつまいもが大きく育たない場合は、3つの理由があります。
今回は、さつまいもが育たない理由と失敗しない作り方をご紹介します。合わせて、小さいさつまいもの利用方法も解説しますので、参考にしてください。
目次
さつまいもが小さい理由とは
さつまいもが大きく育たない理由は、大きく3つあります。
ここで紹介する理由に注意すれば、さつまいもが小さくてガッカリする可能性は少ないでしょう。とくに、さつまいも栽培初心者は洋チェックです。
つるぼけ
さつまいもの葉はピンピンしていて元気なのに、何故か実は小さいというときは、つるぼけしている可能性が高いでしょう。
つるぼけとは、植物の葉やつるばかりが成長してしまい、実に栄養がいかなくなっている状態をいいます。
つるぼけする主な理由は、チッ素の与えすぎ。チッ素には葉やつるを成長させる働きがあるため、チッ素成分の多い肥料を与えてしまうと、さつまいもがつるぼけする可能性が高いんです。
つるぼけさせたくないなら、肥料にはチッ素成分が少ないものを選びましょう。
実を大きくさせるのに適しているのは、リン酸です。追肥には、チッ素が少なくリン酸が多く配合された肥料を与えればうまくいくこと間違いなしですよ。
余分な根が出ている
さつまいもは、つるを伸ばしながら成長する野菜ですよね。このつるから余分な根が出ていると、栄養分が根に流れてしまい、実が大きく育たない場合があります。
余分な根を出さないようにするには、「つる返し」という作業が効果的です。
つる返しとは、さつまいもを栽培中、ある程度つるが伸びてきた頃に、つるを持ち上げて逆側に向ける行為をいいます。
つる返しをすることで、土がある方向に出ようとしていた根の成長が止まるので、結果的に余分な根が出なくなるんです。
余分な根がでなければ、その分栄養が実に集中するため、大きな実を収穫できるでしょう。
植える時期が遅い
さつまいもの標準的な植え付け時期は、5〜6月とされています。この時期より遅く植え付けると、収穫までの期間が短くなってしまうため、実が大きく育たなくなるんです。
また、植え付けが遅れると、栽培気温が合わないという弊害も起こります。
さつまいも栽培に適した気温は、20〜35℃です。植え付けが遅れたことで栽培気温がズレてしまうと、株事態がうまく育たない可能性も考えられます。
野菜栽培において、植え付け時期を守ることは非常に重要です。
植え付け時期は栽培場所によって少し異なるので、その場所に合った適切な時期に植え付けるようにしてください。
失敗しない!さつまいもの作り方
さつまいもを適切に栽培できなければ、株自体が弱ってしまい、実を収穫するどころではなくなってしまいますよね。
実が大きなさつまいもを作りたいなら、適切な栽培方法を知ることも大切です。
苗の準備
最初に大切なのが、健康な苗を用意することです。さつまいもの苗選びで重要なポイントは、以下になります。
- 茎が太くしっかりしている
- 節と節の間が適度につまっている(間延びしていない)
- 葉の色が濃い緑色で、厚みがある
- 本葉が6〜7枚出ている
- 長さが20〜30cm
- 病害虫に感染していない
上記6つのポイントに注意すれば、育てやすい苗を選べること間違いなしです。
土作り
土は、さつまいもが過ごす部屋のような場所です。土が快適でなければ、さつまいもは元気に育たず実も大きくならないでしょう。
さつまいもの土作りのポイントは、以下の3つです。
- 排水性が高く乾燥ぎみ
- 肥料が少なめの痩せた土を好む
- 畝は20〜30cmの高さがベスト
さつまいもは、日当たりと風通しが良く痩せた土を好む性質があります。
また、水分が多い環境は苦手なので、排水性を良くするために高畝で育てるとよいでしょう。
植え付け
土作りが終わったら、準備しておいた苗を植え付けます。
さつまいもの一般的な植え付け時期は、5〜6月・平均気温が18℃以上になる時期です。この時期より早くても遅くても栽培しにくくなるので、注意してください。
さつまいもの植え付け方法は、大きく分けて3つあります。
水平植え
苗を土と水平になるように植え、葉のみを土の表面に出す植え方です。
茎部分をあまり深い部分に植えてしまうと、地中の温度が低いために生育しないことがあります。そのため、植えるのは地表から10cmほどの場所にしましょう。
船底植え
水平植えと同じように、葉だけ残し茎を植える方法です。
しかし、船底植えでは苗の真ん中を両端よりも低い位置に植え、カーブをつけるように植え付けます。こうすることで、水平植えよりも多くの実を収穫できるのが特徴です。
垂直植え
一部を土に植え、苗を真っ直ぐ立たせるように植え付けるのが、垂直植えといいます。
水平植えや船底植えは苗に長さがないと難しいため、短い苗しか手に入らなかったときにおすすめの植え方です。
収穫数は少ないながらも、大きな実がなりやすいというメリットがあります。
つる返し
前述したとおり、余分な根が出ているときにするべき作業が、つる返しです。
つる返しをすることで、つるから適度に根が出るようになるため、株が順調に生育するでしょう。
収穫
季節が10〜11月になったら、さつまいもは収穫期を迎えます。
収穫するときは、地表に見えているつるをあらかじめカットしておくとよいでしょう。茎の根元をつかみ持ち上げれば、土のなかの実を一気に引き抜けます。
さつまいもの実は収穫するまで成長を続けるのですが、実を大きくするために収穫を遅らせすぎるのはおすすめしません。
さつまいもの収穫は、土壌温度が9℃を下回る前にしましょう。
温度が低くなりすぎると、さつまいもの実が寒さにより腐敗することもあるためです。
小さいさつまいもの活用法
実を大きくするためにさまざまな対策をしても、「収穫してみたら想像よりも実が小さかった」という場合もあるでしょう。
そんなときのため、ここでは小さいさつまいもの活用法をご紹介します。
味はどうなの?
さつまいもは、小さくても味が落ちるわけではありません。大きなさつまいもと変わらず美味しく食べられるので、小さいからといって捨ててしまわないようにしましょう。
むしろ、大きすぎるさつまいもは、割れたり水分が少なかったりするという声もあります。
大きすぎるよりは小さいくらいのほうが美味しく食べられる可能性が高いので、収穫したときに小さくてもガッカリする必要はないでしょう。
使い道ってある?
小さいさつまいもには、お菓子や料理などさまざまな使い道があります。おすすめなのは、以下の3つ。
- さつまいもスティック
- 焼きいも
- ふかしいも
さつまいもが小さいからこそ、丸ごと使うようにするとよいでしょう。手軽に食べられるレシピが合います。
まとめ
さつまいもの実が小さくなってしまう場合、考えられるのは以下3つの原因です。
- つるぼけ
- 余分な根が出ている
- 植える時期が遅い
これらの原因は、栽培するときに少し気をつけることで防げます。今回ご紹介した育て方を実践すれば、家庭菜園でも大きなさつまいもを食べられること間違いなしです。
また、さつまいもは小さいからといって味が落ちるわけではないので、小さいさつまいもを収穫したときはサイズを活かして、丸ごと食べるレシピを考えてみましょう。
シンプルな味付けでも美味しく食べられますよ。