家庭菜園なら、安心して食べられる野菜を気軽に栽培できます。しかし、家庭菜園を始めるには、何から手をつければよいか分からないという人も多いでしょう。この記事では、家庭菜園の始め方とともに、育てやすい野菜の種類や必要な道具などについて解説します。家庭菜園を始めるために、ぜひ参考にしてください。
家庭菜園は難しい?
家庭菜園は難しいイメージもありますが、実際はどうなのでしょうか。難易度について解説します。
家庭菜園は初心者向き
家庭菜園とは、自分の家で野菜を育てることです。家庭菜園のために必要な道具は簡単に手に入るため、初心者でも無理なく始められます。広い場所を確保できない場合、小さなベランダで家庭菜園を楽しむことも可能です。難易度が低いものを選べば、初めてでも美味しい野菜を育てられます。
家庭菜園を成功させるポイント
家庭菜園を成功させるには、さまざまなポイントがあります。ここでは、ポイントを具体的に解説します。
難易度から野菜を選ぶ
初めての家庭菜園に取り組む際は、難易度をもとに育てる野菜を選びましょう。たとえば、トマト、キュウリ、ナス、オクラ、ピーマン、カボチャなどの野菜は苗が手に入りやすく、初心者でも育てやすいです。また、枝豆、落花生、小ネギ、インゲン、コーン、ダイコン、ニンジン、エンドウなどは、種からでも育てられます。
育てやすい野菜の種類の詳細については後述するため、あわせて参考にしてください。
家庭菜園の苗の選び方
初めての家庭菜園では、野菜を種から育てるよりも苗から育てるほうが簡単です。苗はプロの徹底的な管理のもとで育てられているため、その後も順調に育ちやすいです。丈夫な苗を見分けて購入すれば、家庭菜園の失敗をより減らせるでしょう。
丈夫な苗は、茎が太くてしっかりしています。また、茎や葉の緑色が全体的に濃くなっています。しおれている部分がなく、虫がついていない苗を選ぶことも大切です。
家庭菜園は土づくりが要
家庭菜園を成功させるカギは土づくりです。土づくりがうまくいけば、野菜の成長を促進できます。その結果、野菜の実が大きく育ったり味がよくなったりします。土の状態によって野菜の出来栄えが変わるため、土にはこだわりましょう。
よい土は保水性と通気性の両方に優れており、酸度が適度に保たれています。また、保肥性が高く、肥料が長く土にとどまります。ただし、野菜の種類によっても最適な土の状態は異なるため、野菜に合わせて調整してください。
家庭菜園で失敗しないために
家庭菜園で失敗しないためには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、失敗しないために押さえておくべきことを解説します。
野菜に適した季節を意識
野菜によって、生育に適した季節は異なります。家庭菜園の失敗を防ぐためには、選んだ野菜の生育に適した季節を考慮して育てる必要があります。野菜の植え付けや収穫の時期を確認し、それに合わせて野菜を育てましょう。収穫の時期が異なる複数の種類を選べば、年間を通して自分が育てた野菜の美味しさを味わえます。
家庭菜園の初心者には春がおすすめ!
野菜の種類によっては植え付けの時期が異なる場合もありますが、多くの野菜は春に植え付けをします。春は気温が暑すぎず寒すぎず、野菜の苗も育ちやすいです。ただし、春は夜になると急激に気温が下がる日もあるため、温度の変化には注意を払う必要があります。
家庭菜園におすすめの野菜
初心者でも家庭菜園で育てやすい野菜はさまざまあります。ここでは、家庭菜園におすすめの野菜を紹介します。
ラディッシュ
ラディッシュとは、二十日大根とも呼ばれるアブラナ科の野菜です。3~4月または9~10月に種をまくと、約1ヶ月で収穫できます。収穫までが早いため、初心者でも楽しく家庭菜園に取り組めるでしょう。広いスペースがなくても、小さなプランターがあれば育てられます。ラディッシュは、サラダや浅漬などにすると美味しく食べられます。
ミニトマト
ミニトマトの植え付け時期は4~5月、収穫時期は6~11月です。ミニトマトを育てるには、深いプランターや支柱を用意しましょう。芽かきもする必要があって手間がかかりますが、初心者でも無理なく育てられる野菜です。生でも加熱しても美味しいため、幅広い食べ方ができます。
水菜
水菜は真夏と真冬以外は栽培が可能です。植え付け時期は4~5月または9~10月、収穫時期は5~6月または10~12月となります。栽培に適している気温は15~20度程度で、寒さに強いという特徴があります。水菜は歯ごたえがよく、サラダとして人気です。加熱しても美味しく食べられます。
キュウリ
キュウリは夏の代表的な野菜であり、耐暑性があります。植え付け時期は4~5月、収穫時期は6~9月です。収穫時期は真夏にあたるため、水切れを起こさないよう水やりをこまめに行う必要があります。キュウリはみずみずしさが魅力的で、サラダや漬物として食べられる場合が多いです。レシピを工夫すれば、加熱しても美味しく食べられます。
ナス
ナスも人気のある夏野菜で、植え付け時期は4~5月、収穫時期は6~9月です。日に当たる時間が長いと収穫量が増えるため、ナスは日当たりがよい場所で育てましょう。また、水分も重要であり、こまめに水やりをする必要があります。ナスのレシピは幅広く、「焼く」「煮る」「揚げる」などのさまざまな調理が可能です。
オクラ
オクラは、独特のねばりがある野菜です。植え付け時期は5~6月、収穫時期は7~10月となっています。オクラを家庭菜園で育てると、かわいらしい花も楽しめます。朝に開花して午後にはしおれるため、見逃さないようにしましょう。オクラは、茹ででサラダやおひたしなどにする場合が多いです。正しく下処理すれば、生でも食べられます。
枝豆
枝豆は、どのような土でも育ちやすい丈夫な野菜です。枝豆を熟すと大豆になります。枝豆の植え付け時期は5月、収穫時期は6~9月です。元肥は少なめにし、鳥害に注意して育てましょう。枝豆は塩ゆでが定番ですが、焼くとひと味違う美味しさを楽しめます。
家庭菜園の必要道具
家庭菜園を始めるには、専用の道具が必要です。ここでは、どのような道具が必要なのか解説します。
プランター
プランターは、野菜を植えるための容器です。コンパクトで場所をとらず、野菜を植えた後の移動も簡単です。使い勝手がよいため、初めての家庭菜園におすすめです。プランターを選ぶときは、通気性の高さを考慮しましょう。通気性を高めるために、鉢底石と鉢底ネットも用意する必要があります。
家庭菜園のための土
家庭菜園で美味しい野菜を育てるには、よい土が欠かせません。土には赤玉土、黒土、鹿沼土などさまざまな種類があります。また、土に混ぜる肥料も多種多様です。野菜の種類を考慮したうえで、最適な土を選びましょう。野菜に合わない土を選ぶとうまく育たないため、注意が必要です。
なお、野菜の名前を書いて土に刺すプランツタグもあると、何をどこに植えたかひと目で把握できます。
移植ゴテやスコップ
移植ゴテとは、園芸用の小型のスコップのことです。ガーデンスコップやハンドスコップなどと呼ばれる場合もあります。苗を植えるときは移植ゴテがあると便利です。家庭菜園を自宅の庭で行うなら、大きなスコップがあるとよいでしょう。移植ゴテやスコップは植え付け時だけでなく、植え替えや株分けなどさまざまなシーンで使用します。
家庭菜園で野菜を育てるコツ
家庭菜園で野菜を育てるには、さまざまなコツがあります。ここでは、具体的なコツについて解説します。
水やりのタイミング
家庭菜園で水やりをするタイミングは、土の表面が乾いたときです。夏の時期は、早朝または夕方の比較的涼しい時間帯に水やりをしましょう。気温が高すぎるときに水やりをすると、水の温度も上昇して根に負担がかかるからです。また、冬の時期は水が凍る恐れもあるため、寒さが比較的和らぐ午前中からお昼にかけての時間帯に水やりをしましょう。
肥料のタイミング
肥料を与えると、大きくて美味しい野菜が育ちます。家庭菜園の野菜に肥料を与えるタイミングは、植え付ける前に土に施す元肥と、生育期に肥料を追加する追肥の2回です。肥料をむやみに与えると野菜が病気になる恐れがあるため、基本的には元肥と追肥を与えれば十分です。
家庭菜園の注意点
家庭菜園に取り組むうえでは、気をつけたいことがあります。ここでは、家庭菜園の注意点を解説します。
連作障害に注意する
連作とは、同じ科の植物を同じ土で続けて育てることです。連作を行うと特定の成分や病原菌が土に蓄積され、丈夫な野菜が育ちにくくなります。この現象を連作障害と呼びます。たとえば、ナスを育てた後に同じナス科であるトマト、キュウリ、ピーマン、ジャガイモなどを育てると、連作障害になる恐れあるため注意が必要です。
地域の気候を考慮する
同じ野菜でも地域の気候によっては、生育に適した時期が異なる場合があります。家庭菜園に取り組む際は、地域の実際の気温、湿度、日照時間などを考慮して育てる時期を決めましょう。温暖地や寒冷地では特に暑さや寒さが厳しくなるため、環境に応じた対策が特に重要になります。
まとめ
家庭菜園は初心者でも気軽に始められます。苗や土にこだわり、野菜の種類に応じた時期に栽培しましょう。連作障害や地域の気候にも気をつければ失敗を防げます。自分で育てた野菜は、格別な美味しさを感じられるでしょう。
農業屋は、農業や家庭菜園について何でも相談できるお店です。家庭菜園のために必要な道具や苗などを豊富に扱っています。会員になると、ランクに応じてお得に買物ができる仕組みになっています。会員登録をして家庭菜園のための準備を始めましょう。