トマトやミニトマトを家庭菜園で栽培していると、葉の色が茶色になり元気がなくなってしまうことがあります。
順調に成長していると思っていたのに、葉が茶色くなって驚いたことがある人も多いのではないでしょうか?
今回は、トマトの葉が茶色くなってしまう原因をご紹介します。発生の理由や対処法を解説するので、トマト栽培で悩んでいる人は必見です。
目次
トマトの葉っぱが茶色なら斑点病かも
トマトの葉全体が茶色くなるのではなく、ポツポツと茶色の斑点があらわれた場合は、斑点病が疑われます。
斑点病とは、カビや細菌の一種で、野菜の葉に茶〜黒色の斑点があらわれるのが特徴の病気です。
斑点は、徐々に範囲を広げていき、最終的には株全体に被害が拡大します。
トマト斑点病の原因
斑点病は、葉が雨や結露にあたることで菌に侵されるといわれています。
葉の表面にある気孔や水口から菌が侵入するといわれているので、雨が多く湿度が高い季節はとくに注意が必要です。
また、斑点病に感染した株からとった種子で栽培する場合や、斑点病に感染した植物を栽培した培養土を再利用する場合も要注意。
成長につれてトマトに症状があらわれることがあるため、気をつけてください。
トマト斑点病の対処法
トマトの葉に斑点病の症状が見られたら、まずは症状の出ている葉を取り除きましょう。初期段階なら、葉を取り除くだけで被害の拡大をおさえられます。
葉を取り除いても症状がおさまらない場合、薬剤の使用が効果的です。
斑点病におすすめの農薬は、以下の3つになります。
- STダコニール1000
- サンボルドー
- コサイド3000
上記の農薬は殺菌効果が高いので、斑点病への効果が期待できます。
また、毒性は低いためトマトの実にかかっても安心して食べられますよ。
トマト斑点病の防止策はある?
トマト栽培で斑点病を防止するには、以下の方法があります。
- 種子は購入したものを使う
- 培養土は使いまわさない
- 風通しの良い環境で育てる
前述したように、斑点病に感染した株の種子や栽培で使用した培養土などは、感染の原因になります。新しく買った種子や培養土を使ったほうが安全だといえるでしょう。
また、斑点病は湿気を好む性質があるため、湿度管理も重要です。
風通しの良い環境で、湿気がたまらないように育ててください。
葉っぱが茶色いときに疑う病害虫
トマトの葉が茶色くなった場合、斑点病が原因である可能性が大きいですが、ほかにも葉を茶色くする病害虫が存在します。
ここでは、斑点病以外にトマトの葉を茶色くさせる病害虫をまとめました。
トマトサビダニ
トマトサビダニは、体長0.15〜0.2mm、初夏〜秋に発生しやすいダニの仲間です。トマトサビダニに寄生されたトマトの主な症状は以下になります。
- 葉や茎が黄〜茶色に変色する
- 葉のフチが丸まる
- 葉裏が銀白色になりテカテカする
トマトサビダニは乾燥した環境を好むため、乾燥しすぎないように育てましょう。
小さすぎて肉眼では寄生されていることが確認できないので、気づいたときには被害が拡大し手に負えなくなっていることも。そのため、発生しないように予防することが大切です。
乾燥させないよう、こまめに葉水すると、効果が期待できます。
灰色かび病(はいいろかびびょう)
トマトの葉に、境界が不明瞭な茶色い跡が見られたら、灰色かび病に感染した可能性が高いでしょう。
灰色かび病は、名前の通りかびの一種です。葉の表面に茶色いシミのような跡が出現し、全体に広がったあと落下します。
灰色かび病は感染性の病気。近くに灰色かび病に感染した植物があると、落下した葉で増殖した菌が風で飛ばされ、周囲の植物に次々と感染させていきます。そのため、落ちた葉やつぼみはこまめに拾うようにしてください。
また、灰色かび病は多湿を好むという特徴があります。日当たりの良い環境で、風通しよく生育すれば、発生する確率がグッと減るでしょう。
萎凋病(いちょうびょう)
トマトの茎が先端からしおれ、葉の色が黃〜茶色の変色したら、萎凋病の感染を疑いましょう。
萎凋病は、糸状菌の一種で、土の中にある菌が根から侵入することで発症します。
萎凋病はトマトの連作障害でよく見られる病気なので、連作を避けることが有効な対策になります。
そのほか、以下の方法が効果的です。
- トマトを一度栽培した場所で再度トマトを育てない
- 前作で萎凋病が発生したときは培養土ごと取り替える
- 萎凋病に感染した株の種子は使用しない
萎凋病は、感染した株からほかの株に感染させないことが大切です。
上記の方法を試すだけでも、萎凋病の発生はかなりおさえられるでしょう。
トマトの茎が茶色くなる病気は?
トマトを栽培していると、葉のほかに茎の色が茶色く変色することがあります。
最後にトマトの茎を茶色にさせる病気を紹介するので、覚えておくと役立ちますよ。
<トマトサビダニ>
トマトの茎が茶色くなるのは、葉っぱと同様にトマトサビダニの特徴的な症状。トマトの茎が鉄でサビたように茶色くなることから名付けられたので、覚えやすいですね。
トマトサビダニに感染すると、茎・葉・つぼみ・果実と、被害が株全体に広がっていきます。
きれいな緑色だった茎や葉が茶色くなり、鮮やかな赤い色だった実もくすんだ色になってしまうでしょう。
トマトサビダニは乾燥を好むので、こまめに葉水すると発生する確率を減らせます。発生してからでは駆除が難しいので、予防をしっかりしておくのがおすすめです。
まとめ
トマトの葉が茶色くなってしまう原因は、病害虫が大きく関係しています。
葉が茶色くなったときに考えられる病害虫は、以下の4つです。
- 斑点病
- トマトサビダニ
- 灰色かび病(はいいろかびびょう)
- 萎凋病(いちょうびょう)
どれも症状が現れてからでは対処が難しいので、栽培中から予防しておくのが効果的です。
葉に水を散布する・風通しの良い環境で育てる・連作させない・感染した株の種子を使わないなど、予防方法はたくさんあります。
病害虫の被害に遭わないよう、予防しながらトマトを育てましょう。
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