自宅で楽しめる趣味として人気の家庭菜園。
これから始めてみたいと思う人もいるのではないでしょうか。
とはいえ、「何を育てたら良いのかわからない」と思うことはありませんか?
そんな人にはゴーヤがおすすめです!
そこでこの記事では、ゴーヤの育て方や、なぜゴーヤがおすすめなのかを紹介していきます。
目次
家庭菜園初心者でもゴーヤは育てられる!
ゴーヤは昔から沖縄で親しまれていた野菜です。苦みのある味が魅力的。
そんなゴーヤは育てるときのメンテナンスが比較的シンプルなので家庭菜園初心者の方におすすめです。
収穫後は食べられるので達成感も得られます。
家庭菜園初心者の方が育て方の難しい野菜にチャレンジしてしまうと途中で挫折してしまうこともあるのでまずは育てやすい野菜からスタートしてみるといいでしょう。
ゴーヤを育てる事前準備
ゴーヤを育てるための事前準備について説明します。
育てるゴーヤの種類
ゴーヤと言っても種類がいくつかあります。
種類ごとの特徴などを説明していきますね。
あばしゴーヤ
苦味が少なく肉厚でジューシーなゴーヤ。
沖縄地方でよく見られる種類のゴーヤです。
ハリセンボンという魚に似ていることからあばしゴーヤと呼ばれています。
というのも、ハリセンボンは沖縄ではアバサーと呼ばれているためです。
あばしゴーヤは25cm前後の大きさまで生長します。
長れいし
濃い緑色の皮が特徴的で、きゅうりを少し太くしたような見た目をしています。
苦味が少ないので食べやすい種類のゴーヤです。
30cm前後まで生長します。
太れいし
太れいしは、ゴーヤ特有の苦みを感じられます。
成長すると15cm前後の大きさに。
暑さにも強い種類なので緑のカーテンとしてもおすすめです。
緑のカーテンにするためには、建物に沿ってつるを伸ばすように育てます。
日光が直接当たるよりも、室内の温度が上昇するのを和らげることができます。
白れいし
白れいしは白くて短い種類のゴーヤです。
他のゴーヤに比べ、比較的苦味が少ないので食べやすい味になっています。
イボに丸みがあるのも特徴です。
ゴーヤを育てるために必要な道具
次にゴーヤを育てるために必要なものを紹介します。
・ゴーヤの苗
・土(畑)
・培養土
・園芸用はさみ
・クワやスコップ
・ジョウロ
・支柱
・ネット
・麻ひも
・マルチシート(露地栽培の場合)
プランターで育てる場合はプランターも用意しましょう。
準備が揃ったらゴーヤを実際に育ててみよう
準備が整ったら実際に育てていきましょう。
ゴーヤを植える時期
ゴーヤは種から育てることもできますが、初心者の方は苗から育てると失敗しづらくおすすめです。
苗を植える時期は5月の中旬頃が目安ですが、地域によって気温差があると思いますので、最低気温が15℃を下回らなくなった頃を目安にすると良いでしょう。
植えつけるときは、根づきを良くするために、晴れた日の午前中に行うのがポイント。
ゴーヤは露地栽培でもプランターでも育つ
ゴーヤは露地栽培でもプランターでも育てることが可能です。
露地栽培とは鉢植えではなく、畑で育てることを言います。
露地栽培の場合は植えつけの2週間前までに土づくりをします。
植えつける場所の土に野菜用の肥料を混ぜて、土の状態を整えておいてくださいね。
土の温度を保つために、マルチシートを張っておきましょう。
プランターの場合は、マルチシートは不要です。
ゴーヤは根を広く張っていくので、幅のあるプランターを用意しましょう。
植えつけ後、1~2週間経ったら支柱を立てる
植えつけてから1~2週間くらい経ったら支柱を立てます。
ゴーヤはつるが生長する植物なので、支柱とネットで生長する道筋を立ててあげましょう。
生長するための道筋を立てることを、誘引といいます。
支柱を立ててネットをセットしたら、つるをネットに結びつけていきます。
結びつけるときはきつく結びすぎないようにしてくださいね。
結びつけるひもは麻ひもなどが良いでしょう。
植えつけ後はどんどん生長していきますので、こまめに観察をしてネットからはみ出したつるの先端は切って取り除きます。はみ出したつるの先端を切って取り除くことを、摘芯と言います。
ゴーヤの水やり頻度は1日2回
ゴーヤの水やりは1日2回行います。朝と夕方の2回です。
梅雨の時期は雨が多くなるので、 土の状態を確認して、乾いているようであれば水を与えます。
ゴーヤは生長のパワーが強い野菜なのでたくさんの水が必要です。
雨の日以外は水を与えるようにしましょう。
ゴーヤは日当たりが良く風が通る場所を好む
ゴーヤは日がよく当たり、風通しのよい場所を好みます。
日差しがあまり当たらない場所だと、花が咲きにくくなったり、実が十分に成長しなかったりという影響があることもあるので、場所選びは注意してくださいね。
ゴーヤは緑のカーテンにもなりおすすめと紹介しました。
そのため家などの建物の近くで育てる方もいるでしょう。
その場合は、エアコンの室外機の風が当たらない場所で育てます。
なぜなら、室外機から出る温風が当たると土が乾燥してしまい、生長しにくくなってしまうからです。
できるだけ室外機から離れた場所で育てましょう。
ただし、 ゴーヤを育てる目的が食べる為ではなく緑のカーテンのためである場合はそこまで場所の配慮は必要なく、緑のカーテンとして必要な場所で育てても大丈夫です。
肥料が不足すると葉が黄色くなってしまうので注意
肥料が不足すると葉の色が黄色っぽくなってしまいます。
そのため定期的に肥料を与えると良いでしょう。
肥料をあげるタイミングとしては、植え付け後1か月ほど経ったら1回目の肥料を与えます。
以降は1か月ごとに与えてくださいね。
肥料をまいた後にたっぷりと水を与えるのも忘れないようにしましょう。
ゴーヤを育てるときに注意するポイント
ゴーヤは育てやすい野菜ですが、注意するポイントもあります。
順番に解説していきますね。
連作障害には注意が必要!
ゴーヤを育てるときは、連作障害に注意しましょう。
連作障害とは、同じ科の植物を何年も連続で同じ場所で栽培することで、生育に問題が起きることを言います。
主な障害は、以下の3つです。
・土壌障害(土の中で病原菌が増殖し、根腐れなどを起こす)
・生理障害(土の中の栄養分のバランスが著しく崩れる)
・土壌虫害(土の中に存在する肉眼では確認できないような小さな虫が苗に寄生する)
とはいえ、「家庭菜園なので畑の場所に限りがあり、場所をあまり変えられない」ということもあると思います。
その場合は、コンパニオンプランツを一緒に植えることで、連作障害を起こしにくくできますよ。
コンパニオンプランツとは、連作障害を起こしやすい作物の近くで一緒に育てることで、お互いの生育に良い影響を与え、連作障害を起きにくくしてくれる作物のことです。
過去にゴーヤを育てたことのある場所で連続して育てる場合は、コンパニオンプランツを一緒に植えましょう。
ゴーヤのコンパニオンプランツはネギが挙げられます。
ゴーヤを連続して同じ場所で育てる場合は、ネギを一緒に植えてみてくださいね。
葉や茎の病気や害虫に注意
次に注意したいのが、病気や虫による被害です。
ゴーヤは比較的病気や害虫の被害にあいにくい野菜ではありますが、以下の病害虫には注意が必要です。
・葉に白い粉がついてしまう、うどんこ病
・葉が枯れてしまう原因になる炭疽(たんそ)病
・アブラムシの付着
うどんこ病はカビが原因で起きる病気。
うどんこ病を発症してしまうと、葉が枯れたり、花が咲かなかったりといった影響があります。
葉がカビに覆われてしまうと、光を吸収できず光合成の妨げとなり、生長しにくくなってしまうので、風通しが良くカビが生えにくい場所で育てましょう。
炭疽(たんそ)病もカビが原因となって起こる病気です。
症状としては葉に斑点が現れ、その部分から徐々に枯れてしまいます。
なお、炭疽病は広がりやすい病気のため放っておくとどんどん被害が広がってしまいますので、 発見したらその部分の葉をすぐに切り取り処分しましょう。
カビが生えないようにするには、
・風通しの良い場所で育てる
・葉がたくさん生い茂るようであれば適度に取り除き、風通しが良い状態を保つ
といった点を意識してみてくださいね。
葉は生長するのに実がつかない
葉は順調に生長しているのに、実がつかないという現象が起きることもあります。
原因として考えられるのは、以下の3つです。
・摘芯していない
・受粉ができていない
・水やりが足りていない
摘芯をしないとゴーヤはどんどん生長してしまうのですが、途中で摘芯をすることで、子つるや孫つるといった、わき芽を伸ばします。
なぜ子つるや孫つるを伸ばさないといけないのかというと、ゴーヤの雌花は子つるや孫つるに多く咲くからです。
つまり、摘芯をしないと雌花が少なく、実があまりつかないということが起きてしまいます。
雌花と雄花が受粉できていないと、実をつけないこともあります。
基本的には、ミツバチなどの虫が集まってくることで受粉ができるのですが、都心などであまり虫がいない環境にお住まいの方は、人工的に受粉をしてあげてください。
水を与える量が足りていないと実をつけないこともあります。
植物は葉から水分が蒸発していくのですが、ゴーヤはたくさんの葉をつけるので、特に蒸発しやすいです。
そのため、たくさんの水が必要なのです。
朝と夕方の2回、たっぷりと水を与えましょう。
収穫時期を逃さないようにこまめにチェック
花が咲いて15日くらい経つと、徐々に実が育ち始めます。
実の表面のイボが立体的になり、実につやが出てきたら収穫のタイミング。
収穫用のハサミを使って収穫しましょう。
実がたくさんついたままだと茎に負担がかかってしまうので、こまめに収穫してくださいね。
ゴーヤの収穫後の保存方法
ゴーヤを収穫したら保存方法に迷ってしまいますよね。
収穫後のゴーヤは、冷蔵か冷凍のどちらかの方法で保存します。
冷蔵保存
実に水分がついていると傷みの原因になるので、しっかり拭き取りましょう。
拭き取ったら袋に入れて野菜室へ。
食べるまでに時間がある場合は、綿と種を取り除いて保管するのがおすすめ。
中心部分にある綿と種の部分から傷み始めるので、傷みやすい部分を取り除くことで変色を防げます。
綿と種を取り出したら、切り口にキッチンペーパーをかぶせましょう。
そして全体をラップで包んで、野菜室へ入れます。
このときは切り口を下にして入れてくださいね。
冷凍保存
たくさん収穫できたので、すぐに全部は食べられない、という場合は冷凍保存がおすすめ。
縦半分に切って、綿と種を取り除きます。
適度な大きさに切って、1分程度水にさらし、冷凍可能な保存袋に入れて保管しましょう。
保存袋に入れる際には、しっかりとゴーヤの水分を拭き取ってから入れるのがポイントです。
解凍するときは、前日に冷凍庫に移動させて、自然解凍しましょう。
解凍すると水分が出て水っぽくなるので、料理に使うときはよく絞ってから使います。
ゴーヤを収穫してからの保存期間
保存方法 | 保存期間 |
---|---|
冷蔵保存 | 7~10日 |
冷凍保存 | 約1か月 |
ゴーヤのおすすめ調理法はこれ!
収穫したゴーヤを楽しむための、おすすめ調理方法をご紹介します。
ゴーヤと言えばこれ!ゴーヤチャンプル
ゴーヤと言えば、やっぱりゴーヤチャンプルですよね。
まずは王道の料理で楽しんでみると良いでしょう。
材料
豚バラ肉(薄切り) 100g
にがうり(ゴーヤ) 1/2本
塩 適量
木綿豆腐 1/2丁
卵 1個
ごま油 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
かつお節 適宜
調理時間たった15分!無限ゴーヤ
お湯でサッと茹でたらゴーヤ以外の材料と混ぜるだけ。
おつまみはもちろん、ツナも入っているのでお子さんもおいしくいただけます。
ゆで時間を調整して、お好みの食感で楽しんでくださいね。
材料
ゴーヤ 一本
塩 少々
砂糖 少々
ツナ 1缶
麺つゆ 大さじ2
胡麻油 少々
お子さんでも食べやすい!ゴーヤのてんぷら
ゴーヤは苦味があって苦手なお子さんも多いと思います。
そんなお子さんでも食べやすいのが、ゴーヤの天ぷらです。
カレー粉やコンソメで味付けをしているので、苦味が和らぎ食べやすい味に。
材料
ゴーヤ 1本
天ぷら粉 100g
カレー粉 大さじ3
コンソメ 小さじ1
塩 少々
水 天ぷら粉の記載に従った量
ゴーヤとかつお節の和え物
ゴーヤの苦味を味わいたい人にはシンプルな和え物がおすすめ。
材料
ゴーヤー 1/2本
醤油 大さじ1
ゴマ油 小さじ1
かつお節 少々
自家製ゴーヤでおつまみも作れる
ゴーヤの収穫時期が夏ということもあり、冷えたビールに合うおつまみも紹介します。
細長く切ったゴーヤをボウルに入れ、鶏ガラスープの素と片栗粉と混ぜ合わせます。
熱したフライパンにごま油とサラダ油を入れて、ゴーヤを入れ、きつね色になるまで焼いたらOK!
ごまをまぶしたら完成です。
材料
ゴーヤ 1本
鶏がらスープの素(顆粒) 小さじ1.5
片栗粉 小さじ2
ごま油 大さじ1
サラダ油 大さじ1
胡椒 適量
ゴーヤは家庭菜園初心者でもチャレンジしやすい野菜
ゴーヤは管理が難しくなく、家庭菜園初心者でも育てやすい野菜です。
ゴーヤの苦味には食欲を促す効果があるため、食欲の落ちやすい夏に食べるのをおすすめします。
今年の夏はぜひ自分で育てたゴーヤを食べてみませんか?