野菜を育てるうえで重要な作業の一つ、摘芯。摘心することで、野菜はわき芽を増やし、よりたくさんの花や実をつけるようになります。
スナップエンドウの栽培においても、摘心は必要です。今回は、スナップエンドウの栽培方法を中心に、摘心やわき芽かきのやり方をご紹介します。
摘心とわき芽かきの違いや、やらないとどうなるかなどを解説するので、栽培前にチェックしておきましょう。
目次
スナップエンドウの摘心
スナップエンドウの摘心は、実際どうやるのでしょうか?摘心の時期や方法、やらないとどうなるのかをご紹介します。
摘心の時期と方法
摘心とは、芽の先端をカットする作業のことをいいます。
成長途中の芽をカットすると、そのすぐ下から新しい芽が生え、1本だった茎が2本に増えるんです。これを繰り返すと、新しい芽がどんどん増え、株が大きく成長するといわれています。
スナップエンドウの摘心時期は、「孫づる」が伸びてきたタイミングです。作物には、元枝となる「親づる」と、親づるから伸びる「子づる」、子づるから伸びる「孫づる」があります。
親づると子づるは、生育旺盛で花や実がたくさんつくといわれているため、カットせずに残しておきましょう。
孫づるは、そのまま伸ばしても十分な生育が望めない可能性があるので、早めに摘心してください。
伸びすぎたツルは放置しても大丈夫?
伸びすぎたツルを放置するのは、おすすめできません。摘心するべき孫づるを見つけたら、なるべく早めに取り除くようにしてください。
スナップエンドウを摘心せずに放置すると、支柱やネットにどんどん絡みついていくため、伸びすぎたツルに栄養が分散してしまいます。
花や実が少なく、育てる必要がないツルに栄養が送られると、本当に栄養が必要なツルの成長を阻害してしまうでしょう。
摘心をやる理由は、栄養を集中させるだけではありません。
ツルが伸び放題になっていると風通しが悪くなるため、株が蒸れてしまったり下の方に日が当たらなくなったりしてしまいます。
摘心と芽かきの違いは?
作物の栽培では、芽かきという作業も大切です。芽かきとは、茎と葉の付け根部分から生えてくる、新しい芽を取り除く作業のことをいいます。
摘心が枝の先端をカットする作業なのに対し、芽かきはわき芽を摘み取る作業です。
どちらも、余分な部分をカットして成長させたい場所へ栄養を集中させるために行います。
スナップエンドウの脇芽かき
摘心と同じく、スナップエンドウの栽培で欠かせないのがわき芽かきです。わき芽かきのやり方をご紹介しますので、参考にしてください。
脇芽の場所とやり方
わき芽がはえてくる場所は、スナップエンドウの茎と葉の付け根部分です。わき芽は続々とはえ、ツルが広がっていきます。
わき芽かきのやり方は、とても簡単です。はえてきたわき芽を2本の指でつまみ、横に倒せばポキッと折れます。園芸用ハサミでカットしてもよいですね。
脇芽かきをする理由
なぜ、スナップエンドウの栽培ではわき芽かきが必要なのでしょうか?
大きな理由は、花や実に十分な栄養をおくるためです。わき芽かきをしないと、子づるや孫づるがどんどん伸び、栄養が分散されてしまいます。
わき芽かきをして必要な枝だけを残すことで、栄養を集中して送れるんです。十分な栄養を吸収した枝は、花や実が立派に育つこと間違いなし。
美味しくてサイズの大きいスナップエンドウがたくさん収穫できますよ。
水やりや日当たり
スナップエンドウは、日当たりのよい環境を好む野菜です。気温が15〜20℃になり、たっぷり日が当たる南向きの方角で栽培しましょう。
風通しが良くなるよう、置き方にも注意してください。しかし、耐暑性はあまりないので、夏場の直射日光は避けましょう。
種まきしてすぐの時期は、発芽するまで乾かさないようにしてください。発芽後の水やりは、控えめにして育てます。
スナップエンドウは乾燥気味の環境を好むため、地植えなら雨のみで十分です。
プランター栽培の場合は、土壌の表面が乾いたら、底から水が流れ出すくらいたっぷり与えましょう。
追肥の仕方
伸びたつるの先にたくさんの実がなるスナップエンドウは、たくさんの栄養を必要とします。
培養土にあらかじめ含まれる肥料だけでは栄養が足りなくなるので、追肥しましょう。適切な時期に追肥すると、より元気な株に育ちます。
追肥するタイミングは、主に以下の2回です。
- 種まきから1ヶ月後
- 開花する前
開花後は、1ヶ月を目安に追肥を続けます。与えるのは、化成肥料がおすすめ。
うどんこ病予防のため、窒素成分が少ないものを選びましょう。
収穫のサイン
スナップエンドウの実が大きくなったら、収穫の時期です。
収穫のサインは、主に2つ。
- さやの色が鮮やかな緑色になる
- 実の膨らみが目立ちはじめる
スナップエンドウは収穫が遅れると、実が固くなってしまいます。そして、さやごと食べられなくなり、グリーンピースになってしまいます。
栽培中は、収穫のサインを見逃さず、さやも実も柔らかい状態で収穫するようにしてください。
まとめ
スナップエンドウ栽培には、摘心が必要です。孫づるが伸びてきたタイミングで摘心すると、たくさん花や実ができる親づる・子づるに栄養が行き渡り、多くの実が収穫できるでしょう。
摘心と同様、わき芽かきや追肥も忘れないようにしてください。余分なわき芽は見つけたらすぐにカットしないと、間延びして栄養不足になったり株の風通しが悪くなったりしてしまいます。
スナップエンドウは、摘心・わき芽かき・追肥などの管理をすれば、初心者でも簡単に栽培できる野菜です。
料理の彩りとしてはもちろん、サッと茹でてスナック代わりに食べるなど楽しみ方は満載。家庭菜園でつくり、採れたてのスナップエンドウを味わってください。
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