スナップエンドウの栽培では、株が倒れないように支柱を使用します。しかし、支柱はただ苗の横に立てればよいわけではありません。支柱の長さや誘引の仕方、タイミングが大切なんです。
今回は、初心者でもわかるスナップエンドウの支柱の使い方をご紹介します。栽培のポイントも合わせて解説しますので、参考にしてください。
目次
スナップエンドウの支柱の立て方
スナップエンドウには、ツルありとツルなしのタイプがあります。支柱は、ツルがあるタイプかないタイプかで選びかたが大きく変わるので、選び方のポイントを知っておきましょう。ここで紹介するポイントに気をつけることで、栽培に失敗する確率がグッと減りますよ。
ツルありタイプ
<ツルありタイプの特徴>
草丈 | 約200cm |
必要な支柱の高さ | 210cm以上 |
おすすめの栽培方法 | 地植えで支柱・園芸ネットを使用 |
ツルありタイプのスナップエンドウは、名前の通りツルを伸ばして成長します。そのため、草丈は高く200cmを超える大きさになるでしょう。
横にも広がるので、地植え栽培がおすすめです。支柱を2本以上立て、間に園芸用ネットを張ればツルがネットに絡むように伸びていきます。収穫量も増えるため、多くの実を収穫したいならツルありタイプを選ぶとよいでしょう。
ツルなしタイプ
<ツルなしタイプの特徴>
草丈 | 約80cm |
必要な支柱の高さ | 100cm以上 |
おすすめの栽培方法 | プランターで支柱を使用 |
ツルなしタイプは、ツルは多少伸びるものの、草丈が80cmほどにしか生長しないエンドウマメです。100cmの支柱を数本立てたプランターで十分育てられるのがメリットです。
ツルなしタイプは、大きくならないのでスペースのない家庭菜園やプランター栽培におすすめ。収穫できる実の数は少ないものの、一人暮らしや二人暮らしなら食べるのに問題ないでしょう。
つるボケしないように施用量を守る
スナップエンドウは、ツルがどんどん伸び実がたくさんなるので、栽培するうえで肥料が欠かせません。植え付け後タイミングを見て追肥する必要があります。
しかし、肥料をあげすぎると「つるボケ」という現象が起きてしまうので注意してください。つるボケとは、葉やツルばかりが伸び、花や実ができにくくなってしまうことです。つるボケを避けたい場合、追肥のさいは化成肥料を少量与えるとよいでしょう。
初心者のためのスナップエンドウ栽培のポイント
続いて、初めてスナップエンドウを栽培する人のため、育てるうえで必要なポイントをご紹介します。ポイントをおさえておけば、初心者でも栽培に失敗する確率が減ること間違いなしです。
プランター向きの品種
家庭菜園が狭い・ベランダで栽培したいという場合は、プランター栽培を選びましょう。プランター栽培に向いた品種は、以下の3つです。
スナック2号
生長時の草丈は約60cm。スナップエンドウがなりやすいといわれる「うどんこ病」や「立枯病」に強いという特徴があり、枝分かれしにくいのも魅力です。
スジナッピー
エンドウマメを調理するときに面倒な、すじ取り作業が必要ないのが特徴です。すじを取らずに丸ごと食べられるうえ、甘みが強いのも魅力の一つ。つるなし品種のため、プランターでコンパクトに栽培できます。
ホルンスナック
耐寒・耐暑性に優れているため、日本全国どんな場所でも育てられます。草丈は80cmほどなので、ベランダのプランターでも十分栽培可能です。
誘引管理
スナップエンドウを植え付けた後、本葉が5〜6枚になったら、誘引作業して管理します。つるはネットや支柱に自然に絡みつきますが、誘引して生長のしかたを管理することでより株が広がりやすくなるんです。
誘引方法は、とても簡単。ネットや支柱を取り囲むように麻ひもやビニールテープを張るだけです。さらに株が生長したら、間隔を30cm空けて同じ要領で上に追加しましょう。
越冬方法
秋に種まきしたスナップエンドウは、春に収穫するため越冬させなければいけません。何もしなければ土壌に霜がおりて苗が枯れてしまうため、寒さ対策をしっかり行いましょう。
スナップエンドウの越冬でおすすめなのが、土壌表面にワラや腐葉土を蒔く方法です。ワラや腐葉土は保温性が高いので、土壌にかけておくだけで越冬に役立ちますよ。
鳥よけ
スナップエンドウは美味しいので、鳥の餌になりやすいといわれています。鳥よけで大切なのは、とにかくスナップエンドウに鳥を近づけさせないことです。
鳥よけをしたいなら、株の周りにネットを張るのが効果的です。空を飛ぶ鳥から実が見にくくなりますし、もし鳥が実を見つけてもネットのおかげで食べられる心配がありません。
間引き
スナップエンドウの間引きは、種をまいて発芽した苗が7〜8cmになった頃に作業します。元気のよい2本だけを育苗ポットなどに残し、その他は根っこから抜いてしまいましょう。
間引きすることで、苗に分散されていた栄養が数本に集中します。たっぷり栄養を吸収した苗は、すくすくと生長するでしょう。
追肥
培養土には堆肥や元肥が含まれていますが、スナップエンドウは肥料を吸収しながら生長するため、追肥が必要になります。
最初に追肥する時期は、つぼみが開花したタイミングです。1㎡あたり50gの化成肥料を与えましょう。その後は、以下のサインを目安に与えるのがおすすめです。
1回目:つるが伸びはじめた頃
2回目:菜が咲きはじめた頃
3回目:莢がなりはじめた頃
4回目以降:実付きが悪い・元気がないと感じたら1週間ごとに与える
注意する病害虫
スナップエンドウは、病害虫が発生すると株が枯れてしまう可能性もあります。そのため、栽培前にどんな病害虫が発生しやすく、どんな対処法をするのが効果的なのか知っておくことが大切です。
<発生しやすい害虫>
害虫名 | 被害 | 対処法 |
アブラムシ | 体長2mmほどの虫が葉を食べ、甚大な被害を与える | 市販の薬剤や酢を、スプレーなどで散布する |
ハモグリバエ(幼虫) | 幼虫が葉の内部に潜り込み、白で絵を描いたような後ができる | 粒状の殺虫剤を土壌に散布する |
ヨトウムシ(夜盗虫) | 昼間は土壌中に住み、夜になると葉を食べる | 市販の殺虫剤を株全体に散布する |
<なりやすい病気>
病名 | 被害 | 対処法 |
うどんこ病 | 葉の表面にうどんの粉をかけたような白い斑点があらわれる | 被害にあった葉は取り除き、専用の薬剤を散布する |
モザイク病 | 葉の葉脈が透け、次第に湾曲したりねじれたりしてくる | アブラムシが媒介するため、アブラムシの発生を防ぐ |
まとめ
スナップエンドウは、ツルあり品種とツルなし品種で栽培方法が異なります。草丈が80cmほどにしかならないツルなし品種なら、支柱は100cmあれば十分。一方、ツルあり品種は草丈が200cmほどになるため、支柱は210cm以上のものを用意しましょう。
地植えでもプランター栽培でも育てやすいスナップエンドウは、初心者におすすめの野菜です。病害虫に注意すれば栽培は簡単なので、ぜひ挑戦してみてください。
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