きゅうり栽培で欠かせないアイテムが、支柱です。家庭菜園で育てるときもプランター栽培でも、支柱を使わなければきゅうりはうまく育てられません。
では、支柱はどんな高さのものをどう立てればよいのでしょうか?今回は、きゅうり栽培での支柱の使い方のコツを解説します。
栽培方法と支柱の適切な使い方を知って、家庭で美味しいキュウリをたくさんつくりましょう。
目次
きゅうりのプランター栽培で支柱の高さは?
一口に支柱といってもさまざまな種類があり、太さや高さが異なります。
イボつきやアーチ型などもありますが、まずはオーソドックスな直線タイプの支柱の種類を知っておきましょう。
太さ | 長さ |
8mm | 0.9m・1.2m・1.5m・1.8m |
11mm | 1.2m・1.5m・1.8m |
16mm | 1.5m・1.8m・2.1m・2.4m |
24mm | 1.8m・2.1m・2.4m |
きゅうりのプランター栽培で必要な支柱の高さは、200cm以上です。品種にもよりますが、きゅうりは成長すると全体の高さが200cmほどになります。
高さが200cm以上の支柱となると、太さは16mmか24mmしかありませんね。プランター栽培でおすすめなのは、16mmです。
プランターだと十分な広さがないため、支柱が太すぎるとバランスが悪くなってしまうでしょう。適度な太さの支柱を選ぶようにしてください。
支柱を立てるタイミング
きゅうり栽培での支柱を立てるタイミングは、苗をプランターに定植させるときです。
きゅうりは成長速度が早く、つるがどんどん伸びるという特徴があります。そのため、苗を植え付けるタイミングで同時に立てれば、より成長がスムーズに進みますよ。
プランターの支柱の立て方
きゅうりのプランター栽培では、支柱の立て方が4種類あります。
それぞれに特長があるので、自分の栽培環境に合った立て方を選びましょう。
あんどん仕立て
あんどん仕立てとは、成長したきゅうりが照明器具である行灯(あんどん)のように見える仕立て方です。リング状の輪っかが3本の細い支柱についている形状で、きゅうりのつるが支柱に絡みつくように伸びていきます。
あんどん仕立ての特長は、コンパクトに栽培できるという点です。マンションやアパート住まいだと、ベランダや玄関などの狭い場所にプランターを置いて栽培する人もいるでしょう。そんなとき、スペースをとらないというのは大きなメリットになりますよね。
合掌式支柱
より多くのきゅうりを収穫したいなら、合掌式支柱がおすすめです。合掌式支柱の作り方手順は、以下になります。
- 2本の支柱の先端を交差させるようにつなげたものを2つ作る
- 交差部分が苗の上にくるように設置する
- 支柱側面に園芸用ネットを張る
また、栽培スペースに余裕があるなら、プランターを2つ並べる方法を試してみてもよいでしょう。
2つのプランターに支柱を立て、プランターの間で交差させます。そして、園芸ネットを張るだけ。1つのプランターで栽培するよりも多くのきゅうりを収穫できること間違いなしです。
交差組み型
栽培スペースが狭い場合にもっともおすすめなのが、交差組み型です。交差組み型は、以下の手順で簡単につくれます。
- プランターに2本〜4本の支柱を垂直に立てる
- 間隔が同じ幅になるように、2〜3本の支柱を横向きに固定する(細めの支柱でOK)
- 全体に園芸用ネットを張る
交差組み型なら、支柱の数が多いため、きゅうりが大きく成長してもしっかり支えられるでしょう。プランターサイズのスペースで栽培できるのも、メリットの一つです。
スクリーン仕立て
支柱はネットの支え程度として使用し、全体に園芸用ネットを張る方法がスクリーン仕立てです。
支柱は、両サイドに1本ずつと上部に1本設置しするだけ。全体にネットを張るだけで、きゅうりのツルが絡みつきながら成長します。
スクリーン仕立てにするときは、支柱とネットをしっかり固定するのがポイントです。
両サイドの支柱のみで支えるため、しっかり固定されていないと倒れてしまう可能性があります。深さのあるプランターを使用し、支柱と土壌を十分固定させてから仕立てましょう。
きゅうり栽培のコツ
きゅうり栽培には、植え付けや水やり、つるの誘引などの面でコツがあります。
コツを知っていれば初心者でも失敗することが少ないので、チェックしておきましょう。
苗の植え付け
きゅうりは25℃〜30℃で発芽するので、本葉が2〜3枚になったら植え付けましょう。
定植の適期は、温度が高くなる5月上旬〜6月中旬の期間です。きゅうりは夏野菜の代表ともいえる植物なので、この頃に植え付ければ夏〜秋頃の暖かい時期にグングン生長します。
以下が、きゅうりの植え付け手順です。
- 本葉が3〜4枚出ているきゅうりの苗を用意する
- 株間は30cm以上あけ、育苗ポットより一回り大きい穴を掘る
- 育苗ポットから苗を取り出し、根のまわりについた土を優しくほぐす
- 穴に苗を入れ、培養土をかぶせる
- プランターの底から流れ出るくらい、たっぷり水を与える
水やりと肥料
きゅうりの水やりは、土壌表面が乾いたらたっぷり水を与えるのが重要です。
ただ、毎日決まった時間に水やりしてしまうと、水分過多により株が枯れてしまう可能性があるため、注意しましょう。
そして、肥料もきゅうり栽培に欠かせないアイテムです。苗を植え付ける培養土には、堆肥や元肥があらかじめ入ったものを選ぶのがおすすめ。若い苗のうちにたくさん肥料成分を吸収し、大きく育ちます。
植え付け後2週間経過すると肥料の効果が減ってくるため、追肥しましょう。
きゅうりの追肥には、化成肥料や液体肥料がおすすめです。株元に肥料をまくだけで、根が肥料の栄養を吸収して、花や蕾がたくさんなりますよ。
追肥は、その後1週間〜2週間を目安に定期的に行ってください。
つるの誘引
きゅうりは基本的に、支柱やネットに自分から絡まりながら成長します。
しかし、誘引せずに放っておくと成長が偏ってしまうことも。誘引して均等に伸びるようにすることで、より整った株に生長しますよ。
つるを誘引するときは、麻ひもを使うとよいでしょう。きゅうりの茎や枝を、麻ひもを使って支柱に結ぶだけで誘引できます。
結ぶときは、緩めに結ぶのがコツです。きつく結ぶと、ひもが食い込んで茎や枝を傷つけてしまう可能性があるため、指が1本入るくらいの余裕を持って結んでください。
一番果の収穫
きゅうりを栽培虫、最初の果実ができたときは嬉しいですよね。しかし、一番果は収穫せず、生長する前にハサミなどでカットしましょう。
一般的に、一番果ができる頃はまだきゅうりが生育途中の時期だといわれています。
一番果をすぐに取り除くことで、この後にできる果実に栄養を残しておけるんです。栄養が一番果に送られてしまう前に、早めに摘み取りましょう。
注意すべき病気や害虫
きゅうりに発生しやすい病害虫は、以下の通りです。
きゅうり栽培で注意する病害虫の症状と予防・対策を知っておきましょう。
<病気>
病気名 | 症状 | 予防 |
うどんこ病 | 葉に粉をまいたような白いカビが広がる | ・風通しの良い環境で管理する ・窒素成分の多い肥料は避ける |
炭疽病 | 葉にフチが黄色い穴が多数発生する | ・水はけの良い土で乾燥気味に栽培する |
べと病 | 葉の表面に薄黄色の病変が広がり、裏の裏にはベトベトしたカビが発生する | ・苦土石灰をまき、中性〜アルカリ性の土で栽培する |
<害虫>
害虫名 | 症状 | 対策 |
ウリハムシ | 体長7〜8mm。オレンジ色の甲虫が葉を食害する | ・見つけたら捕獲する ・薬剤を散布する |
オンシツコナジラミ | 体長2〜3mm。白色の羽虫が葉の栄養を吸汁する | ・水を散布する ・高温で乾燥した環境を避ける |
アブラムシ | 体長1〜4mm。集団で発生し、葉の栄養を吸汁する | ・薬剤を散布する ・牛乳を葉にスプレーする |
まとめ
きゅうりを栽培するときは、200cm以上の高さのある支柱を用意しましょう。
プランター栽培なら、あんどん仕立てや交差組み型で支柱を立てるのがおすすめ。狭いスペースでもきゅうりのツルが絡みつく場所をつくれるため、収穫量も期待できますよ。
家庭菜園できゅうりを作れれば、サラダや漬け物の材料として活躍すること間違いなしです。支柱をうまく使い、きゅうり栽培を楽しんでください。
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