独特な苦味が人気の、ピーマン。家庭菜園で育てれば、料理の材料として大活躍しますよね。しかし、家庭で育てていると、稀に実が大きく育たないことがあるんです。
ピーマンが大きく育たないのには、いくつかの理由が考えられます。
今回は、ピーマンが大きく育たない理由にくわえ、栽培のコツをご紹介しますので、栽培の参考にしてください。
目次
ピーマンの実が大きくならない理由
ピーマンの実が大きくならない場合、考えられる理由は主に4つ。
ここで紹介する4つの理由を知っておけば、ピーマン栽培に失敗する確率がグッと減ること間違いなしです。
肥料のやり方
ピーマンに限らず、野菜栽培で肥料は欠かせないアイテムです。
しかし、肥料は与え方を間違えると実が大きく育たなくなってしまうことがあります。ピーマンの成長に合わせた与え方をするのが、成功するコツです。
野菜に与える肥料には、大きく分けてリン酸・カリ・チッ素が含まれています。このうち、茎や葉を大きくする効果があるのがチッ素です。
ピーマンがまだ苗で生育しはじめの頃は、チッ素を多く含む肥料を与えて大きな株に育てましょう。
株がある程度成長し、実が付きはじめたら、2週間に1回を目安にリン酸を多く含む肥料を与えてください。
リン酸は実を大きくする効果があるため、立派な実がたくさんなるでしょう。
日照不足
ピーマンは、日の光が大好きな野菜です。日照不足だと光合成ができず、十分な栄養をつくれないので、実がおおきく育たない原因になってしまいます。
ピーマン栽培で必要な日照量は、1日に最低4時間です。4時間はたっぷり日の当たる場所で育てないと、実ができない・大きく育たないことになってしまうでしょう。
南向きや東向きなど、気温・地温が高く日当たりのよい場所で管理するようにしてください。
水分不足
植物にとって、水はなくてはならないものです。そのため、水分不足になると株自体が生育不良を起こし、実が大きくならなくなってしまいます。
ピーマン栽培における水やりのポイントは、「土の表面が乾いたらたっぷり」と覚えておいてください。
多湿も乾燥も嫌うので、水をあげるときとあげないときのメリハリをつけることが大切なんです。
実のつけすぎ
ピーマンを栽培するからには、たくさん収穫したいですよね。しかし、実が多くつきすぎると株に負担がかかってしまい、実が大きくならないことがあります。
実が多すぎると感じたときは、追肥することで解決できるでしょう。
実を大きくする効果のあるリン酸が多く含まれた肥料を追肥することで、すべての実に十分な栄養が行き渡るようになるんです。
ピーマンの生育不良の症状
実が大きくならないときは、株が生育不良を起こしている可能性が高いでしょう。
ここでは、ピーマンが生育不良を起こしている場合に見られる症状をまとめました。
実が大きくならないと感じたら、まずは株の様子をチェックしてみてください。
実が赤くなる
ピーマンといえば、緑色のイメージが強いですよね。熟すと、パプリカのように真っ赤になることをご存知でしょうか?
実は、一般的に使われるピーマンは、未熟果といわれる早採りした状態のものなんです。
実が完熟するまで株につけておくと、実へ送る栄養分が多すぎて株が疲れてしまいます。
そのため、実が赤くなっているということは、株が生育不良を起こしている可能性が高いんです。
果実に穴があく
ピーマンの実に穴があいている場合も、要注意。実に穴があいているということは、害虫に寄生されている可能性が高いためです。
害虫が発生した株は、実だけではなく葉や茎、根が被害をうけるため、生育不良を起こします。害虫を発見したら、取り除く・薬剤を散布するなどの対策をとりましょう。
実が辛くなる
トウガラシの仲間であるピーマンは、辛味成分のカプサイシンが含まれます。
カプサイシンは、乾燥や栄養不足により生育不良を起こしたときに増すとされているので、実が辛くなったときは生育不良を起こしている可能性を疑いましょう。
形がいびつ
生育不良を起こした株は、実へ送られる栄養分が少なくなってしまうため、形がいびつになることもあります。
- 実の厚さが均等ではない
- 一部が凹んでいる
- 極端に曲がっている
上記のような状態の実があったら、ピーマンが生育不良を起こしている可能性が高いでしょう。
花が落ちる
植物は、生育不良を起こすと花を落とすことで栄養分を行き渡らせようとします。そのため、開花した花が落ちたときは生育不良になったと考えましょう。
花が落ちるのを防ぎたい場合は、追肥するのがおすすめです。化成肥料を株のまわりにまけば、養分が足りなくなるのを防げます。
実にツヤや張りがない
健康なピーマンの実は、ツヤツヤしていて張りがあります。しかし、生育不良を起こした株は、実にツヤがなく、触ったときに張りを感じられません。
見た目が明らかに違うので、実の変化を感じたら栽培環境を見直してみましょう。
ピーマンの尻が傷む
ピーマンの実が下のほうから傷んできた場合は、カルシウム不足が考えられます。
この症状は「尻腐れ病」といわれますが、病気ではありません。トマトやパプリカにもよく見られる生理障害の一種です。
カルシウム不足は、チッ素の多い肥料を与えすぎた場合や乾燥によって起こるといわれています。
カルシウムを防ぐには、以下の対策がおすすめです。
- 苦土石灰をまく
- 適切な水やりをする(真夏は朝・夕の2回)
ピーマンの実を大きくする栽培のコツ
大きな実をたくさん収穫したいなら、肥料の使い方を工夫するとよいでしょう。ピーマンが大きくならない理由でも前述したように、ピーマンの成長時期に合わせて肥料を変えることで大きな実がなる株に育ちます。
- 栽培初期:チッ素分の多い肥料
- 栽培後期:リン酸を多く含む肥料
上記のポイントをおさえておけば、大きな実をたくさん収穫できますよ。
小さいピーマンは食べられる?
ピーマンの実が大きくならなくても、諦めることはありません。ピーマンの実は小さくても十分美味しいので、食べられますよ。
多くの場合、ピーマンは小さく切って料理に使いますよね。そのため、小さくてもほとんど問題ないでしょう。
チンジャオロースや和え物など、さまざまな料理で活躍すること間違いなしです。
まとめ
ピーマンの実が大きくならない場合、理由となるのは以下の4つが考えられます。
- 肥料のやり方が間違っている
- 日照不足になっている
- 水分不足になっている
- 実がつきすぎている
今回解説したとおり、どの原因も少し気をつければ防げるものばかりです。つまり、ピーマンの基本的な栽培方法を守れていれば、実が大きくならずに困ることはないということですね。
ピーマン栽培は、ガーデニング初心者でも失敗が少ないので、ぜひ試してみてください。自分で育てた採れたての新鮮なピーマンは、味わい深いものがありますよ。