ゴーヤ栽培で多くの人が悩むのが、実がならないというトラブルです。ゴーヤの実は、なぜならないことがあるのでしょうか?
ゴーヤの実がならない理由は、主に5つあるといわれています。
今回は、この理由とともにゴーヤの正しい栽培方法もご紹介。ゴーヤ栽培初心者は、とくに要チェックです。
目次
ゴーヤに実がならないのはなぜ?
ゴーヤの実がならない場合、考えられる理由は5つです。
理由と合わせて、対策方法も解説しますので、栽培の参考にしてください。
受粉できていない
ゴーヤを含め多くの野菜は雌花と雄花が受粉することで実がなります。そのため、受粉できていなければ実がならなくなってしまいますよね。
一般的に、ゴーヤは虫や風によって自然受粉することが多いといわれています。
しかし、虫が来られないような高層マンションの屋上や、風が吹かないビニールハウスなどで栽培していると、自然受粉できないことがあるんです。
ゴーヤの人工授粉のポイントは、以下の通りです。
- 花粉の排出が多い朝9時頃に行う
- 雄花を摘み取り、雌花にこすりつける
人工授粉することで、ゴーヤが受粉できなくて実がならないということにはならないでしょう。
受粉できるか心配なら、試してみてください。
摘心をしていない
ゴーヤ栽培において、摘心は非常に大切な作業です。摘心することで、上に向かって伸びるために使うはずだった栄養分が株全体に行き渡るので、ゴーヤは子づるや孫づるをたくさん出すようになります。
子づるや孫づるをたくさん出して生育旺盛になったゴーヤは、花や実の数も増えること間違いなし。
ゴーヤの実がならないと感じたら、摘心してみましょう。
水分が足りない
十分な水やりをしていない場合も、ゴーヤの実がならない原因になってしまいます。
植物にとって、水はなくてはならない栄養源です。適切な水やりができないと、ゴーヤが生育不良を起こし実がならなくなってしまうでしょう。
ゴーヤ栽培における水やりのポイントは、以下の3つです。
- プランター栽培なら、底から流れ出るくらいたっぷり水を与える
- 朝・夕の2回水やりする
- 雨の日は必要ない
ゴーヤは孫づるや子づるなどが旺盛に伸び、たくさんの葉がつくため、とくに水分を必要とする野菜です。
気温が高く乾燥する時期は、とくにしっかり水やりしましょう。
肥料が足りない
たくさんの葉がつき、つるが長く伸びるゴーヤは、栽培するときに肥料が欠かせません。追肥をしっかり与えないと、花がつきにくくなり、実のなりかたにも悪影響を与えます。
ゴーヤに肥料を与えるときは、以下のポイントに注意してください。
- つるの長さが50cmになった頃、1度目の追肥をする
- 株の周りに化成肥料や液体肥料を与える
- その後、1ヶ月を目安に追肥する
日照不足
夏が栽培適期であるゴーヤは、日当たりの良い場所を好みます。緑のカーテンとして使われるくらい日の光に強いので、栽培する場合は日当たりの良い場所で育てましょう。
日照不足になると、ゴーヤはつるが伸びにくくなったり花が咲きづらくなるため、実がならないことがあります。
ゴーヤを栽培するときにおすすめなのは、南向き・東向きなどの日当たりの良い場所です。
日陰になる時間が多い場合は、成長しにくくなるので、注意してください。
雄花と雌花の違い
人工授粉するさい、雄花と雌花の区別がつかないと受粉できないですよね。
栽培初心者のため、ここではゴーヤの雄花と雌花の違いを解説します。
雄花 | 雌花 | |
花びらの色 | 黄色 | 黄色 |
花の中心部 | 黄色い雄しべがある | 黄緑色の雌しべがある |
がくの下側 | 細く、つるに繋がっている | 小さな膨らみがある |
一番大きなポイントは、がくの下部分にある膨らみです。
この膨らみがゴーヤの実になるので、人工授粉のさいは膨らみがない雄しべを摘み取りましょう。
ゴーヤの正しい栽培方法
ゴーヤの実がなるためには、正しい栽培方法を守ることが大切です。
ここではゴーヤ栽培で大切な7つのコツをご紹介しますので、参考にしてください。
種まき・育苗
ゴーヤの種まき・育苗の手順です。
- 育苗ポットに直径4〜5cm、深さ1cmの穴を掘る
- ゴーヤの種を穴に2〜3粒植え、軽く土をかぶせる
- つねに土を湿らせた状態で保つ
- 温度25〜30℃の場所で保管する
土作り
ゴーヤを植え付ける2週間前には、培養土に苦土石灰をくわえます。
1週間前には、堆肥・化成肥料を含ませ、全体に行き渡るように混ぜ合わせましょう。
植え付け
種まきで発芽した苗が、本葉2〜3枚になったら、植え付けます。ゴーヤを定植するさいは、日当たりに注意してください。
前述したように、ゴーヤは日当たりの良い場所を好むので、南向きや東向きなど、1日を通して太陽の光がたっぷり当たる場所で栽培しましょう。
支柱立て・誘引
ゴーヤはつるが長く伸びるため、支柱立てと誘引作業を忘れずしてください。
ゴーヤは最盛期になると、高さが3mを超えることもあります。そのため、支柱は3mほどの長さのものを選んでください。
支柱を支柱の間には、園芸用ネットを張ります。成長したつるをネットや支柱に少し巻きつければ、あとは自然に成長していきますよ。
摘心
前述したとおり、ゴーヤ栽培では摘心が重要です。株の本場が6〜7枚になった頃、本枝の先端をカットしましょう。
摘心しておくと、株全体に十分な栄養分が行き渡り、つるがたくさん伸びるようになります。
追肥
ゴーヤ栽培における追肥のポイントは、前述した通りです。株の生育状況を見て、適切な量の肥料を与えれば、ゴーヤはぐんぐん成長します。
また、追肥で大切なのは、生育時期に合わせて肥料の種類を変えることです。
生育初期には、つるの成長を促すチッ素成分の多い肥料を与えます。しかし、実がなりはじめる生育後期には、実の成長を促す効果のあるリン酸を多く含む肥料を与えるのがおすすめです。
収穫
ゴーヤは、一般的に開花15〜20日ほどで収穫できるようになるといわれています。
収穫できる実を選ぶときは、以下のポイントに注意しましょう。
- 全体にできたイボが盛り上がっている
- 実に張りがあり、ツヤツヤしている
- 完熟する前の、若採りを心がける
緑色の印象が強いゴーヤですが、完熟すると全体が黄色くなってしまいます。
こうなると、ゴーヤ独特のシャキシャキした食感や苦味が消えてしまうので、緑色の若採りをこころがけてください。
摘心を忘れても実はなる?
ゴーヤ栽培では、摘心が必須だとお伝えしましたね。しかし、摘心を忘れてしまう人もいるでしょう。
摘心は、ゴーヤの生育をより旺盛にするために行う作業というだけなので、摘心しないからといって実がならないわけではありません。摘心したときよりも実のなる数が減るという程度でしょう。
摘心していないことに気づいたら、すぐに摘心すれば効果は期待できますので、摘心が遅れたと諦めず、できる作業を試してみましょう。
まとめ
ゴーヤの実がならないと感じたら、以下のポイントを見直してみてください。
- 受粉しているか
- 摘心したか
- 水分は足りているか
- 肥料は与えたか
- 日当たりの良い場所で栽培しているか
上記5つのポイントを守れていれば、ゴーヤの実がならないということは少ないでしょう。
正しい栽培方法を守れば、ゴーヤ栽培は難しいものではありません。
今回ご紹介したゴーヤの正しい栽培方法も参考にして、家庭菜園で美味しいゴーヤを楽しみましょう。