トマトやミニトマトを栽培中、葉っぱばかりが増えて花が咲かなかったことはありませんか?トマトの花が咲かないのには、理由があるんです。
今回は、トマトの花が咲かないときに考えられる理由と解決策にくわえ、トマトの適切な栽培方法までご紹介します。
少しのコツをおさえれば、実がたくさんなるトマトに成長すること間違いなし。とくに、トマト栽培初心者の人は要チェックです。
目次
トマトの花が咲かないのはなぜ?
トマトの花が咲かない場合に考えられる原因は、4つあります。
トマトの花が咲かないときは、最初に4つの原因が当てはまらないかをチェックしてみてください。
日照不足
トマトは、日当たりの良い環境を好みます。家庭菜園やベランダなどの栽培場所が1日中日陰の場合、光合成ができなくなり、生育不良を起こしてしまうでしょう。
生育不良を起こしたトマトは花を咲かせる元気もないため、花が咲かなくなってしまうんです。
肥料過多
肥料は、成長期のトマトの生育を助ける大切なものです。しかし、栄養になるからといっても、与えすぎはよくありません。
肥料を与えるときは、容器に記載されている用法・用量を守りましょう。
水分管理
トマト栽培で大切なのが、水分管理です。
水やりを間違えると、乾燥によりトマトが水分不足になったり、水分過多により根腐れしたりするので、適切な水分管理をするようにしましょう。
温度による障害
トマトの栽培適温は、日中23〜28℃、夜間10〜15℃です。この温度から大きく離れた環境で栽培すると、株が生育不良になり、花が咲かないことがあります。
トマト栽培で注意するべきなのが、最低気温です。夜間温度が4〜8℃になると、花の器官が正常に働かなくなることもあるので、最低気温が10℃以上になってから栽培しましょう。
成長が止まったトマトの花はどうなる?
トマトは、花が咲かないというトラブル以外に、花の成長が止まってしまうことがあります。
成長が止まった花は、どうすればよいのでしょうか?
成長が止まることが多い花芽の段数
成長が止まることが多いのは、3段目の花芽だといわれています。なぜ、3段目につく花芽の成長が止まることが多いのかは詳しくわかりませんが、とくに気をつけて管理するようにしましょう。
日当たりや水分管理、肥料の与え方に注意して育てれば、花芽の成長が止まることが少なくなります。
花芽の成長が止まっていることに気づいたら、栽培環境を見直しましょう。
受粉後に実が大きくならないことも
花の受粉が成功し実がなったとしても、大きく育たない場合もあります。実が大きくならないときに考えられる原因は、以下の5つです。
肥料不足
野菜の実がなるということは、葉や茎が成長するとき以上に栄養を必要とします。実がなりはじめたら、追肥の量を増やしましょう。
実が大きくなるのに必要な栄養素は、リン酸です。実が大きくならないときは、リン酸を多く含んだ肥料をトマトに与えると順調に生育しますよ。
わき芽かきをしなかった
トマトが成長すると、枝の根元からたくさんのわき芽が伸びてきます。
すべてのわき芽を伸ばせば、それだけ多くの実がなるでしょう。しかし、実の数が多すぎると栄養が分散してしまい、一つ一つの実が成長しなくなってしまうんです。
適温で栽培できなかった
前述したように、トマトの栽培適温は日中23〜28℃、夜間10〜15℃です。この気温から大きくズレてしまうと実が大きくならないので、栽培気温は必ず守りましょう。
肥料過多
トマトにチッ素成分の多い肥料ばかりを与えていると、実の成長が止まってしまう可能性があります。
チッ素は、葉や茎の成長を助けるものなので、チッ素成分が多い肥料を多く与えると株ばかりが成長し、実が大きくならないんです。
実を大きくしたいなら、リン酸を与えましょう。
日照不足
実がなってから曇りや雨の日が続くと、日照不足により成長しないことがあります。
トマトはたくさんの日光を浴びることで光合成し、実に栄養を送るので、日照不足だと実の成長が止まってしまうんです。
花が咲かないときの解決策は?
トマトの花が開花しないときは、栽培環境を改めれば咲き始める可能性があります。
ここでは、冒頭で紹介した花が咲かない原因を参考に対策をまとめているので、ぜひ試してみてください。
日照不足
トマトを地植えで育てる場合は、南向きや東向きなど日当たり良い場所を選んでください。
プランター栽培なら、太陽の動きに合わせて置き場所を変えれば、1日中日当たりの良い環境で栽培できますよ。
肥料過多
トマト栽培で肥料を与えるときのコツは、以下の2点です。
- チッ素成分が少なくリン酸が多めの肥料を選ぶ
- 植え付け後2週間経ったら追肥する
トマトのように実がなるタイプの野菜は、葉の成長を促すチッ素よりも、果実の成長を促すリン酸を多く含む肥料を選びましょう。
そして、苗を植え付け後2週間経つと培養土に含まれる肥料が減ってくるので、追肥で新たに肥料を与えることが大切です。
水分管理
トマトの水やりのコツは、以下の3点です。
- 朝の1回、もしくは朝と夕方の2回与える
- 株の成長に合わせて与える水の量を増やす
- 天気に合わせて与える水の量を変える
トマト栽培では、栽培状況に合わせて水やりの量を変えることがポイント。
基本的には、毎朝1回の水やりで十分ですが、気温が高い時期は朝・夕2回水やりするのがおすすめです。
株が大きくなってきたら必要な水分量が増えるので、与える水の量を増やしていくことも忘れないようにしましょう。
晴れの日は水分蒸発が多いことからたっぷりと水を与え、曇りの日は蒸発しにくいので少なめにするなど、天気の変化に合わせることも重要です。
温度による障害
冷夏や猛暑の影響でトマトの栽培適温からズレてしまった場合は、販売されている園芸グッズを活用しましょう。
温度による障害に使える園芸グッズは、主に3つあります。
- 寒冷紗
- 日除けネット
- 簡易ビニールハウス
どれも、トマトの株を冷たい空気や厳しい直射日光から守れる園芸グッズです。
上記の道具を使えば、トマトの栽培気温を適温に保てること間違いなしですよ。
実がなるトマトの株にするには?
実がたくさんなるトマトにするには、コツがあります。
最後にトマトの収穫量を増やすコツを解説しますので、栽培の参考にしてください。
人工授粉する
トマトは、基本的に虫や風の力を借りて自然に受粉します。しかし、必ず自然受粉が成功するとは限りません。
受粉しなければ実がなることはないので、確実に受粉させたいなら人工授粉させるのがおすすめです。
人工授粉の方法は、主に2つあります。
- 綿棒や筆で雄しべの花粉を取り、雌しべにこすりつける
- 雄花を指で軽くはじく
いずれも、朝の9時頃にしてください。花粉は朝の時間帯にもっとも多く放出されるので、9時頃に人工授粉すれば受粉率がアップしますよ。
わき芽かきをする
たくさん実がなるトマトにしたい場合、わき芽かきは必須だと覚えておきましょう。わき芽かきを怠ると余分な枝が伸び、過剰に実がなってしまうためです。
実がなり過ぎると栄養が行き渡らなくなるので、実の成長が止まる可能性が高いでしょう。
追肥をする
元肥や堆肥などの肥料を培養土にすきこんでいても、トマトの成長につれて肥料の栄養素は足りなくなっていきます。そこで必要なのが、追肥です。
追肥することでトマトの実がなるのに必要な栄養を補えるので、実の成長が止まってしまうことが少なくなるでしょう。
トマトの追肥は、最初になった実がピンポン玉ほどの大きさになったときからします。与えるのは、1株あたりスプーン1杯の化成肥料で十分です。根が吸収しやすいよう、株元にまきましょう。
そして、1回目の追肥後、2週間を目安に追肥します。実がなっている間に追肥を続ければ、たくさんの実を収穫できますよ。
まとめ
トマトの花が咲かないのは、主に4つの原因があります。
- 日照不足
- 肥料過多
- 水分管理
- 温度による障害
トマトの栽培適期に日当たりのよい場所で育て、水分や肥料の与え方に気をつければ、花が咲かずに困ることは少ないでしょう。
栽培のポイントに注意し、たくさんの実がなるトマトを育ててください。自宅で採れたての新鮮なトマトを楽しめますよ。