ミニトマトを育てるうえで重要なのが、肥料の使い方です。肥料をうまく使用することで、家庭菜園でも農家から購入したような美味しいミニトマトをつくることができます。
今回は、ミニトマトにおすすめの肥料とともに、与えるのにベストなタイミングを解説します。ミニトマト栽培初心者の人はもちろん、以前栽培に失敗したことがある人も必見です。
栽培の基礎知識を知って、家庭で美味しいミニトマトを楽しみましょう。
目次
ミニトマトに適した肥料とは?
まず最初に、ミニトマトを栽培するのに適した肥料からご紹介します。野菜は品種によって適した肥料があるので、相性の良いタイプを選ぶことが美味しく作る近道です。
トマト肥料の成分
ミニトマトの肥料に含まれる成分は、主に3つ。
- リン酸
- 窒素
- カリウム
リン酸は花や果実の成長に欠かせない成分で、美しい花を咲かせるのに役立ちます。窒素は葉や茎を強く育て、成長を促す力があるのが特徴。そして、植物の土台である根を強く育てるのがカリウムという成分です。
この3つは、ほぼ全ての作物の成長に欠かせない「三大要素」と呼ばれ、肥料として与えることで葉・実・茎・根を強く健康に育てます。
固形肥料
固形肥料とは、粉状・粒状・錠剤など、固形で使用する肥料の総称です。そのなかでも、さらに3つの種類に分かれます。
- カリウム肥料
- 化成肥料
- 有機肥料
実や花の健全な成長に欠かせない、カリウム肥料。窒素・リン酸・カリウムの三大要素に並ぶ重要な要素であるカルシウムが含まれ、元肥にも追肥としても使えて便利なのが、化成肥料になります。
有機肥料とは、鳥糞や魚粉などの有機物でつくられるもので、元肥として加えることでミニトマトがゆっくりと栄養を吸収できるのが特長です。
液体肥料
液体肥料とは、その名の通り液体状になっている肥料で、液肥ともよばれます。土にかけるだけで使える手軽さに加え、比較的即効性が高いことから、効果をすぐに実感できるのも液体肥料の大きな特徴です。
また、液肥をスプレーボトルに入れて葉に散布する方法も。葉から直接肥料の成分を吸収でき、即効性がよりアップするメリットがあります。
液体肥料として代表的なのが「ハイポネックス」です。
ミニトマトはもちろん、ほかの野菜や花にも使用可能なため、家庭菜園やガーデニングを楽しむときは、1本持っておくと活躍すること間違いなしですよ。
トマト専用の肥料ってある?糖度を上げるには?
トマトの糖度を上げるための専用の肥料というものは販売されていません。トマトの糖度を上げるためにもっとも大切なのは、肥料ではなく太陽の光と水分管理です。
トマトは光合成することによって、実に糖分を蓄えます。その後、収穫前に与える水分量を減らすことで、実のなかに糖分をたっぷり溜め込んだ甘いトマトが完成するといわれているんです。
糖度の高いトマトをつくりたいなら、肥料だけに頼らず太陽光と水分量の調節に力をいれましょう。
ミニトマトに肥料を与える流れ
ミニトマトの栽培で肥料を与えるタイミングは、元肥と追肥の2つがあります。それぞれ肥料の与え方が異なるので、ミニトマト栽培を始める前に確認しておきましょう。
元肥
元肥とは、トマトを植え込むまえの土壌に混ぜ込んでおく肥料のことです。苗の状態にあるトマトは、まだ小さく弱いので、土壌に元肥を加えることで苗の生育を促進させます。
元肥には、長く継続的に効果を与えられるタイプの肥料を使うのが一般的です。微生物の分解によって少しずつ成分が溶け出す、有機質肥料などを使うと良いでしょう。
元肥を土壌に施肥するのは、苗を植え付ける約3週間前がおすすめ。しっかり肥料を混ぜ込み、しばらく寝かせることで、成分が全体へ行き渡りトマトが栄養を吸収しやすい培養土が完成します。
追肥
追肥とは、トマトの生育途中に肥料を追加する作業のことです。肥料の効果は永久ではありません。肥料の効果が途切れる時期に追肥をすることにより、持続的にトマトが栄養を吸収できるんです。
追肥に使用されるのは、即効性の高さが特長の2つ。
- 液体肥料
- 化成肥料
液体肥料と化成肥料は、効果に即効性があるのがポイントです。半月〜1ヶ月の間隔で1度は追肥を与えることによって、ミニトマトはスクスク元気に育っていくでしょう。
栽培方法別!おすすめの肥料のやり方
一口にミニトマト栽培といっても、いろいろな栽培方法がありますよね。
栽培方法によって肥料のやり方は異なるので、ここではプランター・ポット、水耕栽培、家庭菜園ごとのおすすめの肥料のやり方をご説明します。
プランター・ポット
ミニトマトは基本的に広さを必要とせず、ベランダや庭先に設置したプランターやポットと園芸用土があれば栽培可能です。
<プランター・ポットでの肥料のやり方手順>
- 園芸用土に苦土石灰を混ぜ1週間寝かせる
- 堆肥と緩効性化成肥料を配合し1週間寝かせる
- トマト苗を植え付け、支柱を立てる
- 果実がピンポン玉くらいになったら追肥する
- 3段目・5段目など奇数段の花が咲いたら随時追肥する
水耕栽培
土を使わず植物の根を直接水に浸ける栽培方法を、水耕栽培といいます。水耕栽培は土を使わないため、室内でも部屋を汚さずに手軽に栽培を楽しめると初心者にも人気の育て方です。
<水耕栽培での肥料のやり方手順>
- ペットボトルを上から3分の1の部分でカットし、飲み口を逆さにして差す
- トマトを差し込み、根が隠れるまで液体肥料を溶かした水を入れる
- 日当たりの良い場所に置き、水は毎日交換する
- 葉や茎に元気がなくなったら追肥する
家庭菜園
家庭菜園でトマトの栽培をするときは、庭に苗を地植えする方法が一般的です。庭の土に元肥を入れ、苗を植えて育てます。
<家庭菜園での肥料のやり方>
- 園芸用土に苦土石灰を混ぜ1週間寝かせる
- 堆肥・遅効性化成肥料・リン酸質肥料を配合し1週間寝かせる
- トマト苗を植え付け、支柱を立てる
- 果実がピンポン玉サイズになったら追肥する
- 3段目・5段目など奇数段の花が咲いたら随時追肥する
肥料過不足のサイン
肥料は与えるタイミングを間違えると、病気や枯れの原因になってしまうので注意が必要です。
最後に、肥料が足りないときと、過多状態のときにトマトにあらわれる症状と対処法をご紹介するので、予防・対策に役立ててください。
肥料不足のサイン
<トマトが栄養不足のときにみられるトマトの特徴>
- 葉がY字形に上を向く
- 茎が細く葉色が黄色っぽい
上記の症状がみられたら、トマトが栄養不足・水不足であると考えられます。急いで追肥や水やりを行ってください。
肥料過多のサイン
<栄養過多のときにみられるトマトの特徴>
- 茎が1.5cm以上の太さになる
- 葉の表面がデコボコし、内側に丸まっている
- 節の間が狭くつまっている
上記のようなトマトは、栄養をとりすぎている状態だと考えられます。有効的な対処法は、あえて芽かきを行わずに栄養を分散させる方法です。
肥料が適度なサイン
<栄養が適度なときにみられるトマト特徴>
- 茎の太さは約1cm
- 葉は若干下を向いている
トマトが上記のような状態なら、生育は成功しているといえます。病害虫などにかからないよう、この状態をキープしましょう。
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まとめ
ミニトマトの栽培は、ただ肥料を与えれば良いわけではありません。元肥にはゆっくり効果が出る緩効性の有機性肥料、追肥には即効性のある液体肥料など、使い分けることが重要です。
トマトが出すサインを見ながら適切な肥料を与え、トマトを栽培する暮らしを楽しんでください。