野菜の苗を作って植えたけど、枯れてしまうという経験はないでしょうか?下葉が黄色くなって、茎の部分が細くくびれてしまい枯れてしまうなど、そんな時は、「苗立ち枯れ病」の可能性があります。
今回は、そんな「苗立ち枯れ病」の発生の原因と対処法について紹介して行きます。
苗立ち枯れ病の原因
立ち枯れ病の原因は、糸状菌(カビの一種)が土の中にある事です。多湿を好みマイナス5℃~30℃で生育しています。病原菌が、収穫後も土の中に残って冬を越し、暖かくなって来ると繁殖を始めて、雨などで畑全体に広がって行きます。種にも付着するので、そのような種を使うと、その植物で、再繁殖をはじめてしまいます。
発生しやすい時期
立ち枯れ病は、湿度を好みます。気温が低い時期には活動は見られませんが、4月頃から11月頃の特に梅雨時など、多湿条件の時期に発生が多くなります。
発生しやすい植物
立ち枯れ病は野菜だけでなく、草花や観葉植物などほぼすべての植物で発生する可能性があります。
野菜 | サツマイモ、ホウレンソウ、エンドウ、ハーブなど |
草花 | アスター、インパチェンス、カーネーション、ケイトウ、コスモス、ヒマワリなど |
発生を予防する方法
- 種まきの際は、有機物が少ない用土を使う。
- 播種床土の水は、過剰に与えない。
- 連作を避ける。
- 窒素肥料が過剰にならないようにする。
- 間引きを行うや、葉が混み合わないようにする。
- コンパニオンプランツとして、ネギを混植する。カリ不足の改善。
発生した場合の対策
立ち枯れ病が発生してしまうと、発生した苗は元に戻る事はありません。
発生を見つけたら、その株自体を根の周りの土と一緒に掘り上げて焼却します。畑全体に発生している状態であれば、薬剤での防除をするしか方法はありません。太陽熱で、7月~8月の暑い時期に黒のポリ袋などに入れて熱消毒をする方法もあります。
まとめ
発生するとやっかいな「苗立ち枯れ病」ですが、しっかりと対策をすれば、防ぐ事が出来ます。
畑の土づくりをしっかり行い、水はけが良く、多湿にならない環境を作る事、また、酸性土壌になると発生する可能性が上がる為、石灰などでの酸度調整も必要です。また、窒素肥料が過剰にならないようにし、連作も避けるようにしましょう。
発生したらそのまま放置せず、焼却処分する事も忘れずにお願いします。