マンションのベランダでゴーヤを栽培したい!けれど、何が必要なのかわからない…という人はいませんか?
ゴーヤのベランダ栽培には、ガーデニングの地植えで野菜を育てるのとは違った道具が必要になります。
今回は、準備するものから育て方まで、ゴーヤ栽培の基本をご紹介します。園芸初心者にもわかりやすく解説しますので、ベランダで美味しいゴーヤを育てましょう。
目次
ゴーヤのベランダ栽培ならプランター
ベランダでゴーヤを育てるなら、プランターが必要不可欠です。ゴーヤはウリ科植物のため、根を浅く広く伸ばします。
プランターでも問題なく栽培できるので、ぜひ作ってみてください。
ゴーヤの主な品種
ゴーヤのなかでも人気の品種を、3種ご紹介します。
- 沖縄あばしゴーヤ
- 百成レイシ2号
- しろくまゴーヤ
スーパーで見かけるオーソドックスな品種が、沖縄あばしゴーヤです。ゴーヤ特有の深緑色とずんぐり体型が特徴。広範囲につるを伸ばすため、日除けを目的とした緑のカーテンに活用する人が多いでしょう。果肉が分厚いため、火を通しても味をしっかり楽しめます。
たくさん実を収穫したいなら、百成レイシ2号がおすすめ。成長が早く、株が小さいうちからツルを伸ばしていくので、早い収穫ができます。収穫時期の終わりまで実をつくるため、大量収穫を期待できる品種です。
苦味が苦手な人は、しろくまゴーヤを選ぶとよいでしょう。真っ白い実が特徴で、まろやかな苦味は子どもでも食べやすいと人気を集めています。生で食べても美味しいので、サラダに活躍しますよ。
収穫?緑のカーテン?目的を決める
栽培するゴーヤの品種は、目的で選ぶのがおすすめです。
収穫目的 | グリーンカーテン目的 |
・実がたくさん成る ・まろやかな味 ・実が柔らかい |
・分枝性が高い ・ツルが長く伸びる ・草勢がある |
収穫目的でゴーヤを栽培するなら、実に重点をおくとよいでしょう。品種によって苦味や実の柔らかさが異なるので、自分好みの味となる品種を選んでください。
一方、エコながらもしっかり日当たり対策になる、グリーンカーテンをつくるのが目的なら、実よりも枝やツルの伸び方に注目しましょう。
たくさん枝が伸び、隙間なく生い茂るタイプの品種でなければ、グリーンカーテンとして役に立ちません。
準備するもの
ゴーヤ栽培で必要なものは、以下の7つです。
プランター | 最低60cm(幅)×30cm(奥行き)×30cm(深さ)のサイズが必要 |
培養土 | 元肥が入った野菜用がおすすめ |
鉢底石 | 土壌の排水性をよくするため底に敷き詰める |
肥料 | 生育に必要な栄養を与える |
支柱 | ネットを支えるため必要 |
園芸用ネット | ゴーヤがネットをつたい、ツルを伸ばしていく |
ゴーヤの苗か種子 | ポット苗から育てるか種まきするか選ぶ |
どれも、ベランダでゴーヤを栽培するのに最低限必要なものです。
園芸コーナーなどで購入できるので、まずは必要なものを準備することから始めましょう。
ゴーヤの育て方
続けて、ゴーヤの育て方をご紹介します。初心者でもわかるよう、ゴーヤの育て方を順に解説するので、参考にしてください。
苗の選び方
ゴーヤは種まきして発芽させることも可能ですが、一般的なのはポットに入った苗を植え付ける方法です。
ゴーヤの苗を選ぶときは、以下のポイントに気をつけましょう。
- 新芽が傷んでいない
- 双葉があり、本葉が4本程度出ている
- 葉っぱの色が鮮やかな黄緑色
- 節の間が適度に詰まっている
- 土壌にしっかり根付いている
- 虫がついていない
上記のポイントは、どれも健康で順調に成長している苗の特徴です。一つでも満たしていないと、その苗は生育不良の可能性があります。
健康な苗を選ばないと栽培に失敗することもあるので、苗選びは慎重に行いましょう。
植え付け方
元気な苗を手に入れたら、次は植え付け作業です。今回は、ゴーヤを2つ並べて栽培するときの植え付け方をご紹介します。
<ゴーヤの植え付け手順>
- 鉢底石と培養土を入れたプランターを用意
- 土をほぐし、間隔が20cm以上になるよう、深さ10cmの穴を空ける
- 穴に水をたっぷりかける
- 茎を指の間で挟み、逆さにして苗を優しく取り出す
- 根についた土を少しほぐす(取り切る必要はない)
- 土がついたまま苗を穴に入れ、ギュッと押しながら土をかける
- 水をたっぷり与える
支柱立てとネット張り
ゴーヤはツルを這わせて上に伸びていくように成長するため、栽培には支柱とネットが欠かせません。支柱は、植え付けた苗が倒れないようにすぐ横に挿し固定するのがコツです。
ネットは、きゅうりやゴーヤなどのウリ科の野菜用として販売されているものを選んでください。
苗の近くに設置することで、ゴーヤがツルを伸ばし始めたら自然にネットへ誘引されます。
摘芯
摘芯とは、作物の若い先端部分をカットすることで、栄養が偏ることを避ける作業です。栄養が株全体に広がるため、健康な実がたくさん成るでしょう。
また、横に伸びようとする芽の摘芯を繰り返すと、ゴーヤは上へ伸びます。上に向けて張ったネットを覆い尽くすようにきれいなグリーンカーテンが完成すること間違いなしです。
水やり
夏が成長最盛期となるゴーヤは、水やりが重要です。気温が高いと、ゴーヤは葉っぱから水分を蒸発させて温度を下げるため、水分不足に陥りやすいといわれています。
乾燥させないよう、土壌表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。
追肥
追肥のタイミングは、植え付けから2週間後です。その後、収穫が終わるまでの間は2週間を目安に追肥してください。
ゴーヤは実に栄養をとられやすいので、肥料切れを起こしやすい作物です。追肥を忘れないようにしましょう。
親ズル・子ズル・孫ズル
ゴーヤには、親ズル・子ズル・孫ズルという3種類のツルがあります。
親ズルの本葉5〜6枚のあたりを摘芯すると、付け根から子ズルが伸びます。同様に、子ズルも摘芯することで付け根から孫ズルが伸びます。
孫ズルがたくさん伸びた株は全体が生い茂り、健康に育つんです。
夏場の高温対策
夏野菜の代表格でもあるゴーヤですが、高すぎる気温は株を弱らせる原因となります。そのため、高温対策により暑さを和らげる必要があるんです。
ゴーヤの高温対策で効果的なのが、土の表面に藁を敷き詰める方法です。ゴーヤは暑くなると、内部の水分を蒸発させ温度を下げます。
藁を敷き詰めることで、土壌中の水分が蒸発しすぎるのをおさえ、水切れしにくい環境をつくるのが目的です。
高層階のベランダ栽培では人工授粉
マンションの高層階に住んでいると、受粉を助ける虫が寄り付きにくくなるため、ゴーヤは人工的に受粉する必要があります。
人工授粉の方法は、雄花を雌花にこすりつけるだけです。この作業は、花粉がもっとも多いといわれる朝行えば、成功率が高まります。高層階のベランダで栽培する場合は、覚えておくとよいでしょう。
注意したい病害虫対策
<ゴーヤに発生する害虫>
・アブラムシ
・ハダニ
・ハモグリバエ
害虫がつくと、葉っぱが食べられる・栄養を吸われて萎縮するなどの症状があらわれます。殺虫剤やコンパニオンプランツで寄せ付けないよう対策しましょう。
<ゴーヤがかかりやすい病気>
・うどんこ病
・斑点病
葉っぱに白い点やカビが見られたら、うどんこ病が疑われます。輪郭のはっきりした斑点があらわれた場合は、斑点病で間違いないでしょう。
病気対策には、風通しの良い環境をつくり、病気にならないように日々管理することが大切です。
まとめ
ベランダの家庭菜園では、プランター・支柱・ネットなどがあれば、ゴーヤを簡単に育てられます。
成長したゴーヤは、窓を緑で覆い、夏の直射日光を防ぎます。さらに実が収穫できれば、食材として活躍すること間違いなし。
自分が食材のために育てるのか、緑のカーテンにしたいのかによって選ぶべき品種は異なるので、何を目的にするのか決めてから栽培を始めましょう。
この記事も読まれています➡スナップエンドウの摘心はどうやるの?しないとどうなる?