家庭菜園やガーデニングで人気の野菜、ピーマン。プランターなどを使えば自宅のベランダでも簡単に収穫できますが、栽培方法を間違えると枯れてしまうことがあります。
今回は、ピーマンが枯れてしまう原因を中心に、失敗しない育て方をまとめました。
簡単にできる対策もご紹介しますので、ピーマン栽培初心者は要チェックです。
目次
ピーマンが急に枯れるのはなぜ?
順調に育っていたピーマンが突然枯れてしまう場合、必ず原因があります。
最初に、ピーマンが枯れてしまう主な2つの原因を解説しますので、参考にしてください。
植物の病気には主に3つある
ピーマンが枯れる原因としてとくに多いのが、病気に感染したことで発育不良を起こしてしまうものです。
しかし、一口に病気といっても大きく分けて3つに分けられるので、それぞれの特徴を知っておきましょう。
カビ
ピーマンを栽培する土や葉、実などに白い綿のようなものがついていたら、カビによる感染を疑いましょう。
カビとは、糸状菌という菌の一種が胞子を飛ばし感染するものです。野菜がなる病気のなかでも、とくに多いといわれています。
<ピーマンに発生しやすいカビ由来の病気>
- 灰色かび病
- うどんこ病
細菌
植物の気孔や水孔、傷口から内部に侵入し、株を枯らすほどの被害を与えるのが細菌です。
細菌が種子についていたり、栽培前から土壌に潜んでいたりしたことでピーマンが感染することが多いといわれています。
細菌に感染した場合注意すべきなのが、農薬は効果がないということです。そのため、ピーマンを細菌に感染させないように栽培するのが、効果的な方法だといえます。
<ピーマンに発生しやすい細菌由来の病気>
- 青枯病
- 斑点細菌病
ウイルス
ウイルスは、主に虫が媒介者となり広がります。虫の体や足に付着したウイルスが、ピーマンの葉や茎にある傷口や水孔から侵入することで被害を与えるのが特徴です。
細菌同様、ウィルスも農薬が効かないとされています。ウイルスに感染すると効果的な対策がないので、感染しないよう栽培しましょう。
<ピーマンに発生しやすいウイルス由来の病気>
- モザイク病
- 黄化えそウイルス
もしかしたら青枯れ病かも
ピーマンが枯れてしまったとき、非常に多く見られるのが、青枯病です。青枯病菌という細菌に感染することで発症します。
青枯病の発生時期は4〜9月と、ピーマンの栽培適期とピッタリかぶるのが特徴。そのため、ピーマンにはとくに青枯病が発生しやすいんです。
ピーマンの茎が茶〜黒色に変色したら、青枯病を疑いましょう。
青枯病に感染したピーマンは茎が変色し枯れるため、水分吸収をしにくくなり、最終的に株が枯れてしまいます。
青枯れ病の対処法
ピーマンに発生しやすい青枯病ですが、細菌の一種なので、薬剤を使っても効果がありません。
しかし、青枯病に感染した場合でもできる対処法があるので、栽培のコツをご紹介します。
周りの野菜に感染させない
青枯病は、近くに感染した株があるとほかの株も感染します。そのため、周りの野菜に感染させないように注意しましょう。
とくに、トマトやナス、ジャガイモなどのナス科の野菜が感染しやすいといわれています。
青枯病の発生を確認したら、早めに発病株を除去することが大切です。根ごと土壌から引き抜き、焼却処分しましょう。
また、栽培で使用した支柱やスコップの消毒も必須です。そのまま他の野菜を管理するときに使用すると、被害が拡大する可能性が高いといわれています。
よく洗ってから日当たりのよい場所で乾燥させれば、ほかの野菜への感染を防げます。
土の消毒や入れ替えをする
青枯病が発生した土壌には青枯病菌が残るので、連作障害を予防するためにも次の野菜を植え付ける前に必ず、土壌の殺菌消毒と入れ替えをしてください。
土の消毒・入れ替えをしないでほかの野菜を栽培すると、ほぼ間違いなく青枯病に感染します。
青枯れ病にかかりにくくする対策
前述したように、青枯病に農薬は効かないため、もっとも効果的な対処法は感染させないことです。
ここでは、青枯病にかかりにくくする対策をまとめました。
夏場は涼しい時間帯に水やりをする
青枯病は、高温環境で発生しやすいといわれています。そのため、温度が高い夏場はとくに注意が必要です。
気温がもっとも高くなる日中に水やりすると、土壌中の水が太陽光で熱せられ、高温多湿になってしまいます。
土のなかが高温になるこの状態は、青枯病にとって好都合です。夏場の水やりは、気温が低くなる朝や夕方などの涼しい時間帯にしましょう。
水はけをよくする
水はけのよい土で栽培するのも、青枯病の発生をおさえるうえで大切なポイントです。
青枯病は、湿度が高い環境を好むとされています。そのため、青枯病を防ぎたいときは風通しのよい場所で、土壌の排水性に注意しましょう。
畝を高くすることは、排水性を向上するのに有効です。ほかにも、堆肥を混ぜて土壌改良するなど、水はけをアップする方法があります。
ピーマン栽培で気をつけたい病気
ピーマン栽培では、青枯病以外にも気をつけるべき病気があります。
最後に主な5つの病気をご紹介しますので、栽培前にチェックしておきましょう。
病気について知っておくことで、ピーマンが枯れてしまう可能性がグッと減ること間違いなしです。
斑点病
ピーマンの葉に暗褐色や灰白色の斑点が見られたら、斑点病に感染した可能性が高いでしょう。
感染初期は下のほうの葉に集中しますが、被害が拡大すると株全体に病変が発生するのが特徴です。
うどんこ病
ピーマンの葉裏が、うどんの粉をまいたように白くなっていたら、まず疑われるのがうどんこ病です。
表面には黄色い斑点が現れ、全体に広がると葉が落ちて生育不良を起こします。
菌核病
花弁や果実、茎や葉など、場所を選ばず症状が現れるのが、菌核病の特徴です。
湿度が高い環境だと綿ぼこりのようなカビが発生するので、日当たりと風通しが良い場所で管理しましょう。
黒枯病
境界のはっきりした輪紋状の斑点がピーマンの葉に発生したら、黒枯病に感染したと考えて間違いないでしょう。
症状が進むと、葉の葉脈に沿って病変が広がっていき、徐々に葉が縮れていきます。
モザイク病
葉の表面にモザイク柄の病変が現れ、葉の先端が細くなって萎縮していくのが、モザイク病の症状です。葉は光合成できなくなり、最終的に株が弱り枯れてしまいます。
アブラムシなどの昆虫がモザイク病に感染した植物を吸汁し、その口でほかの野菜の葉などを吸汁することで媒介する病気です。
まとめ
ピーマンが枯れる原因は、病気による被害が圧倒的に多いといわれています。
ピーマンを枯らす原因となる主な病気は、以下の6種類です。
- 青枯病
- 斑点病
- うどんこ病
- 菌核病
- 黒枯病
- モザイク病
病気が発生したら対処するのは難しいので、発生させないことが大切です。土の消毒や排水性のアップなど、栽培方法に注意すれば病気にかかりにくい健康なピーマンを手作りできます。
今回紹介した方法を参考に、ピーマン栽培を楽しんでください。