春になると家庭菜園に欠かせない「野菜苗」が、店頭にお目見えしてきます。今年は、「種」からチャレンジしたいとお考えの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、種から育てる為に必要な発芽の条件、また成功させるコツについてご紹介します。
目次
種からはじめるメリットは?
メリットとしては、苗を購入して育てるより、安くなること。苗1鉢分の値段で、種ならたくさんの苗を作る事ができますね。一度に播かなくても、ずらして播く事で、収穫の幅も広がる事もあります。また種からの成長を間近で見られるので、愛着がわくのも楽しみの一つですね。
種からはじめる時の注意点!
まず種を購入したら、種のパッケージに書いてある「栽培カレンダー」で播き時を確認してください。そして、記載されている適期を守って種を播きます。また、袋から出したら、すぐに播くようにしましょう。種は、温度変化や湿度を嫌います。
そして、種の発芽に必要な三要素があります。「水」「温度」「空気(酸素)」です。この3つの要素が全て必要となります。種に十分な「水」を与えること、野菜ごとに最適な「発芽温度」を確保すること、種を播いた後、常に湿った状態にならず、「酸素」が行き届くための水はけと保水力を持った「土」を使用することです。
種まき成功のコツ
播き時の温度を確認する。
トマトの場合であれば、発芽適温は20~30度です。発芽に必要な温度が保たれているか確認して下さい。種袋にも記載されているので、確認しましょう。
温度が低い時期の播く時は、電動ヒーターなどを使用する場合もあります。
光を好む種子か嫌う種子か確認する。
種には光を好む「好光性種子」と、光によって発芽が抑制される「嫌光性種子」があります。
- 好光性種子・・・レタス、キャベツ、ニンジン、小松菜、カブ、シソなど
微粒種子の多くが、好光性種子にあたります。種を播いて土を厚くかけてしまうと光が足らず発芽しないため、土の上に種を播いて鎮圧する(踏みつける)と、成功しやすくなります。
- 嫌光性種子・・・ダイコン、ネギ、ナス、トマトなど
嫌光性種子は、反対に光により発芽が抑制されてしまう種子です。種まきの際は、種の2倍~3倍の深さになるように土をかぶせます。種を播き時の深さですが、小さい種から大きい種まで様々です。基本としては、0.5cm~1cmと言われています。
好光性種子・嫌光性種子以外の中間性種子は、これを目安として播いて下さい。
適切な水やり
種を発芽させるには、もちろん「水」も重要です。水を与える事で、眠っている種が動き出します。一度種が発芽に向けて動き出すと、水を切らさないようにしましょう。
発芽するまでは、播いた床の表面の土が湿っていることが大切です。乾いた状態になると発芽前に枯れてしまいます。基本的には、毎朝1回の水やりを行います。
しかし、水の与えすぎも禁物です。常に湿った状態では、土に酸素が入らず、種が腐敗してしまいます。種まきに使う場合は、水はけの良い土を使用する事も重要なポイントになります。水を毎日与えているのに発芽しないと言う場合、このケースが考えられます。
種の播き方
種の播き方は、大きく「すじまき」「点まき」「ばらまき」に分かれます。
- すじまき
土の上をなぞり筋をつけるか、支柱などで地面に溝を作ります。その溝に等間隔で種を播いて行きます。レタス、カブ、キャベツなどが、すじまきになります。だいたい1cm間隔で、均等に、1粒ずつ播いていき、軽く土をかけ、表面を抑えて土となじませます。
- 点まき
種を数粒ずつ、等間隔に播くことです。握りこぶし程のくぼみを作り、数粒ずつ播きます。その後、土をかけます。とうもろこしやインゲン、タマネギ、ダイコンなどを播くときは、この方法です。
- ばらまき
土の上に直接種をばらまく播き方で、発芽に光が必要な植物の場合は、直接種を土の上にばらまくだけです。光が必要でない植物は、他の播き方と同じように土をかぶせ、水を与えます。二十日大根、シュンギク、ホウレンソウ、ニンジンなどです。
まとめ
種のタイプと野菜の種類によって適切な条件で播く事が重要です。「水」「温度」「空気(酸素)」に注意して、その野菜に向いた播き方を行いましょう。