家庭菜園でカボチャを作るなら、空中栽培がおすすめです。しかし、空中栽培はあまりポピュラーではないため、栽培方法がわからないという人も多いでしょう。
そこで今回は、カボチャの空中栽培についてご紹介します。
株どうしの間隔や摘心の方法、おすすめの品種など、栽培のポイントをまとめましたので、参考にしてください。
目次
カボチャの空中栽培って?
最初に、カボチャの空中栽培とはどんなものなのかご紹介します。
地這い栽培との収穫量の違いや、おすすめの品種をまとめました。
地這い栽培と空中栽培の収穫量の違い
カボチャの地這い栽培と空中栽培の基本的な違いは、以下になります。
地這い栽培 | 空中栽培 | |
栽培方法 | ツルが地面を這うように育てる | 支柱やネットを使い、立体的にツルを伸ばしていく |
収穫量 | 多い | 少ない |
メリット | つるの誘引が必要ないため、管理が簡単 | カボチャが地面につかないため、きれいな実が収穫できる |
空中栽培なら狭いスペースでもOK
ベランダなどの狭いスペースでカボチャを栽培するなら、空中栽培がおすすめ。
空中栽培の場合、支柱やネットにツルが絡むように成長するため、狭いスペースでも十分な大きさに育てられるんです。
空中栽培はミニ品種がおすすめ
空中栽培に向いているのは、ミニサイズの果実がなる品種です。
<坊ちゃん>
重さは約500gで、手のひらサイズのミニカボチャです。
ホクホクした栗のような食感で、甘みも強いのが特徴。中身をくり抜き、器として使われることもあります。
<栗坊>
名前のとおり、栗のようにホクホクした食感が特徴の品種です。
水洗いしたあと丸ごとラップで包み、電子レンジ5〜8分温めれば、手軽に食べられます。
<プッチィーニ>
皮が黄色いタイプのカボチャで、重さは200〜300gと、かなり小さめです。
糖度の高い実は、スープやサラダにぴったり。料理の彩りとして活躍するので、試しに一度栽培してみてください。
カボチャの空中栽培のやり方
続いては、カボチャの空中栽培における、栽培手順をご紹介します。
土づくりから支柱立て、人工授粉のやりかたなどをまとめましたので、栽培前にチェックしておきましょう。
土づくり
カボチャ栽培で使用する土は、水はけがよく元肥や堆肥がたっぷり含まれたものを選びましょう。
カボチャは乾燥した状態を好むため、排水性はとくに注意するべきポイントです。
苗の植え付け2週間前には用土に苦土石灰を、1週間前になったら堆肥や化成肥料、リンなどを加えてふかふかの土をつくりましょう。
菜園やプランターに、肥料を混ぜ込んだ土をいれてカボチャを栽培すれば、立派なカボチャが完成します。
プランター栽培の場合、深さ50cm以上のものを用意してください。
カボチャは地中深くまで根を伸ばす野菜なので、プランターが浅すぎると根づまりを起こしてしまう可能性があるためです。
植え付け
カボチャ苗の本葉が4枚ほどになったら、培養土に定植します。
カボチャ栽培では、真ん中が10〜20cmほどの高さになるように培養土を盛るため、一番高い部分に苗を植え付けてください。
<カボチャ苗の植え付け手順>
- 土に育苗ポットより一回り大きな穴を堀る
- ポットから苗を取り出し、根のまわりについた土を優しく崩す
- 穴に苗をいれ、土をかける
- 苗の周りに水が溜まるよう、深さ1cmほどの溝を掘る
支柱立て
カボチャの空中栽培では、支柱とネットは必須アイテムです。
カボチャは支柱とネットにつるが絡みながら成長するので、植え付けたときに支柱も立てておきましょう。
<支柱を立てるときのポイント>
- アーチ状になるよう、雨よけ支柱やアーチ支柱を3本以上立てる
- 支柱の間隔は約30cm
- 支柱と支柱の間に園芸用ネットを張る
- 支柱の強度を上げるため、側面に横向きの支柱を取り付ける
摘芯・整枝・誘引
カボチャを空中栽培する場合、日頃から摘芯・製枝・誘引などの管理を怠らないように仕立ててください。
- 摘芯:成長した枝の先端をカットすることで、すぐ下にある節のわき芽を生えやすくする作業
- 整枝:不要なわき芽をカットしたり枝の先端を摘み取ったりする作業
- 誘引:伸びてきたつるを支柱やネットに結びつける作業
摘芯・整枝は、茎やつるをカットすることでカボチャの成長を促します。カットしたら成長を止めてしまうと感じるかもしれませんが、大丈夫です。
つるや茎を放っておくと偏って成長してしまうこともあるため、バランスよく伸びるように誘引作業も忘れないようにしましょう。
人工授粉
カボチャは基本的に、人間が手を出さなくても風や虫の力を借りて自然に受粉する植物です。
しかし、稀に受粉せずに生育が止まってしまうことがあるため、人工授粉するほうが間違いありません。
<人工授粉の手順>
- 雌花が開花したら、雄花を摘み取る
- 雄花の花びらを取り除き、雄しべを雌しべにこすりつける
受粉作業は、植物が花粉をもっとも多く出すといわれる朝9時頃に行うのがおすすめです。
追肥
カボチャに追肥するタイミングは、実が成長しピンポン玉くらいの大きさになったときです。
面積1㎡あたり40gの割合で、化成肥料をまきます。1回目の追肥以降は、収穫するまで2週間を目安に追肥を繰り返してください。
つり玉
つり玉とは、カボチャの実が重みで落ちないように、布やネットなどで支えることをいいます。
布やネットで実を包み、茎に結んでおけば実が落ちることはありません。成長した実が落ちて割れることがないよう、つり玉は必ずしておきましょう。
収穫したカボチャを追熟させる
カボチャは、収穫してすぐよりもしばらく置いてから食べるほうがよいでしょう。これは追熟といって、カボチャに含まれるデンプンが糖分に変わることで、甘みをアップさせる作業です。
追熟の期間は、一般的に2週間〜1ヶ月ほど。収穫したカボチャを、風通しがよく日の当たらない涼しい場所で保管します。
ヘタを見て、しっかり乾いていたら食べてみてください。
まとめ
カボチャを空中栽培で育てれば、スペースの少ない家庭菜園やベランダでも栽培を楽しめます。
空中栽培の場合、果実が大きくなりにくいミニ品種がおすすめ。「坊ちゃん」や「プッチィーニ」など、小さくて甘みの強い品種があるので、栽培してみてください。
カボチャ栽培では、摘芯・整枝・誘引のほか、追肥やつり玉も重要な作業です。毎日少しずつお世話するだけでも栽培できるので、管理を怠らないようにしましょう。
手作りカボチャを使えば、毎日の料理がさらにグレードアップしますよ。
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