家庭菜園で唐辛子を育てていて、青唐辛子が赤唐辛子にならなかったという経験はありませんか?
赤唐辛子にしたかったのに、青唐辛子のまま色が変わらないと残念な気持ちになりますよね。
栽培過程で赤唐辛子にするのが難しい場合、青唐辛子の状態で収穫してから乾燥させることで、赤唐辛子へと変化させられるのでしょうか?
今回は、収穫した青唐辛子を赤唐辛子に変える乾燥方法を解説します。
目次
青唐辛子は乾燥方法によって赤唐辛子になる?
まずは唐辛子の育て方をおさらいします。
- 種まき:2月半ば〜4月末
- 開花:6月〜10月
- 収穫:7月〜10月末
唐辛子の種まきから収穫までの栽培スケジュールは2月半ば〜10月末までです。6月頃には花が咲き、7月頃には青唐辛子を収穫できます。
青唐辛子の時に収穫せず、時間をかけて熟成させると9月〜10月頃には赤く色づき始め、やがて鮮やかな赤唐辛子に変化します。
しかし、青唐辛子から色が変わらず、赤唐辛子にならなかったという人も多いようです。手塩にかけて育てたのに、期待したものが収穫できないのは残念ですよね。
赤唐辛子にならなかった理由はなぜなのでしょうか。
唐辛子が赤くならない理由
赤唐辛子にならない理由は、栽培方法に問題があります。
- 肥料不足:水だけで肥料(有機肥料が望ましい)を与えていない。
- 温度不足:栽培環境の気温が低いと、生育不良で秋になっても赤くならない。
以上の2つが大きな理由です。
栽培過程で温度が低いまま育ってしまったり、栄養が不足したまま育ってしまうと、青唐辛子のままで終わってしまい、赤唐辛子には変化しません。唐辛子の「カプサンチン」という成分が影響しているためです。
カプサンチンは赤色色素成分で、唐辛子の持つ緑色色素成分(クロロフィル)が「日光」によって分解されて、カプサンチンが作られます。
カプサンチンが増える事で段々と赤く色づいていくということですが、栽培過程で日照不足だった場合は、生育不良で赤色になりにくいようです。
しかし、栽培時期も終盤で季節は晩秋を迎える頃になっても、諦めるのはまだ早いかもしれません。
なんとか青唐辛子を赤唐辛子に変える方法はないでしょうか。
唐辛子を青いまま収穫し、乾燥させると赤唐辛子になる?
青唐辛子のまま収穫して、乾燥させた場合、以下のような状態になります。
- 赤色にはならず、オレンジ色になる。
- 茶色っぽい枯れた色になる。
秋から冬にかけての気温がさほど高くない時期に青唐辛子を乾燥させても赤色にはなりません。
では、気温が高いとどうでしょうか。まだ気温が高めの9月初旬頃に青唐辛子を収穫して乾燥させます。
唐辛子の乾燥方法と手順
- 干し網またはザルを用意し、収穫した青唐辛子を重ならないように並べて風通しのよい場所で乾燥させる。屋外でも良いが、雨が当たらない場所を推奨します。
※重なった部分は乾燥しにくいので重ならないように対処して下さい。 - 日が落ちたら室内に取り込む。
こちらの手順で乾燥させれば5日間ほど経つと赤く色づき、10日間ほど経てばほとんどが赤色に変化します。
青唐辛子を赤くする要素
青唐辛子の状態で収穫しても、以下の2点に気をつければ、赤唐辛子へ変化させることができます。
- 高い気温
- 乾燥方法
残念ながら、晩秋の時期に青唐辛子を乾燥させても気温が足りません。その時期になってから乾燥させてもオレンジ色や茶色っぽい色にはなりますが、赤色にはならないのです。
結論として、青唐辛子を赤唐辛子にするのに必要な要素はこちらです。
- 気温
- 栄養状態
以上の2点に注意して、栽培過程から意識して育てる必要があります。唐辛子栽培において、青唐辛子も赤唐辛子も両方楽しみたいという方は、青唐辛子がなったのだから、いつかは赤くなると安心していてはいけませんね。
温度や栄養に気をつけて栽培を続けるようにしてください。
唐辛子を乾燥させてカビを発生させない乾燥方法2選
唐辛子は生で食べても美味しいですが、上手に保存して長い期間楽しみたいですね。
唐辛子の保存方法で最もポピュラーなのは「乾燥保存」です。たくさん収穫できた唐辛子を乾燥させて保存しておけば、半年〜1年は美味しく食べることができます。
乾燥保存して長く楽しみたいところですが、正しい乾燥方法はどうすればよいのか、ご存知でしょうか。正しく乾燥させないと唐辛子にカビがはえてしまうことがあるので、注意が必要です。
今回は、収穫した唐辛子の乾燥方法をわかりやすく解説します。
乾燥保存に失敗すると唐辛子にカビがはえる
唐辛子を乾燥して保存し、食べようと切ってみたら中にカビが生えていたということがあります。
カビが生えてしまうと唐辛子の辛味や風味も損なわれますし、何より身体に良くないので、食べたいという気持ちは無くなってしまいますよね。ではなぜ乾燥させたのにカビがはえてしまうのでしょうか。
カビがはえる原因は、乾燥が不足している
カビがはえてしまう原因は乾燥が足りないからです。多少乾いたからといって、すぐに取り込んで保存してしまうと、使う時に確認したらカビがはえていたということが起こります。
カビの生命の源は水分・湿度です。カビは湿り気のある場所や部位を好んでどんどん繁殖してしまう菌なので、水分を完全になくさないといけません。
カビをはやさずに長期保存するには、乾物等に代表される保存食品のようにこれでもかというくらい水分を抜き、しっかり乾燥させる必要があります。乾燥期間は数週間〜1ヶ月が目安ですので、しっかりと時間をかけて水分を抜いていきます。
唐辛子はしっかりと乾燥させて、冷暗所などの適温の場所で保存しておけば、1年程度は保存ができ、長い期間食べられます。適切な乾燥方法で、じっくり乾燥させてください。
唐辛子を室内で乾燥する時のポイント
室内での乾燥であれば、天気を気にしないで済むので、気が楽です。手軽で簡単にできそうな室内干しの方法を紹介します。
- 枝ごと収穫した唐辛子:葉をきれいに取り除き、2〜3本でまとめて縛ります。
なるべく重ならないように逆さに吊って風通しのよい場所で干しましょう。
実で収穫した唐辛子:ザルに間隔をあけて重ならないように並べます。
※重なった部分は乾燥しにくいので重ならないように対処して下さい。 - 直射日光の当たらない日陰で乾燥させます。
※へたの部分は厚みがあるので、乾燥するのに時間差が出るので注意です。 - 様子を見ながら数日〜数週間放置します。
- 唐辛子の表面にシワができて、振ると中の種が転がるか確認します。
- 簡単に割れるくらい乾いたら完成です。
- 瓶やジップロックに乾燥剤(100均などで売ってます)を入れて保存します。
ポイントは、実が均等に乾くように日陰で乾燥させることです。風通しのよい日陰の場所で、じっくり乾燥させるのがよいでしょう。
唐辛子を屋外で乾燥する時も日陰がポイント
室内での乾燥と方法はほとんど同じですが、注意するポイントがあります。
- 外で干す際は直射日光を当てないようにします。直射日光を当てて乾燥させると白く変色することがあるので注意しましょう。白くなると唐辛子の風味が落ちてしまい、美味しくありません。
- 日が落ちたら室内に取り込む。夜中に雨が降って濡れるのを防ぎます。
直射日光を当てずに乾燥させる点に注意して下さい。
唐辛子を電子レンジで乾燥する方法
自然乾燥は、注意するポイントを抑えておけば難しくはないですが、水分を抜くのに数日〜数週間以上時間がかかるというデメリットがあります。では、もっと時短ができて、簡単に乾燥させられる方法の方法はないでしょうか。
今回は電子レンジを使った乾燥方法を紹介します。
- 唐辛子を重ならないように、お皿の上に並べます。
- 電子レンジで加熱します。
- 30秒加熱したら数分冷まして様子をみるという作業を何度か繰り返します。
- 唐辛子が乾いたら、振った時に中の種がカラカラと転がる音がするか確認します。
- 簡単に割れるくらい乾いていたら完成です。
- 瓶やジップロックに乾燥剤(100均などで売ってます)を入れて保存します。
電子レンジで加熱して冷ます作業を繰り返すので根気がいりますが、自然乾燥よりも圧倒的に早く乾燥するのでオススメです。
また、電子レンジではなくオーブンを使ったり、フライパンで炒ったりするのはオススメしません。理由は、外から熱を加えるため表面から火が入るので、焦げやすくなるというデメリットがあるからです。
電子レンジも熱を加える機械ですが、電子レンジはマイクロ波で中から熱を加えるので、焦げる心配は少ないです。
自然乾燥ではなく意図的に乾燥させる方法としては、電子レンジがオススメです。ただ、焦げる心配が少ないだけであって、電子レンジも加熱し過ぎれば当然焦げます。
したがって、短い時間加熱してみて、都度唐辛子の状態を確認しながら乾燥させて下さい。
まとめ
今回は、赤唐辛子を栽培したい方に向けて、唐辛子が赤くなる要素を説明しました。また、唐辛子を長期保存するための乾燥方法も紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
唐辛子を赤くするための2つの要素を見ると、栽培過程で「気温」と「栄養」に注意しておく必要があります。じっくり観察しながら育てて下さいね。
また、唐辛子を長期保存するにはしっかりと乾燥させ、カビ対策を徹底しましょう。紹介した方法を実践して頂ければカビ対策ができて、長い期間美味しく唐辛子が食べられるので、ぜひこの記事を役立てて頂けたら幸いです。