料理の薬味はもちろん、彩りとしても役立つ、わけぎ。ヒガンバナ科ネギ属の野菜で、さまざまな料理と相性が良いことから人気を集めています。
わけぎは栽培が簡単なので、初心者におすすめ。今回は、プランターでわけぎをつくるときの栽培のコツや、基本的な育て方をご紹介します。
栽培方法を知って、家庭で美味しいわけぎをつくりましょう。
目次
わけぎのプランター栽培のコツ
わけぎをプランターで栽培するときは、いくつかのコツを覚えておくと失敗が少なくなります。
わけぎをうまく作るコツを紹介するので、とくに初心者は必見です。
わけぎの特長や性質
わけぎは、ネギと間違われやすいですが、ネギではありません。
ネギと玉ねぎを交配させてつくられた品種で、わけぎの場合は根元がふっくらしているのが特徴です。
収穫時期 | 3〜4月、9〜12月 |
置き場所 | 日当たりと風通しが良い場所 |
生育適温 | 15〜20℃ |
草丈 | 25〜30cm |
相性が良いコンパニオンプランツ | ・トマト ・ナス ・キュウリ ・ほうれん草など |
水をやりすぎない
わけぎの水やりは、土の表面が乾いたのを確認したらたっぷり与えましょう。
ただ、毎日水を与えることは、避けてください。水をやりすぎると、根腐れを起こし株が枯れる可能性が高くなってしまいます。
反対に乾燥しすぎると、水分不足によりわけぎの育ちが悪くなるので、注意が必要です。水やりをする際は、土壌の様子をよくチェックしましょう。
追肥をする
わけぎ栽培では、追肥も重要な作業です。苗の植え付け後、大きさが10〜20cmになったのを目安に追肥しましょう。追肥に使用するのは、有機質肥料や液体肥料がおすすめです。
有機質肥料とは、鶏糞や油かすなどの植物性・動物性有機物を原料としてつくる肥料のことをいいます。農薬などを使わずに作物の栽培をしたい人は、有機質肥料を使うとよいでしょう。
液体肥料は、規定量の水で薄めたものを水やりの代わりに株の根元に与えてください。
液体肥料には即効性があるため、早い効果が期待できます。その後は、2週間おきに追肥すれば、収穫まで元気な状態を保てること間違いなしです。
わけぎの育て方
続いて、わけぎの育て方をご紹介します。土づくりから収穫の方法まで、詳しく解説するので、とくに初心者は覚えておきましょう。
土づくり
わけぎ栽培には、野菜用培養土を使うのがおすすめです。野菜用培養土には、元肥や堆肥が含まれているため、誰でもすぐにに栽培がはじめられます。
さらに、野菜用培養土に苦土石灰を加えるのも効果的です。分葱が好む土壌は、ph6.0〜6.5の弱酸性質。苦土石灰を土に加えることで、土壌の性質を弱酸性に整えられます。
苗植えの時期と方法
わけぎは、球根が成長した苗の状態で販売されています。苗を用意したら、プランターに植え付けましょう。
苗を植えるのに適しているのは、8月下旬〜9月上旬の暑い時期です。
<わけぎの苗植え>
- プランターの底に鉢底石を敷き詰める
- 培養土を8分目まで入れる
- 株間は10〜15cm以上あけ、苗の先端が少し出る程度に植え付ける
- 底から流れ出るまで水やりをする
水やり・肥料の時期と方法
植え付け後は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりしてください。前述したように、水やりの方法を間違えるとわけぎが枯れてしまうこともあるので、注意しましょう。
植え付けた苗の葉が10〜20cmになると、培養土に含まれる肥料分が減ってきます。栽培期間を元気に育てられるよう、追肥してください。
また、追肥するタイミングで苗の株元に土を盛る、土寄せという作業もしましょう。土寄せをせずに栽培を続けると、長く伸びた葉が安定せずに倒れてしまう可能性も。
追肥と合わせて作業すれば、土寄せを忘れることはないでしょう。
収穫の時期と方法
わけぎの草丈が20cmほどになったら、収穫可能です。わけぎの収穫は秋と春の2回できるので、この時期になったら株の様子を細かくチェックするようにしましょう。
収穫するときは、わけぎの葉の部分だけをハサミでカットします。このとき、地面から3cmの部分を残すのがポイント。
わけぎは生育力が旺盛なため、少し残しておくことでカット部分から新芽が伸び、続けて収穫できるんです。
わけぎの増やし方(分球)
さらに多くのわけぎを栽培したいと思ったら、わけぎを分球しましょう。
わけぎを栽培していると、最初に1つだった球根が3つ、4つと増えていきます。増えた球根を手で分けることで、それぞれが1つの球根としてまた植え付けられるんです。
1つの球根からたくさん球根が分けられるため、次の年にはさらに多くのわけぎを収穫できますよ。
球根の保存方法
分球したわけぎの球根は、適切に保存しなければ栽培に使うことはできません。
球根の保存手順は以下になります。
- 収穫が終わった球根はすぐに掘り出さず、根元から下を土壌中に残す
- 球根は土壌のなかで栄養を吸収し肥えていく
- 球根は休眠に入り、葉がしおれる
- 枯れたら球根を掘り出す
- 取り出した球根は、ベランダなど風通しの良い日陰で乾燥させる
- 次の夏まで乾燥させながら管理する
わけぎの病害虫
わけぎの栽培では、病気や害虫による被害にも注意が必要です。
わけぎに発生しやすい病害虫と対策をまとめましたので、栽培前にチェックしておきましょう。
わけぎに発生する害虫
害虫名 | 被害内容 | 対策 |
ネギアザミウマ | ・体長1.1〜1.6mm ・葉の表面に寄生し、全体的に白い斑ができる |
・防虫ネットで株を覆う ・殺虫剤を散布 |
ナメクジ | ・新芽を中心に舐めるように食べる | ・発見したら手で捕獲 ・株の横にジュースを入れた深めの容器を置くと、集められる |
ヨトウムシ | ・体長30〜40mm ・土壌中に潜み、夜になると葉の表面を食べる |
・発見したら手で捕獲 ・土壌にまくタイプの殺虫剤も効果的 |
わけぎに発生する病気
病名 | 被害内容 | 対策 |
黒斑病 | 葉に淡褐色〜黒色の楕円形の斑ができる | ・被害にあった葉は全て取り除き、焼却する ・「ダコニール1000」などの農薬で殺菌する |
べと病 | 葉全体に黄白色の病斑が広がる | 発症した葉から胞子を飛ばすので、被害にあった葉は優しく取り除く |
さび病 | 葉表面に鉄がサビたような楕円形の斑が広がる | ・斑ができた葉は取り除く ・アルカリ性を嫌うため、土に石灰を散布する |
まとめ
わけぎは、栽培が簡単なうえに1つの球根で何度も収穫できるため、家庭菜園初心者におすすめの作物です。
水やりと追肥に気をつけ、病害虫対策をすれば、失敗することなく栽培できること間違いなし。
一度使ったわけぎの球根は、分球すれば再度栽培に使えるのもメリットです。簡単で美味しいわけぎを家庭で手作りして、毎日の料理に活用しましょう。
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