こんにちは。農業屋の鳥獣被害対策専門スタッフの防獣バスターズです。電気柵の設置からメッシュフェンスの施工、さらには緊急時の害獣駆除まで、鳥獣被害対策のプロフェッショナルとして、地域の皆様の課題解決に取り組んでいます。
農作物を栽培する方々にとって、猿による被害は深刻な問題ですよね。猿は知能が高く、警戒心も強いため、完全に被害を防ぐことは難しい場合もありますが、適切な対策を講じることで被害を大幅に減らすことが可能です。
この記事では、猿被害を減らすための効果的な対策をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてください。
より詳しい対策についてのご相談は、お気軽に防獣バスターズまでお問い合わせください。
目次
サル被害対策の効果的な方法|物理的バリアから威嚇・駆除まで徹底解説
サルの侵入を防ぐ!物理的なバリアの設置
① 電気柵の設置|サル対策の基本
サルによる農作物被害を防ぐために、最も有効な対策の一つが電気柵の設置です。正しい設置方法を守ることで、効果的にサルの侵入を防ぐことができます。
設置のポイント
- 電気柵の高さは最低2m以上にする。
- 柵の上部に傾斜をつけることで、サルが乗り越えにくくする。
- サルに電気が流れていることを学習させるため、初期はあえて接触させるのも有効。

② サルよけネット|効果的な侵入防止策
細いテグスで作られたサルよけネットは、サルがよじ登ろうとすると手足に絡まり、登るのを防ぎます。
設置のポイント
- 畑全体を囲むように設置すると効果的。ネットの裾を畑の外側に垂らすことで、サルの足が絡まり侵入しにくくなる。

③ 電気柵+金網の組み合わせ|二重の防御策
電気柵と金網フェンスを組み合わせた複合柵を導入することで、サルの侵入をより効果的に防ぐことが可能です。

④ 天井付き防護柵(猿除けハウス)|最強のサル対策
農地全体を金網で覆い、天井をつける方法は、サルの侵入を完全に防ぐ最も確実な手段です。ただし、コストがかかるため、小規模農地や高価な作物向けの対策となります。

音や光を活用してサルを追い払う
① モーションセンサー付きの追い払い装置
サルが近づくと自動で音や光を発する装置を活用すると、効果的に撃退できます。
サルが慣れないように、音の種類やタイミングをランダムに設定することが重要。
② 人の声を録音したスピーカー
サルは人間を警戒するため、スピーカーから録音した人の声を流すことで、侵入を防げることがあります。

視覚的な威嚇でサルを遠ざける
① サルが嫌がる動物の模型
サルは猛禽類(フクロウやタカ)を恐れるため、畑の目立つ場所に模型を設置するのが有効です。
定期的に位置を変えることで、効果を維持できる。
② 反射材を使った威嚇
風で動く反射テープやCDを吊るすことで、サルを寄せ付けない環境を作れます。
サルが寄り付きにくい環境を作る
① 餌場をなくす
畑の周囲に落ちている果物や野菜を早めに回収する。
雑草や木の実を取り除き、サルが寄り付きにくい環境を整える。
② 木の伐採でサルの隠れ場所を減らす
農地周辺の木々を伐採し、サルの隠れ場所をなくす。
③ 柵や電線へのアクセスを遮断
サルが電線や木を伝って侵入しないように、枝を剪定する。
地域全体での取り組みがサル対策のカギ
サルは広範囲を移動するため、地域全体で被害対策を講じることが重要です。
① サル害対策協議会の設立
サルは広範囲を移動するため、地域ぐるみでの対策が被害軽減につながります。
地域住民が情報を共有し、統一した対策を取ることで被害を最小限にできる。
② 自治体の支援を活用
自治体によっては電気柵の設置補助や駆除活動支援が受けられるので、相談してみる。
サルの行動を理解し、効果的な対策を講じる
サルの生態を知ることで、より効果的な対策が可能になります。活動時間や移動ルートを特定し、効果的な場所に対策を施す。
最後の手段:駆除の検討
被害が甚大で他の対策が効果を発揮しない場合、行政の許可を得て捕獲・駆除を検討することもあります。駆除には法令や手続きが厳しく定められているため、必ず自治体や専門家に相談。
サル対策の決定版|電気柵+金網・天井付き防護柵で農作物を守る
サルによる農作物被害を防ぐには、適切なサル対策が不可欠です。特に、知能の高いサルは一般的な電気柵やネットを突破することがあるため、「電気柵+金網」の複合柵や天井付き防護柵を組み合わせることが効果的です。防獣バスターズ推奨のサル対策を詳しく解説します。

サル対策の基本!「電気柵+金網」複合柵の設置方法
サルは知能が高く、通常の電気柵や金網柵単体では突破される可能性があります。そのため、「電気柵+金網」の複合柵を設置することで、より効果的にサルの侵入を防ぐことができます。
なぜ「電気柵+金網」が効果的なのか?
- 電気柵→ サルが接触すると感電し、侵入を諦める。
- 金網(防獣ネット) → 物理的にしがみつきや乗り越えを防ぐ。
- 上部の傾斜構造 → よじ登りを阻止し、突破を防ぐ。
必要な材料
- 電気柵セット(バッテリー式 or 100V電源式)
- 金網(ワイヤーメッシュ柵)高さ1.5m~2m推奨
- 支柱(FRP支柱180~210cm)
設置手順
① 支柱を立てる
支柱を2~3m間隔で設置し、地面に40cm埋め込む。角の支柱は特に強化し、ワイヤーの張力に耐えられるようにする。
② 金網の設置
高さ1.5~2mの金網を固定し、地面との隙間をなくすために埋め込むか杭で固定。
③ 電気柵の設置
支柱の最上部から10cm間隔で3段ステンレス碍子を取り付け高電圧戦をすべての支柱に通して、電気柵本体につなげる。
④ テストと調整
サルの侵入ルートを観察しながらワイヤーの高さを調整。最初は電気を流さずに設置し、数日後に通電開始するとサルが油断し、より効果的に撃退できる。
運用のポイント
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- 定期的なメンテナンス(ワイヤーのたるみ・断線チェック)
- 雑草や落ち葉を除去し、漏電を防ぐ
- バッテリーの充電・交換を忘れずに
最強のサル対策 天井付き防護柵(サル除けハウス)
天井付き防護柵とは?
農地を金網や防獣ネットで完全に囲い、天井をつけた柵のこと。猿は非常に知能が高く、通常の柵や電気柵を簡単に乗り越えてしまいます。
また畑が樹木等で囲まれている場合は木からを利用して柵を超え畑に侵入してしまいます。そのため、天井付き防護柵を設置することで、猿の侵入を物理的に完全に防ぐことが可能です。
特に、高価な作物(果樹や野菜)を守る場合に有効です。

メリット
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- サルだけでなくすべての害獣の侵入を防げる
- 電気柵のようにサルに学習される心配がない
- 長期間使用可能(定期メンテナンス必要)
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デメリット
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- 設置コストが高い(大規模な農地には不向き)
- 農作業時の出入り口の管理が必要
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設置方法
① 支柱を立てる
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- 高さ2.5m以上のメッキパイプを2~3m間隔で埋め込み、しっかり固定する。
- 支柱の埋め込み深さは 最低40cm以上
- 角や扉の部分は 太めの支柱を使い、頑丈にする。
※雪の多い地域では単管パイプなど強度の強いパイプを使用し、別途雪対策用の補強等必要
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② 横パイプ・天井パイプの設置
農地の面積に合わせて横パイプ・天井パイプを組み立てる。
③ 金網・ネットを張る
金網や防獣ネットを針金や結束バンドで固定し、地面との隙間がないように埋め込む or ペグで固定する。
④ 出入り口を設置
農作業用の扉(最低80cm×180cm)を設置。機械を入れる場合はさらに大きめにする。
⑤ 仕上げ・点検
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- 全体の強度チェック(揺さぶられても崩れないか)
- 金網やネットのたるみを調整し、侵入を防ぐ
- 地面との隙間を完全に塞ぐ
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天井付き防護柵の成功ポイント
天井付き防護柵は、初期コストは高めですが、長期間安定した効果を発揮できる対策です。また鳥も含めたすべての害獣に効果があります。果樹園や高価な作物を守るのに最適なので、猿の被害にお悩みの方はぜひ導入を検討してみてください!
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- 高さ2.5m以上で完全封鎖
- 地面との隙間をなくす(埋め込み or ペグ固定)
- 強度のある金網・防獣ネットを使用
- 扉の管理を徹底(閉め忘れ防止)
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畑のサル被害対策は防獣バスターズに!
猿被害を完全に防ぐことは難しいものの、対策を組み合わせて実行することで、被害を大幅に減らすことが可能です。電気柵や視覚的威嚇、音の追い払い装置など、自分の農地に合った方法を試してみてください。
また、地域全体で協力し、持続的な対策を講じることが最も効果的です。
もし具体的な方法や補助金について知りたい場合は、地域の農業協同組合や自治体の窓口に相談してみましょう!