皆さんいかがお過ごしですが?店長の今泉です。
9月も中盤に入ろうとしていますが、毎日まだまだ暑い日が続いています。
先日は台風17号からかわった低気圧と秋雨前線の影響で日本中が大雨による洪水被害が出て大変なことになっていました。
それなのに・・・・・・・・・・ 我が農業屋豊川店のある地域(愛知県東三河南部)では、あの日の日中は全く雨が降っていなかったんです!
日本全国ほとんど大雨が降っていた中ですよ!(まぁ、夜にはある程度まとまって降りましたけどねぇ)(+_+)
水源地(ダム)の上では平地よりも降ったために、ほんの少し貯水率が回復しましたが、まだまだ深刻な水不足が続いています。
東三河地区の皆さんも秋の種まきシーズンに水が少ないのはこたえると思いますが、これからの降雨に期待しつつ、秋の菜園を続けていきましょうね。
前置きが長くなりましたが、本題に入っていきますね!
突然ですが、皆さんはコンパニオンプランツってご存知ですか?
「今更何をいってるの!」「馬鹿にしないで!」とおっしゃられる方も見えると思います。
でも今回はこのコンパニオンプランツについてお話をしますので、ご存知の方はしばらくお付き合いくださいませ。(-_-)
ある種の植物同士をうまく組み合わせて栽培することで、互いの成長に良い影響を与え、病害虫や雑草の被害を減らし、農薬などの使用を抑えることが出来ます。
この相性の良い植物同士のことをコンパニオンプランツ、または共栄作物と呼びます。
特に家庭菜園で農薬や化成肥料を極力 控えたい方には最適なんです。
これからの秋のシーズンに種まき・作付を行う作物のいくつかの組み合わせをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。(^O^)/
だいこん・かぶ × にんじんの組み合わせ
だいこん・かぶにはモンシロチョウ(幼虫はアオムシ)、にんじんにはアゲハチョウが飛んできて産卵をし、幼虫がそれぞれの野菜を食害します。つまりモンシロチョウはアブラナ科植物、アゲハチョウはセリ科植物を餌として繁殖するわけですが、逆の植物(モンシロチョウ⇒セリ科植物、アゲハチョウ⇒アブラナ科植物)では繁殖することができません。
この時、それぞれの昆虫は繁栄の為に、好む植物が集団で生育、栽培されている場所に集まり、飛び回るわけです。
ただ、蝶類の飛び方を観察してみると、ただ飛び回っているわけではなく、子孫が繁栄しやすい植物の株を選んで産卵しているようなのです。
モンシロチョウはその際に近くに食餌植物(主に餌になる植物、この場合はアブラナ科植物)ではないにんじんなどの植物があると避けて飛ぶようになります。
またにんじんの害虫であるアゲハチョウもモンシロチョウと同じような飛翔行動をとります。
この為、だいこん・かぶの近くににんじんが栽培されていると、モンシロチョウとアゲハチョウ両方の飛翔行動が抑制されて、これらの害虫による被害が軽減されるというわけです。
植え付け方は簡単で、だいこん・かぶ一列、にんじん一列を交互に播種すればOK!
間引きの仕方やその後の管理方法は通常の栽培と全く一緒で構いません。
また、かぶは生育が旺盛になると割れの原因となりますが、にんじんと交互に植えることで水分によるストレスが軽減されて割れが少なくなるそうです。(人間も誰かにグチをこぼすことでストレス軽減するみたいなことですかねぇ)
キャベツ・ブロッコリー・小松菜 × レタスの組み合わせ
キャベツ・ブロッコリーを育てようとすると、必ずと言っていいほどアオムシにやられてしまいますよね。
このアオムシはだいこん・かぶ × にんじんの組み合わせでも説明した通り、モンシロチョウの幼虫です。
また、ヨトウガの幼虫であるヨトウムシ、コナガの幼虫も好んで寄生し、大きな被害が出ます。
そんな時はキャベツ・ブロッコリーのそばにレタスを植え付けてみましょう!
科学的には解明されていないらしいのですが、モンシロチョウ・ヨトウガ・コナガはキク科の植物を嫌うらしいのです。
この為、近くにレタスなどのキク科の植物が植わっていると、これらの害虫は避けて飛ぶようになります。
また、アブラナ科の植物にはレタスを食害するタバコガを寄せ付けにくくする働きがあるので、混植すると互いに害虫防除することになります。
植え付け方は小松菜など直播の場合は約30㎝間隔でそれぞれの種を交互にすじ蒔きし、キャベツ・ブロッコリーなど苗を植え付ける場合はキャベツ・ブロッコリー5〜10株当たりレタス1株、または交互に植え付けをしてください。
たまねぎ × クリムソンクローバーの組み合わせ
家庭菜園や有機栽培で行われている方法に畑の周りに草花を栽培し、そこに天敵を繁殖させて野菜を害虫の食害から守るやり方があります。
たまねぎを栽培していると、害虫としてアブラムシやアザミウマが発生して、葉などの汁を吸い、成長を阻害してしまいます。
そういった被害を防ぐために利用できるのが、マメ科の植物クリムソンクローバー(別名ベニバナ詰草)です。
クリムソンクローバーの花にはたまねぎの害虫であるアブラムシやアザミウマが集まってきます。
そこへこれらの天敵となる昆虫(テントウムシなど)が集まってきて捕食するので、たまねぎ自体への被害が少なくなるわけです 。
また、マメ科の植物は空気中の窒素成分を固定するので、たまねぎの生育がよくなる効果もあるそうです。
植え付け方としては、たまねぎの苗を植え付け時にクリムソンクローバーの種を苗の間、または横にすじ蒔きするだけです。
非常に丈夫な植物なので、そのまま放任でOK! 翌年の夏ごろに花が咲きだし、ちょうど害虫が発生する時期に色づきます。
ほうれんそう × 葉ねぎの組み合わせ
ほうれんそうは日陰を好みますが、葉ねぎは逆に日当たりのよい場所を好みます。
その為、ほうれんそうを播種した近くに葉ねぎを定植すると、葉ねぎが日除けになって日陰が好きなほうれんそうにとって育ちやすい環境をつくることができます。
またほうれんそうは根が深く伸びていくのに対して、葉ねぎの根は浅いところで広がる特徴があるので、互いに栄養を取りあうことがなく、土中有効微生物の働きがよくなる相乗効果で病気が発生しにくくなるようです。
植え付け方は、ほうれんそうを播種した横に葉ねぎを2〜3本ほどまとめて植え付けましょう。
水菜・小松菜 × にらの組み合わせ
水菜・小松菜などのアブラナ科植物を栽培していると、キスジノミハムシなどが寄生して大きな被害が出ることがあります。幼虫は土の中で育つので、農薬を用いてもなかなか防除が難しい害虫です。
その対策として、科学的には作用機構は解明されていませんが、アブラナ科植物の近くににらを植えることで、ハムシ類の被害を少なくすることができるそうです。
にらを刈り取った後に切り口から液が噴き出してくるのですが、キスジノミハムシはこの臭いを嫌うらしく、にらの刈り取り回数が多いほどハムシ類の防除効果が高まるようです。
ですので、にらを収穫するときは根元から引き抜くのではなく、株を残して刈り取るほうが良いようですね。
以上、5種類の組み合わせを紹介させていただきました。
それ以外にもさまざまな組み合わせがありますので、皆さんも調べて実践してみてはいかがですが?
なお、現在農業屋豊川店では野菜種コーナーにて、このコンパニオンプランツの組み合わせが書かれたポップが貼り付けてありますので、ご来店の際にはぜひ見て参考にしてくださいね。(^O^)/